マーダーミステリーのすすめ vol.2 あの夏の囚人
※ネタバレは含みませんが、感想を含むいかなる情報に触れるのも嫌と言う方はご自衛願います。
前回に引き続きグループSNEから、今回はレベル★★★となるあの夏の囚人をプレイ。今のところ14作品中出ているなか、記念すべき(?)半分の7作品目となる。レベル3には少し苦手意識があるため(笑、後述)マダミス経験者・上級者10人を揃えて、木曜夜8時から謎解き開始。
今回プレイするにあたってもう一つ気にしたのがGM、すなわちゲームマスター推奨ということ。この作品以外、レベル関係なく全部GM不要と明記されているにも関わらず、唯一今作品だけは+GM推奨となっている。よほどのことなんだろうと思い、また前回一人勝ちしたこともあり、今回私はプレイヤーとしては参加せずGMをやってみることにした。前回一人勝ちしたマーダーミステリー・オブ・ザ・デッドに関しての記事はこちら↓
結論
GMはいなくてもいいけど高確率で事故ると思う。そして違和感に気付いて修正かけることも可能っちゃ可能だけど、ストーリー展開的にちょっと勿体なくなるかなぁという気がした。なので無しでやる場合にはルールブックの読み上げと各人のストーリの読み込みに普段以上にじっくりと時間をかけることをお勧めする。文字通り隅から隅までしっかり読んでほしい。今回私たちもこの点を始まる前に再三確認していたにも関わらず事故りかけて、何とか途中で軌道修正できたのでGMいて良かったなと思った。ただしデメリットもあると思っていて、まず
GMがいることで進行がスムーズになる分、突飛な議論に展開しづらい→あっさりと終わってしまった感があった
これは良くも悪くもだけど、マダミスの醍醐味ってみんながどんどん物語に入っていって、疑心暗鬼だったり色々深読みしすぎたりして、制作者の意図する展開から全然あらぬ方向に物語が進んでいってしまうことだと思っている(反論は受け付ける笑)。その結果、「制作者に負けたーー」ってみんなで頭を抱えたこと数知れず。レベル3だと特にそれが顕著だったため、先述の苦手意識に繋がっていた部分もあった。
今回GMがいることで、調査フェイズ・議論フェイズともに、いつもよりだいぶタイムキープが厳しかった(厳しくしてしまった)。プレイヤーとしてやってる時は熱中しているから、全会一致で結構アディショナルタイムを作ってしまっていたけど、それを省くとこんなにもスムーズに行くんだなと。ただし醍醐味も失われた印象を受けた。制作者に負けたとしても、自分たちの勘違い・深読みver.って愛着湧くし、何ならこっちの展開の方が良かったよね、なんて敗北感と疲労感の中に納得感と連帯感を持って終わる、それが今回はなかった。GMとしての手腕不足だったかも知れない。その要因として
GMは1回プレイしたことがある人がやるべし
GMすっごく難しい。ルールとストーリー把握してなきゃなのはもちろん、今こういう展開になってるからあのプレイヤーに少し助け舟出そうみたいな、そういうゲームコントロールが本当ならできたら良かったんだけど、ルール確認と時間守るを徹底させるのが精一杯。なぜならネタバレしそうで怖いから。膨大な量の情報を把握した上で、厳密にルール通り時間通り進行させていく。それ自体がネタバレ要素として捉えかねられない状況だし、実際ストーリー展開を大幅に狭めてしまっていたと思う。シンプルなネタバレだって何ならしてしまっていた気がする。幸いそれ自体はゲームの結果に支障を及さなかったけれど、どちらにせよ1回自分がプレイヤーとして肌感を持ってプレイした後にしか良いGMって務まらないんだなって。制作者も巻末に書いている通り。プレイヤーとしてだけじゃない、2回目以降の楽しみ方もあるよっていう位置付けのGMだったかな。初見で務めるべき役職ではなかった。そもそも役職って捉えてたのがミスだった。
やっぱりプレイヤーとして遊ぶ方が100倍楽しいよ
マダミスのもっと根本的な醍醐味、それは参加者が各プレイヤーになりきって物語を一緒に作っていくこと。シリーズのどの外箱にも書いている、制作者の皆さんが多分1番大事にされていること。だとすれば、物語を俯瞰する立場のGM=神の視点ってその存在自体が、物語に入り込むことと矛盾してしまうことになるんじゃないか。それを踏まえた上で今回のGMの立ち振る舞いを考えた方が良かったなぁ。今までプレイヤーとして自分事としてやるのが当たり前だったから、入り込もう入り込もうと頑張りすぎた。あの夏の囚人のGMは、存在感が薄ければ薄いほど良い。時間通りに進ませようとなんか思っちゃだめだ。すごーーく退屈だけどね。他人事になっちゃうから。そう、4時間もの超大作、全てを知った上で見ているだけというのはなんと退屈なことか。マダミスにおいてネタバレがいかに徹底的に忌避すべきものか改めて感じた。物語の登場人物としてやり切った時には「結論じゃなくて過程だよね」と、正解のストーリーに辿り着かなかったことにそこまでの落胆はないのだが、プレイし終わる前に結論を知ってしまうとそれが全てなのだ。虚無。それしか残らない。そもそも自分は物語に登場しない存在なのだから。
もし今後GM推奨のマダミスが出るとするなら一つだけリクエスト。ぜひしっかりとした役割を持ったGM、初見でも楽しめるGMありきのストーリーをやってみたい。俯瞰と当事者、難しいけど面白いと思う。あれ、サマータイムレンダみたいだ
まとめ
今回あの夏の囚人をプレイするにあたってGMが要るか要らないか調べた時に、幾つかこの件について言及したブログやツイートに行き当たり、それらを参考にさせてもらいながらプレイした。その結果、皆さんが書いていることがほぼ私たちにも当てはまったので、補足的な位置付けでこの記事を書いた次第である。補足にしては長い長い考察になってしまったが。。誰かのいつかの参考になれば幸いだ。
〜最新版 Mystery Party in the Box Series 勝手にランキング〜
自身の好みや勝ち負けによって大いにバイアスがかかっているので please take it with big grains of salt 🧂
何度だって青い月に火を灯した
マーダーミステリー・オブ・ザ・デッド
魔女は黄昏の鐘に消える
河辺の夜の夢
あの夏の囚人
人狼村の祝祭
ホワイト・レイヴン、レッド・ダイ
各作品の評価ポイントを書くとそれ自体がネタバレになってしまうので省略するが、上位のものはエンディング時のスッキリ感がありつつも「そうくるか」という意外性がある、いわゆる良質なミステリーであることと、キャラの作り込み・世界観への入り込みやすさが際立っていたかな。
残り手元にあるのは九頭竜館の殺人、ダークユールに贖いを、廃城の錬金術師の3作品。このうち廃城の錬金術師を2週間後にやることが決まっている。今から楽しみで仕方ない。またレビューを書きたいと思う。
あとがき
マダミスって本来もう少し間隔を空けてじっくり1回1回味わってやりたいのだけど、自分の卒業も近づいているし、周りの友人達の進路も同じくらい未知数だから、このみんなで出来る時にやらなきゃっていう意識でいると自ずと短期間で詰め込まなきゃいけなくなる。。難しい。
それにしても毎回少なくても6人、今回に至ってはGM入れて11人集めないといけないゲームで、しかも日本語話者っていう縛りがあるのに、割とスムーズに人を集められるの、恵まれてるよね。日本よりもむしろここLAにいるからこその環境なのかも知れない。
やりたいこと増えた。いつかゲームの世界観にとことん充実なプレイをして、撮影なんかも入れちゃったりしたい。前回はゾンビを意識して照明暗くしたりデパートっぽいお菓子並べてみたり、今回は夏の小島を意識して肉じゃがとお稲荷さん作ってみたりしたけど、次回廃城っぽいものってなんだ。。?Airbnbなんか見てるとヨーロッパにはそういうの借りられたりするんだけど流石に手が届かない。図書館(罪と罰の図書館)、山奥の別荘(奇想、アムネジア)あたりなら行けるか。うんぜひ今年中、卒業記念で実現しよう。
にしても目次が結論、まとめ、あとがきって(笑)終始〆にかかってる記事で笑った。おわり。
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