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ジャンクレコードの旅情_1 E. Power Biggs Plays Bach in the Thomaskirche

見つけたレコード

 ジャンクコーナーで見つけたこのレコードが私に迫ってきた。Bachの文字。風格を感じるジャケット。緻密な建築はもちろん、その色味も魅力的。

 裏面。オルガンかぁ。ジャズの時もそうだったけれど、オルガンへの苦手意識。あの時はジャズ喫茶で良い演奏を聴き続けてやっと好きになった。それと、表面の白くなっている部分を完全に見過ごしていたので中央の剥がれたジャケにびっくり。張り付いてなかなか取り出せない硬めのケースから出して並べてみると…

 なるほど。この状態で長い間保存されていたワケか。"ワルツ堂"も気になるが、この入れ方だとせっかくの見開きジャケは台無しだ。とすると、このレコードのいつかの持ち主は、もう内側に書かれた解説や曲目などを読む必要すらないほど聴き込んだ旧所有者だったのだろう。私だってこれを聴き込んでいつかその形にしたいと思う。だからこのケースは大切にとっておくと多分おもしろい。ワルツ堂がどこのどんなレコ屋なのか、あるいはだったのか、ま〜もうないんだろうな〜といういつもの予想。レコード店が潰れすぎていて大体当たる。教会についても詳しく知りたいところ。迷わず購入。

購入後

収録内容

トーマス教会

ワルツ堂

聴いた感想

 冒頭。アレか〜〜〜になった。結構好きかもしれない。つい最近聴き返していたNeutral Milk Hotelの1stを思い出した。クラシックの影響を受けていない音楽はそれ以降ないみたいな言葉と同時に。トーマス教会は演奏者の姿が見えないタイプのオルガンだそうで、ジャケが風景であることに価値を感じ、早朝の静かな街が思い浮かんだ。お店の音出しは何時までとか、隣人に迷惑だから夜は楽器を弾けないとか、そんなふうにここ日本の日常を考えながら、それでもヘッドホンに閉じ込められた電子ピアノの音はたくさん鳴っているよな〜おそらく…となった。演奏者の姿が見えるのに音は聞こえないなんてこのオルガンと逆だ。良いレコードでした。

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