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障害者雇用 日々つれづれ 印刷地獄

2月上旬。

4月の新入社員研修で配布されるレジュメの印刷が始まった。

その量については、前々から先輩の障害者さんに半ば脅されていたのだが、私はのほほんと構えていて余裕をぶっこいていたところ、いざガイドを前にしてその膨大さに白目をむいたのだった。

計13冊×人数分×1冊あたりの枚数でいうと、全部で10,640枚(全12章)であった。

それを章ごとに小分けに冊子にしてホッチキスで2か所ずつとめる作業も加わるということで、なんとも気が遠くなった。


最悪だったのはパソコン上での印刷の設定ミスが頻発したことである。
これはあきれるほどすべて私のせいである。

A4で両面印刷、ソート(1部ずつ出力)、白黒をこれでもかというほど間違えた。

片面印刷にして50枚も刷ってしまったり、だからといって両面印刷に全神経を集中してスタートボタンを押したらソートになっていなかったり(1ページずつ大量に印刷され、あとで手作業で冊子にするはめになった)、グラフが色鮮やかに描かれてその分カラーインクを減らしてしまったり。

片面印刷したときは大量のシュレッダー行きか、はさみで小さく切ってメモ用紙と化したのだった。

その後は「A4、両面印刷、ソート、白黒」とぶつぶつ念仏のようにとなえ、びくびくしながら決死の覚悟で「印刷」をクリックした。

印刷しては1ページずつ順になっているかを1枚1枚確認し(割り込み印刷されてたら内部の重要文書をそのまま新入社員研修の冊子に挟み込んでしまうことになるのでやばくて)、ホッチキスでとめる、という作業が延々と続いた。

なかには100ページを超える章もあって、もはやそうなると目をぎらぎらさせながらひたすら数字(ページ数)とのにらめっこの戦いであった。

立ちっぱなしの作業だから、当然足が棒になっていくし、
紙で手を切ってしまうことも何度もあった。手にいくつもの切り傷をつけながら、ときに絆創膏を貼りながら、無心になって淡々とこなした。

それでも1冊ずつ終わるごとにエクセルの表にニコちゃんマークを付けて日付を入力していくのだが、これはとても楽しくて、私が唯一ほっこりする瞬間であった。

また、うず高く積まれた書類を指差して周りの皆さんに「みてみて〜!」と満面の笑顔で自慢したくなるほど、達成感をいだくことのできる業務だった。(実際には恥ずかしいのでやっていない)


しかし印刷から冊子の仕上げまでは想像以上に長く、この印刷作業だけで2週間もかかってしまった。

これを毎年やるのか・・・と思うと心の底からげんなりする。

来年ほかのスタッフが入ってきたら、私も同じように前々から脅しをかけたほうがいいのだろうか。

いやいや、そもそも業務を見直したほうがよいのではないか。

そう。解決策はただ一つ。

来年以降こそ、新入社員一人一人にタブレットを配布してデータで見てもらうことだ。

良案ではないか!

・・・とまあ、こんな声が届くわけもなく、来年以降も「A4、両面印刷、ソート、白黒」とぶつぶつ呪文のようにつぶやく日々が続きそうである。

おかげさまで、てんかん発作は起こっていない。

ーーーーーつれづれと続く



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