障害者雇用 出張
私はてんかん患者で、今の会社に障害者雇用で採用されて、はや3ヶ月が経つ。
障害者なのだけど、事務よりもどちらかというと社員教育の企画が割り振られていて、多くの社員と一緒に教育プロジェクトに関わる機会がある。
まだまだ未熟なヒヨコで覚えることに精一杯なのだが、ちょっとずつやりがいを感じ始めてきた。
そんな中でいただいたのが、出張のお声掛けである。
*****
行き先は新幹線で数時間離れた場所にある。
日帰りなので、いつもの荷物にプラスしてパソコンをバックパックに入れるという気軽さはよかった。
それでも朝早くて、同伴する社員さんから6時半過ぎ発の新幹線で行きましょうかと言われていた。
・・・化粧しなくてよい男性がうらやましいと心の底から思いながら満面の笑顔で了解した。(結局5時起きだった)
*****
同じ便で行くといっても他の社員さんと席が隣とかではなく、それぞれ思い思いの席に座ることができたのは幸いだった。
出張だけでも緊張感があるから(案の定、朝早く起きれるか不安でなかなか寝付けず、ぐっすり寝れたのは合計2時間くらいである)、移動中にリラックスできるのはなによりありがたい。
社員さんはとてもいい人なのだけど、隣で気を遣いながらイヤホンして寝るとかいう根性のいることは到底できない。
行き先の駅で待ち合わせということになって、よかったよかった。(新幹線に乗ったとき、乗った旨を一応メールしておいた)
*****
新幹線の車内では、ぐうぐう寝ようかと思っていたのだけど、日も昇っていてスピードも心地よく、外の景色を眺めていたらテンションが上がった。
車内で食べようとバッグに忍ばせたどら焼きがとても美味しくて、これまたテンションが上がった。
するとお腹いっぱいになって食欲が満たされたのか、今度は眠気が襲ってきたので、目を閉じることにした。
という、まるで子どものように自然の摂理に柔軟に応じた移動時間だった。
*****
出張の内容は現地視察と会議だったのだけど、視察に3時間、会議に4時間とまあ、ぶったまげる日程である。
当然体力も心配である(病気や障害というよりも、年齢による体力(笑))。
だから終わったときには心底やり遂げた気持ちでいっぱいになった。
新米のペーペーだから会議で一言も発していないものの、出張なんて新しい環境でうまくできるのか不安もあったから、よけいに。
*****
帰りの新幹線では、上司も含め出張した計4人でおつかれさん会をしようということで「新幹線飲み会」をやることになった。
駅近くのコンビニでビールだの缶チューハイだのをカゴに入れ、なんと4人のうち2人がこの日誕生日だからデザートも買って、即席お誕生日会で盛り上がってパァっといこう!と一堂ノリノリであった。
金曜日の夕方だったからか車内は混み混みだったのだが、私たちはお年寄りの慰安旅行みたいに席を向かい合わせにして座り、周りからジロジロ見られながらパーティを開いた。
一番年下の天然の男の子がいるのだけど、車内を移動している間にデザートを通路にぶちまけたそうだ。
中身が出なくてよかったと安堵して、それも笑い話にしながら楽しく帰った。なおこの天然くんが誕生日の主役である。
もう一人の誕生日の主役は課長補佐で、最近カロリーをアプリに入力して自分を律しているらしいのだが、カップのチョコパフェを意気揚々と選んだかと思えばすぐにカロリーを見て凹んでいた。かと思えば「これはゼロカロリーだ」と自分に言い聞かせて今度こそ意気揚々と食べていた。
元気いっぱいの面々である。
今回の出張で収穫できたのは、視察や会議で会社の方針や実態を知ることができたことと、天然はいつもネタを提供してくれるという実証結果と、カロリーを記録するアプリである。(課長補佐に教えてもらった)
いろいろと経験を積んで、いろいろなものを吸収している今日この頃である。
*****
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?