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上よりも下から学ぶことが増えてきた。

▼『関口サクラ』というギャルモデルがいる。
「この子スゴイんです!」と後輩に激推しされ、
昨年夏頃からインスタをフォローし、何気無しに観ていた。

当初3万人ぐらいだったフォロワーがあれよあれよと現在約15万人。abemaTVの恋愛リアリティ番組(さすがにこれは観る気になれなかった)で火が付いたらしく、この界隈では敵なしの勢いだそうで。ちなみにまだ高校卒業したばかり。

▼フォローしてとても勉強になった。
彼女の何がスゴイって時間さえあればライブ配信してるんだ。コメント拾いまくって、質問答えまくって、アカウントの名前呼びまくって、「今使ってるリップはこれー」とか無邪気に言っちゃって(基本的に愛用してるモノのようだが、どこからが企業案件かは俺にはわからないぐらいいつも自然)。
彼女自身のブランディングに、時代の最先端を観た気がしたのだ。SNSの商業利用とはこういうことかと。SNSの普及をリアルタイムで体感した俺たちの世代は、SNSを誰かとつながるツールとだけしか思っていない。ビジネスな使い方は、なにか漠然とした広報ツールとしか捉えていないのだ。しかし下の世代は違う。やるべきは一方的な宣伝じゃない。圧倒的なコミニュティ作りだ。実感した。やっと肌感覚で納得できた。本人は「楽しいからやってるだけ」とか言いそうだけど。

▼これからは動画の時代だと昨年はよく言われた。とくにライブ配信。編集なしの実直さ、問いかけに対するリアクションのスピード、テキストや写真では追いつけない情報量。必死こいて文章書いたり、キレイに写真撮ってるだけじゃ置いていかれる時代がくるのかも。

▼表題のとおり。30歳も目前となり、上よりも下から学ぶことが増えてきた。残念だが認めよう。ただ老害の一人として言っておきたいのだが、彼らは説明がなっていない。「これスゴイんです」と言える熱量とビビッと来る広く感度の良いセンサーは持っているものの、それを論理的に説明、構造的な部分での解釈が伴っていない。

「これってつまり今までAが主流だったけどBみたいな流れができて、汎用性の高いCが一気に広まってきたってこと?」

「あー、いや、わかんないっすけど、そうかもしれないです。なんかイイっすよね。」

▼しかし「垣蔵、お前自身はどうだったんだ」という問いにはもちろん「自分のことを棚上げにしている」という自覚がある。それこそ10代の頃から「大人に理解してもらえなかった」という悔しい出来事は山のようにある。死ぬほどある。

「いや、こんなこと説明しなくてもイイってわかるでしょ。わかんねーの?なんだコイツら遅れてるな。気にしないで突っ走るしかねーな」

そうして、もがいてあがいてボロボロになりながらも、コノヤローとまた突っ込んでいった自負がある。「説明不足」の一言で原因究明でありカイゼンまで持っていけるような若い時期を俺も長いこと過ごした。

▼「矛盾する二つの原理をかち合わせ、アウフヘーベン(止揚)することで、一次元高い段階に到達できる」弁証法の基本だ。自分と異なる意見を否定し論破するのではなく、違う意見との共通項を探し、その改善策を考え、より多くの人の理解を得て、そのことで組織全体が前に進む。そんな地道な作業が時には近道だったりする。そう思えるほど俺も歳を重ねた。

▼「お前な、その説明じゃ誰もグッとこないよ。俺は面白そうだと思ったらすぐ試すし調べるけど、他の人には通じないぞ」

「だからまず垣蔵さんに言ったんです」

「お、おう///」

下の世代から必要とされるってことは、どういうことなのだろうか。

▼「背中で語る」なんて時代は終わった。ハッキリとそう言っていきたい。正面から向き合い、伝えたい想いの深い部分を言語化してあげること。テクノロジーの進化、時代が変わる速度に追いつけなくなってきた俺たちオジサン世代の残された道だ。その道をしっかりと舗装整備し、次の世代がスピードを出せる道にすること。怖いもの知らずな速度で駆け抜ける後輩の背中を肴に、オッサンたちが楽しく酔っ払える組織が、これからのあるべき姿じゃないだろうか。

▼なんだか理解ある先輩っぽいこと書いた気がしましたが、そんなことないです。だから最後に身も蓋もないことを書いて終わります。

▼俺たちよりさらに上のオジサン世代に道は残されているのだろうか。考える気にもならない。こっちの意見聞く気がないなら、古い習慣に縛られたことだけ隅っこでやってろとしか言いようがない。...そして上の世代はそんな俺に対してこう言うのだろう。
「アイツは説明がなってない。論理的に説明、構造的な部分での解釈が伴っていない」

▼人間ってのはそんなループの連続ですよ。そんなループが嫌だから、だからこそ俺は「前例をつくる」ってことに執着するんです。錆びきった成功例にしがみつくぐらいなら、壮大にズッコケてナンボの人生じゃないか。別に後陣の為なんて意識はないです。「楽しいからやってる」だけです。そう言って最前線で上の世代と戦ってる方がカッコイイでしょ?上にも下にも道を譲る気はないよ。

身体を鍛え、頭を鍛え、心を鍛える。終わりなき日々精進が今年も続きそうです。本年もよろしくお願いします。

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