序詩

透けた舌先に乗せた言葉で
君と遊泳
"存在証明"と称して風を切る
死に物狂いな炎天の街で
生き急ぐほどに吐いて捨てた
強がりな無神論者すら
手を合わせ縋る毎日

こんな日々に誰が
こんな日々に誰も、

忘れ逝く記憶と温もりを
塗り重ねて離さない傲慢さが
自分を唯一愛せる方法で

冷たい風が肌に触れ  喉も乾く
歩道橋の揺れを感じる
腕を組み歩く老夫婦に視線を奪われ
点滅する鼓動

彷徨っている間に夜が明けて
どこまでも無垢な揺り籠と眠る

そんな現在を以てしても
明日は灰色の空
銀幕の向こう  輪郭を濃く
打ち砕かれる衝動
それでも尚、

こんな日々に誰と
こんな日々を君と

「                        」

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