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#6 ドーム球場コウノトリ観測隊

 純朴なえぴ中学生はそう理解したのだ。日本各地にはそういった施設が存在するのだと。

 何の話かと言えばコウノトリというワードとドームという言葉から察された方もいるであろう例の避妊具についてである。あまりこういった話題には触れないがまあ、偶には。得意でないという方には大変申し訳ないが私も大いに苦手なのでそれで何とか手を打って頂きたい(?)。じゃあなぜするのかという話だが、唐突に思い出したのでネタにせざるを得なかった。

 兎にも角にも薄さが選べる最近の歯ブラシみたいな特徴を持つ代物。中学校の保健体育でも内容として取り扱われるが、当時の先生はそう詳しく扱わなかった。教科書の字面でしか知らない(写真・イラスト資料も無かった)、その用途しか知らされない謎の存在。一部の野球部がニヤニヤしていたことも相まってこれは確定で甲子園球場や東京ドームと肩を並べる有名な施設なのだなと理解した。

 名推理だと脳内で無知を展開する私は更に理由付けを進める。確か赤ん坊というのはキャベツ畑からコウノトリが運んでくる存在だったはずだ。一軒一軒カップルの家を鳥が訪問するのは非常に効率が悪い訳だから、数グループ一か所に固まってベントラーベントラーよろしく呼んだ方が非常に仕事が早い。この考察は間違っていないだろう。それにさっき教壇からはゴム製だという言葉も飛んだ。これは小さな生命が落下した時の危険防止措置として球場であれば芝生が敷かれている所に施されているのだろう。間違いない。

 しかし全貌が見えてきたところでおちゃらけた野球部が先生に言う。

「せんせぇー、オレこの間コンドーム水風船みたいにして遊んだ」

 私の顔面は一瞬で蒼白した。つまり近隣のどこかに存在する施設の一か所を、幾数もの命を水没させたというのかこの男は。なぜ先生も鼻で笑っているんだ。一人では恐らくその犯行に及ぶことはできまい。となれば我が校の野球部が恐るべき化学力と凶悪さを兼ね備えた集団ということになる。おいそれと関わってはいけない連中だったのかもしれない。

 高校生となって無知の呪縛は解けたものの、友人のワードはまた別の施設を脳内に巡らせることとなった。なるほど、コンサートホールみたいなホール状の施設のことだな……

◎ふわっとえっせいとは……
内容もしまり方もふわっとした感じのエッセイらしき
記事です。人生経験の不足を補うために偶に嘘の経験
も混じっていますがそこもふわっとということで……
(#の番号に前回との繋がり的な意味は一切ありません。
こんだけ書いてんだなーと思っていただければ。)


創作の原動力になります。 何か私の作品に心動かされるものがございましたら、宜しくお願いします。