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障害者雇用で6ヶ月② 緊張感のある業務:中途採用の会場手配

今の会社に勤務し始めて6か月。

そして中途採用関連の業務を担当することとなって3か月。

最初は右も左もわからなかったのだが、ようやく慣れてきた。

そのうちのひとつが、中途採用試験会場の手配である。

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会社のビルには会議室がいくつかあるのだが、人事部が採用試験を行う際は外部にある貸会議室を利用している。

中途採用試験では、社内の音が志願者に聞こえないようにするためだったり、逆に志願者の顔が社内の人間に見られないようにすることも重要なので、外部の貸会議室を重宝させていただいている。

この貸会議室を予約するというのが、私がここ数ヶ月で仰せつかった業務である。

流れとしてはまず、中途採用の日程が確定したらすぐに、貸会議室屋さんに電話で日時や希望の部屋を伝えて、了解されれば仮予約が完了する。

これで第一関門を突破するので、ひとまず安心である。

もし取れないということだったら、あせりながらも第2候補、第3候補とほかの貸会議室屋さんを順にあたっていく。

そんなこんなで無事に仮予約が取れれば、メールで中途採用チームのみなさんに報告したのち、社員間で共有している「会議室」関連のExcelファイルに日程や部屋、備品、本予約の〆切日などなどを記入して、みなさんがいつでも見られるようにしておく。

同時に、貸会議室の業者さんからメールで送られてきた本申込書に次から次へと記入してゆく。

何日か経って本予約〆切が近づくと、社員さんに「予約変更はありますか?」などと最終確認したうえで、本申込書を貸会議室屋さんに送る。

これで予約が正式に完了する。


ようやく一息つける瞬間である。

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貸会議室が外部の企業とはいえ、人事部はそもそも中途採用も新卒採用も、新入社員研修から社員研修にいたるまで年中利用させてもらっているので、もはや名前の知れた常連さんである。

だから電話で自分の名を申し出て「ああ!お世話になっております!」と1オクターブ上がってくだされば、もうなじみの客として認定されたということである。

私もようやく最近になって「ああ!」と1オクターブ上がってくださるようになったので、ようやくきたかと感無量である。

とある貸会議室屋さんでは、部屋の種類が色々あるので第1希望、第2希望と順に攻めていくのだが、2つとも難しければ、貸会議室屋さんのほうから秘密の部屋をずずずっと差し出してくださる。

それを受けてこちらは、感謝の気持ちいっぱいに「ははーっ」と最敬礼をして(いる気持ちで)ご提案を拝受する。

おかげで、これまでどこも予約が取れなかった・・・ということは起きていない。

毎回同じということもあって備品も分かっていらっしゃるようで、こちらから電話で言わなくても「〇〇も使われますか?」と先回りして聞いてくださる。

ありがたきことこの上なしである。

外部とのやりとりながらも、これまでの会社間の歴史の積み重ねのおかげで、なんともスムーズにいく業務なのである。

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しかし予約まではなんなくこなせるものの、中途採用はいろんな部署から頻繁に実施依頼があがってくるし、日時の変更などもある。直前にキャンセルなんかもある。

そういう緊急案件があがってくるたびに変更依頼の電話をしたり、本申込書をメールで急遽送ったりというのもまた、たいへん貴重な業務である。

貸会議室屋さんはこの変更にも慣れていらっしゃって、数十分とたたないうちに変更後の請求書を作って送ってくださったりする。

感謝・感激・雨あられである。

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ある日、普段からよくしていただいている貸会議室屋さんから突然私宛に電話があった。

これこれこういう理由で部屋を変えていただいてもよろしいでしょうかということだった。

泣きそうな声でお話されていたのでなんとか力になれればと思ったのだが、よくよく話を聞いてみると変更先に提示された部屋がガラス張りとのことだった。

なにぶん採用試験なのでガラス張りは・・・と申し上げると、曇りガラスであることや廊下に面している窓にはブラインドがかけられることを熱心に伝えてくださったほか、「このあとメールで部屋の写真を送ります」とおっしゃり、すぐに送ってくださった。

とはいえ、私は判断できる立場ではない。

お返事はちょっと確認するので待ってくださいね、という内容の返信メールを送り、その写真を中途採用の担当社員さんに転送しておうかがいを立て、OKが出たので貸会議室さんに快諾のお返事をした。

「貸会議室屋さん」と「社員さん」との仲介役を担うのも、私の役割である。

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私の前に会議室予約を担当されていた派遣社員さんは、ちゃんと予約できているか毎日不安で不安で、当日いざ部屋のドアを開けると予約できていなくて別の方々が会議を開いていらっしゃった、という夢をみたらしい。

あいにくなのか、平和主義なのかは分からないが、私は今のところそういう夢はみていない。

しかしそれを聞くや否や、たしかに!と恐怖感がたちのぼり、予約一覧リストと見積書・申込書や申込書を送ったメールまでくまなくチェックするようになった。

びびりも伝染するものである。

雇用されて半年が経ち、会社の雰囲気や業務にはだいぶ慣れてきたものの、会議室予約はどこかぴりっと緊張感が立ち込める、気の抜けない重要な業務である。

ーーーーー続く


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