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【イラスト】2020年12月の振り返り/2021年1月の練習計画

こんにちは,燕禅です.

初めましての方に軽く自己紹介をしますと,普段は大学院生(今は修士2年生)をしたり神社で御朱印を書いたりしています.
ここ半年くらいはイラストを描くのがとても楽しいので色々と勉強しています.

今回のテーマは:
① 2020年12月のイラスト練習振り返り
② 2021年1月のイラスト練習計画
③ 前回の記事についての所感
④ 私の練習の心構え

の4本立てでお送りします.

個人的メモも兼ねていますが,同じくイラストを練習をする方にとって「日本のどこかではこんな風に練習をやっている人間がいるんだな」というモチベーション源になれば嬉しいです.


2020年12月の振り返り

2020年12月にイラストを勉強したり描いたりしていた期間は,実質2週間ほどです.
これまでの練習期間では背景を深く勉強できていなかったモヤモヤ感があったので,今回はパースを改めてしっかり勉強することで,この後ろめたさを解消することにしました.

勉強で使った本は主に以下の2冊です.

『スケッチ感覚でパースが描ける本』は1点透視・2点透視を初心者にも分かりやすいように説明しています.
私は以前にも透視投影を勉強していたのですが,この本はかなり感覚的に理解しやすく,復習として使うにもとてもいい本でした.
著者が建築関係の方なので,ターゲット層は建築学科の学生あたりを想定しているようです.そのため,2章のアクソノ(並行投影)は直接イラストには活用しないものでした.でも極端な話,1章だけでもパース初心者には有意義な本だと思います.

『吉田誠治作品集&パース徹底テクニック』は以前から斜め読みしていたのですが,今回は改めてじっくり勉強しました.
先ほどの『スケッチ感覚でパースが描ける本』はパースそのものを学ぶための本でしたが,こちらはパースを具体的にどうイラストに活かしていくかを学べる実践向きの本だと思います.先ほどの本では取り扱っていなかった3点透視や魚眼パースも学べます.
ちゃんと勉強してみると,背景イラストを描くときのエッセンスがしれっと満遍なく詰まっている恐ろしい本だ……と感じました.
『スケッチ感覚でパースが描ける本』で1点透視・2点透視の描き方を学んだ後に読むと,かなり学習効果が高いと個人的には思います.

最近はイラストの専門書を読むことにも慣れてきたので,同じテーマの本を2~3冊ほど並行して読むようにしています.同じテーマでも説明する人によって切り口が変わってくるので,それらを同時に吸収すると理解がぐっと深まります.

さらに,今回もsessaというイラスト添削サイトを利用しました.このサイトは色々すごいのですが,中でも他の依頼者さんの添削結果を無料で見ることができるというシステムはユーザーにとってすさまじい恩恵です.
今回は吉田誠治先生の添削結果を分析して,自分が今まで意識していなかったところや,自分の過去イラストにも当てはまる添削ポイントを導き出していました.

そんなこんなで描いたのが,以下のイラストです.

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このイラストの背景は二点透視で描いたのですが,PCや椅子は消失点を少しずらした別のパースを用意することで,シーンに複雑さを生ませています.

実は,私も吉田先生に添削をしていただいたことがあるのですが,今回のイラストでそのときの添削内容をやっと落とし込むことができました.

落とし込んだコメントは,「人物のシルエットを強調する」「見せたいところは少し強調する」「ちょっとだけ嘘をつく」です.

この人物は髪の毛や服が黒いので,椅子の色を彩度高めに塗ったり,後ろに白飛びした窓を置くことでシルエットを浮かばせました.

さらに,ブラインドや本棚のコントラストを低めにして,机の下をがっつり暗くすることで,一番見せたい人物やPCを際立たせることができたと思います.

こういう融通が利かせられるのも「絵」ならではだなあ,と感じた次第です.絵であれば,シーンに合わせて椅子の色もあっという間に変えられます.「嘘をつく」というのは,つまりきっとそういうことですね.

前回のイラストと比較しても,画面全体の明度彩度の扱い・シルエット・主役への視線誘導あたりがぐっと意識できるようになったと感じた回でした.

画像2


さて,前述の通り2020年12月でイラストに触れたのは実質2週間ほどです.残り2週間は何をしていたかというと,修士論文と投稿論文に専念しており,イラストにはまったく触れませんでした.

この「まったく」というのには目的があります.

修士論文は言わずもがな大切ですが,後者の投稿論文というのも私にとっては大切で,この投稿論文の業績数が研究者としての人生を左右するといっても過言ではありません.

そんな大切な論文を2つ抱えるにあたり,精神的リソースの大半が論文執筆に注がれて普段通りの生活を維持できないことは明白だったので,イラストの練習はすぱっと休むことに決めました.

私はメリハリをつけるのが元々下手なので,ここで中途半端にイラストを練習しても頭の切り替えが上手くいかなくなってしまい,研究とイラスト双方に利はないだろうと判断しました.

練習を始めてから2週間も空白を設けるのは初めてでしたが,これからもまたこういう時期は訪れるだろうという予感があったので,「長期間休むとこれまで積み重ねてきた練習の習慣がどう変化するのか」という実証も兼ねていました.

2週間休んだ後に先ほどのイラストを描いたので,無事に元通り復帰はできたことになります.これは,「休止するのは2週間」という風に具体的に期間を設定していたのがとても大きかったと思います.
(実際は2週間を少しオーバーしたのですが,それでも目安があったのは効果的でした.)
もし休止期間が無期限だったら,そのままお絵描きからフェードアウトしていた可能性も十分ありました.


2021年1月の練習計画

この記事を書いているのはちょうどお正月休み最終日の2021年1月3日なので,明日から本格的にイラストの練習を再開です.
そして同時に,修士論文に向けて研究活動も再開します.

2021年1月の目標は,目先の上達を目指すのではなく,修士論文が終わってからもイラストを描いている未来を作るというところにあります.

2020年12月では2週間休んだのちにしっかり復帰することができました.一方で,休止中には「このままだと休止期間が終わっても”今日は休もう”が一生続く自信がある.半年程度の習慣は意外とあっけなく崩せるんだな」という危機感もじわっと存在していました.

しかし,1月というのは修士論文が一番大変な時期ですし,さらに私は博士課程の入試準備もしなくてはいけないので,あまり重い練習はできなさそう,というのが正直なところです.

そこで,1月は気楽さをモットーにして紙とペンで人体を練習することに決めました.

勉強で使う本は今のところ以下の通りです.

目先の上達に捉われて無理して練習して,イラストを描くのがしんどくなっては元も子もない……ということで,「少しの間ペースを落としてでも,数ヶ月後の自分が楽しくイラストを描いてくれている方が人生にとってプラスだ」と考えた末の計画です.
ライトに練習することで,イラストの練習を息抜きとして機能させれば,研究とのメリハリもつくだろうと考えています.

だからといって,上達を完全に諦めていないのが今回のミソです.
練習を地道に積み重ねることで,1時間かけて描いていたのが45分で描けるようになれたら,たとえ出来栄えが変わらなくてもそれは立派な上達だと思います.そういう過程部分の上達を今月は目指していきたいです.


前回の記事についての所感

ここから先の文章はポエムです.
前回の記事というのはこれのことです.

リンク先の記事でも少し触れていた話ですが,この記事はもともと練習を見守ってくれていた友人たちへの中間成果レポートとして書いていたもので,然るべき人に共有した後は特にどうすることもなく放置していました.

それをとある友人が「これはネットにも公開すべき」と諭してくれて,それで論文っぽい文体を修正してまとめ直したのちに,違う2人の友人にも事前に感想をもらった上で公開しました.

(諭してくれた友人とは公開するかどうかで押し問答をしたのですが,最終的にはスプラトゥーンのプライベートマッチで負けたので素直に従いました.)

そんなこんなで「数十人の参考になれば上々だ」という気持ちで公開したので,たくさんの方に読んでいただいたのは想定外でした.のっそり生きてきた私にとっては,突然海上に釣り上げられたアンコウのような出来事でした.

でも1ヵ月経って落ち着いてから振り返ると,公開してよかったと思います.私はかなり閉鎖的な世界で生きているので,色んなバックグラウンドの方からコメントをいただけたのは私にとってもかなりプラスでした.読んでくださった方,ありがとうございました.

中でも,記事をきっかけに練習を始めたというコメントもあって,誰かの頑張りに寄与できたなら本当によかったと感じました.陰ながら心から,ものすごく応援しています.


私の練習の心構え

最後に,複数のましゅまろの質問に対する回答として,私の練習の心構えをまとめて終わりにします.
(質問内容的に,求められているのはアドバイスなのだと思うのですが,私は他者に普遍的なアドバイスができるようなニンゲンではないので,参考として自分の経験則を書こうと思います.)

何かを本気で頑張るというのは,正直とてつもなく体力と精神がすり減るし,成果が出るか不安にもなると思います.

私の場合,そういう大変さは一歩先に進めたときの嬉しさで塗り替えるようにしてきます.言い換えると,小さな成功体験を宝物のように大事にするようにしています.

そういうちょっとした成長はメモするでもいいしSNSで共有するでもいいし,何かしら形に残していたら,いざというときの栄養剤になってくれると思います.

一方で,成功体験が生まれない時期はどうすればいいのでしょうか.

そもそも,どんなに効率を求めても上達に直接結びつかない努力と時間の浪費は絶対に起こるものだと思います.私は,それを当たり前のことだと認識しながら焦らずに練習するようにしています.

そして,練習方法も必ず見直すようにします.そのときは一人で抱え込まず,他者から客観的な意見をもらって反映させることを大切にしています(停滞している自分をさらけ出すのは少し勇気がいるかもしれませんが,聞かぬは一生の何とやらです).

一見無駄に見えることでも,数年後にそのときの経験が役に立つなんてことはよくありますし,もし真に無駄であったとしても,数多の選択肢からダミーをひとつ潰せたなら,それはとても有意義なことだと思います.成功体験が生まれない時期も必要なものなのだと考えると,少し楽になれるかもです.

イラストに限らず,長く練習を続けていれば必ず上達します.
経験的に,「そんなことはない,報われない努力もあるんだ」と感じるときは,過去の自分のステータスを過大評価しているか,必要以上に他者と比較しすぎて自分の成長を過小評価しているかのどちらかです.
幸いイラストは受験や大会のように順位が設けられたものではないので,結局は楽しめた者みんなで一等賞だと思います.

根拠のない傲慢な自信は,少し身を置く世界を広げただけであっさり折られてしまいます.でも堅実な努力に裏打ちされた自信というのは「他者との比較」を超越して,誰かにひけらかす必要もないような揺らぎない場所に行きつくと感じる最近です.

私自身まだペーペーなので立派な回答じゃなくて恐縮ですが,何かしら参考になれば幸いです.

くじけそうになることもあるかもしれませんが,たまには休みつつ,ぜひ楽しく一緒に頑張りましょう.

 それではまた.

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