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人に頼ることの重要性を学ぶ

久しぶりの更新となりました。酵素道です。
今年の1発目は読書の備忘録として「人に頼む技術」という本を紹介します。

この本は一部の人(甘え上手?)を除く、全ての人に役に立つであろう必読本と言える1冊。

社会人や学生関係なく「仕事・雑用を頼むのは気が引けるな…。」と感じたことはあるのではないでしょうか?

かく言う自分も割と人に頼るのが苦手であり、他人に嫌な顔をされるぐらいなら自分一人で仕事を完結させようという思考に陥りがち。。

偶然にもTwitter上でこの本に出会い、人に頼ることの重要性を理解しただけでなく、実践的な知識を得ることができたので紹介します。(思ったより長文になってしまったので、忙しい方は「人を動かす3つの力」の項目だけでも読むと良いかも。)

私たちは助けを求めることが苦手である。

人は小さいことであっても頼む事で不快な気持ちになるようだ。(心理学の実験で証明されているよう模様。)
しかし、私たちは一人で物事を完結させられることはほとんどなく、日常的に誰かに頼み事をしており、小さな苦痛を味わっているということになります。特に頼み辛い雰囲気を醸し出している人に仕事を依頼するのってかなり苦痛ですよね。。笑

この甘え下手?の原因を解く鍵は人間の脳の仕組みにあるそうだ。

人間は他の生物より身体能力に優れているわけでなため、生き延びるには他者と協力しなければならない。つまり集団から仲間外れにされてしまう事は人間にとって重大な危機である。そのため、脳がその危機を社会的苦痛として感知するシステムを持つことで人間は生き長らえてきた。

しかし、人に物事を頼むことは、この社会的苦痛(自分のステータスが下がるのでは?断れるのでは?など)を感じる要素がてんこ盛りな行為であるため、とても不快感を覚えてしまうそうだ。

なんと皮肉なことだろうか…泣

本当は皆んな誰かを助けたいのだ。

でも自分たちが想像しているより、多くの人が他人を助けたいと思っているようで、物を頼む側と頼まれる側では思惑が矛盾してしまっているようだ。

加えて、何か頼まれ時にノーと答えるのは大きなく苦痛を伴うそうで、二度目の依頼された際にはイエスと答える確率が上がるそうだ。連続してノーと答えるのはかなりしんどいことらしい。

なので一回断れたから次回以降は頼むのを辞めようという考えは愚かであるようだ。むしろ一回頼んでみるべきだという事だ。

自分たちは助けを求める人であると同時に助けを与える人」であるということを覚えておこう。

頼むことは嫌がれることではない、むしろ好意を抱かれる!?

この本さらに自分達の常識を覆す?ような事実を実験結果を基に紹介してきます。

嫌な印象を抱いている人の頼み事に応じると、その嫌な印象が薄れる
 さらに大きな頼み事に応じると、その相手が良い人のように思える効果
 が生じる」

「実は、助けを求めることで相手から良くない印象を持たれかもしれないと心配することはない。」

とのことです。

つまりは人は助けた人に対して好意をより強く抱くようになる性質を持っているそうだ。これを知ると早速誰かに頼りたくなります。笑

助ける側のメリット

次に助ける側の視点から考えると以下のようなメリットがあるようだ。

他人を助けることで…
・幸福感の向上
・悲しみや罪悪感を減少させる、負の感情への解毒作用
・結果的に人生の満足度が向上

これは困っている人を助けた時に感じる人も多いのではないだろうか?
つまり、助ける側にも大きなメリットがあるということ。

ここまでの内容で「助けを求める側」と「助ける側」の両方のメリットを把握できた。次にどのように物事を頼めば良いのかについての話しに移っていきます。

頼む際の重要ポイント

人に頼み事をする際に大事なポイントは「相手から自発的に助けてもらえるか?」であり、想像以上に頼む側がコントロールできる内容であるとの事。

このポイントは内発に動機付けされた行動と呼ばれるもの。
過去30,40年の心理学の研究から、最高の動機であるとされているようだ。

いわば人を動かす魔法の力とも呼べる「内発的な動機」を引き出すにはどうすれば良いのか?

その答えは「コントロールされていると思わせない事」だそうです。
コントロールされていると感じる原因は、報酬、期限、脅威、監視、プレッシャー等があげられるようだ。
つまり、いかに相手の意志で自由に行動できると感じて貰えるかが重要ですね。

以上の内容を踏まえた上で、本書は人を動かす3つの力を利用することを提言していました。

人を動かす3つの力

1つ目は「仲間意識を活用する」こと。

人間には同じグループの仲間を助けようとする本能が備わっている。
つまり、頼みたい人に対して同じ集団に属していることを如何に認識させられるか?が重要である。

その方法としては、
・一緒にという言葉を使う
・共通の目標に目を向ける
・共通の敵を探す

が挙げられるが、使い方によっては組織内に波風が立つので注意が必要だ

他の方法としては、「共通の経験や感情を共有する」ことが良いそうだ。
特に共通の経験を共有できるとより強い仲間意識を生み出すことができる。

2つ目は、「自尊心を刺激する」こと。

人は、自分のことを善い人間だと思いたがっているため、自尊心を高めるような行動には相手を動かす大きな力が秘められている。

つまり自尊心が高まるような頼み方をすれば、相手も自ずと助けてくれるということである。具体的には以下の頼みポイントがある。

・相手のアイデンティティを肯定するポイントを強調する
・その相手だけに頼む

が挙げられ、「あなたにしか出来ないことなのだ。だから是非お願いします!」と言った形で頼むことで、相手も気分良く引き受ける可能性が高い。

3つ目は、「有効性を感じさせる」こと。

これは助けを求める上で必要不可欠であり、一番大事な要素。

私達は現実社会に影響を与えているという手応えがあるからこそ、物事を継続しているようです。

例えば、ダイエットする中で定期的に体重を測定することはとても重要であります。なぜなら、現在どの程度痩せたかと把握することは、減量を続ける大きな原動力となります。自分がしていることが有効だという感覚が得られるから。

これは人を助ける際にも同様のことが言えます。
今までの研究から、
・有効性を実感していると、長期的に人を助けようとする可能性が高まる
・誰かを助けたことの効果を実感すれば、疲弊した心も回復しやすくなる
といったことが分かっています。

それでは、助ける側の有効性を高めるためにはどうすれば良いのか?
方法しては以下の3つ。
・どんな助けが必要で、どんな結果をもたらすか、事前に明確に伝える
・フォローアップする(結果を伝える)
・可能な限り相手に好きな方法を選ばせる

相手に対して「自分の助けによって生じた影響を実感できる」ようにすることは、相手の助ける動機を高めるための極めて有効な方法であると言うことでした。

以上の「仲間意識を活用する」「自尊心を刺激する」有効性を感じさせる」の3つのポイントを抑えて、良い頼み方をしていきたい。

あと、当然ながら助けてもらった後には感謝の言葉を忘れないこと。
感謝の気持ちを相手に伝えること。

「助けを求める側」も「助ける側」もメリットを享受できるような「素敵な頼み方」。。これはデキる社会人の必須スキルなのかもしれない。

思ったより長文になってしまったけど、日常の知恵が沢山散らばっている本でした。

酵素道もまずは頼むことを躊躇しないことから始めたいと思います。
ただし、自分のできる範囲で積極的に相手を助けていくこともとても重要なことだと思います。テイクばかりでなくギブも意識しなければ、人間関係が崩れていくはずですから。

「人に頼む技術」は人間関係の構築能力に依存している部分も大きいと思いますが、「人に頼ること自体」が良好な人間関係を築くための一歩になるかもしれません。

恐れず人に頼ること、そして自分も人を積極的に助けること
 これを今年のテーマとする酵素道でした。

追記
昨年から書き始めた論文も少しづつ形になってきた。
今の問題は足りないデータを何とか時間を作ってとること&信頼できる上司に見てもらえるレベルまでに持っていくこと。
年度末までには1通り完成させる!という誓いを新たに立てる。
ガンバルゾ。

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