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リアルとデジタルの融合が、これまでにない顧客体験を創り出す ―enXross協賛企業インタビュー・モンスターラボ

皆さん、こんにちは。
enXross事務局です。
 
日本最大級のエンターテインメントシティ・東京ドームシティの新プロジェクトenXross(エンクロス)は、デジタル技術を活用した経済圏創出や、お客さまの感動体験アップデートの実現を目指す取り組みです。
 
こちらのnoteでは、世界のエンターテインメントとイノベーションの交差点・enXrossのプロジェクトに携わるスタッフや、web3・ブロックチェーン領域の有識者、協賛企業の皆さまへのインタビューを通じて、イベントのビジョンと魅力などをお伝えします。
 
今回は、enXrossプラチナスポンサーで、多種多様な業界の企業のデジタル変革を支援する株式会社モンスターラボの宇野智之さん、加藤愛貴さんに、ブロックチェーン・web3テクノロジー活用の最前線とその可能性について、お話をうかがいました。


お話をうかがった、株式会社モンスターラボ 常務執行役員 デリバリー統括責任者の宇野智之さん(右)と、株式会社モンスターラボ コンサルティングライン DXコンサルタントの加藤愛貴さん(左)


多様なメンバーが集結、価値創出・体験設計から伴走するモンスターラボ

― enXrossにプラチナスポンサーとして参画されているモンスターラボさんですが、まずは事業の概要と特徴について教えていただけますか。
 
宇野さん いわゆるDX(デジタル・トランスフォーメーション)支援とお伝えすることが多いのですが、デジタルの力を活用して、お客さまの課題解決や機会創出を支援しています。
我々はもともと開発に強い会社で、あらゆるテクノロジーを扱える人材が在籍しています。ですが、単にものづくりをするのではなく、お客さまが求める内容がビジネスとして本当にうまくいくか、本当にユーザーの課題を解決するかどうかを分析する点から支援しています。ユーザーの行動分析や体験設計なども得意としており、社内にはUI/UX(ユーザー・インターフェイス/ユーザー・エクスペリエンス)のデザイナーも在籍しています。
また、世界に展開しているという点も我々の特徴の一つです。さまざまな専門性をもつメンバーが世界中で連携しながら活動しているので、ヨーロッパやアメリカ、最近では中東など、世界のいろいろな地域の事例を共有できていることは面白い特徴ですし、こうしたナレッジを日本のお客さまにも提供しています。



― モンスターラボさんに相談すれば、世界中のデジタル活用の事例を知ることができるのですね。日本はデジタル活用が遅れがちだと言われることもありますが、日本と世界でニーズやトレンドに違いはありますか。

宇野さん 「DX」という枠で捉えると、国によって注力している分野が違ったりはしますが、企業単位で見ると、考えていることややろうとしているプロダクトに意外と大きな違いはないように感じます。

加藤さん そうですね。一方で、欧米では多くの事業会社が自前で開発組織をもっているのに対し、日本ではITベンダーに委託しているケースがほとんどです。そうなると、取り組みのスピードがどうしても遅くなる面があります。

宇野さん なので、私たちは日本企業を取り巻くそうした環境を理解したうえで、内部に入り込んで一緒に問題解決をしていくというスタンスで伴走しています。

加藤さん レガシーからの脱却という守りのDXだけでなく、デジタルを活用して新たな価値を創る、攻めのDXのご相談も多くいただきます。特に今年からのトレンドとして、生成AIに関するお問い合わせが非常に増えています。生成AIによって時代が大きく変わっていく、その転換期にきていると感じます。
ただ、AIの活用においては技術的な要素だけでなく、人間と機械のコミュニケーションやプライバシーのリスクなど、文化的・社会的・倫理的な側面などからも多面的に考える必要があります。
弊社ではエンジニアだけでなく、マーケット戦略を立案するコンサルタントやユーザー体験・コミュニケーションを考えるメンバー、セキュリティの専門部隊など、国内外の多様なバックグラウンドと専門性をもったメンバーがAIの実装をサポートするので、この点も弊社にご相談いただいている背景かなと思っています。


ブロックチェーンなどweb3の技術はもちろん、生成AIも
世界を大きく変える力をもつテクノロジーだ

ブロックチェーンの特徴、「透明性」と「セキュリティ」、「掛け算力」を活かす

― 今回のenXrossのテーマは「ブロックチェーン」です。付け焼き刃の知識では理解が難しい技術のように感じるのですが、ブロックチェーンの特徴、活かしどころはどこにあるのでしょうか?
 
加藤さん 弊社は小売や金融、製造など、業界を問わずデジタル変革を支援しています。どの業界・ケースでも言えるブロックチェーンのメリットは、「透明性」と「セキュリティの担保」という点です。
例えば最近サポートさせていただいた例を挙げると、ウェルネス領域におけるワークアウト管理アプリの構想支援があります。
ユーザーが健康情報やワークアウト情報をアプリ経由でブロックチェーンに記録すると、リーグ形式のゲームに参加したり、活動量によってネイティブトークンやNFTで報酬を得たりすることができます。記録のトラッキングや報酬の管理といった設計の観点、またセンシティブな健康情報などを含めてセキュアに管理していく点などは、ウェルネス領域に限らず、さまざまな領域で活かしていけると感じました。
また、生成AIの登場などAI技術の進歩が著しい中、インターネットで目にする情報の大半がAIによって生成されている、といった日が近い将来訪れるのではないかと思っています。
そのような時代になると、そもそもAIがどんな情報をインプットし、処理をし、その結果出てきた情報が適切なのかを証明する必要がでてきます。
そんなとき、例えばブロックチェーンが客観的事実を持ってAIの信憑性を証明することができるようになると、あらゆるサービスへの浸透がより加速してくと考えています。
ブロックチェーン単体の技術だけではなく、新しいテクノロジーとの掛け算により、世の中にさらなる価値を提供できると思いますし、もちろん私たちもご支援させていただきます。

テクノロジーを浸透させるには、行動変容がどう起きるか、観察が重要

― 今のお話をうかがって、ブロックチェーンは今後、いろいろな領域・業界で活用が広がりそうな気がしてきました。
 
宇野さん ブロックチェーンを含めたWeb3の特徴は、価値の対価にお金を用いるのでなく、価値自体を交換するという点にあります。本来価値があるけれど、その価値がお金には変えづらい場合にインセンティブをどう作るかと考えたとき、例えば環境保全に貢献した人にNFTを渡すとトークンエコノミーの中で価値が循環する状況を作れます。これまでお金では表せなかった価値に対して人を動かすことができる可能性がある。トークンエコノミーに変換することができれば、それはブロックチェーンを活用した新しいサービス群になり得るのではないかと考えています。
ただ、サービスがあるだけでは使われませんから、ユーザーを巻き込むための仕組み、面白さを感じて使い始めてもらう仕組みづくりが重要だと感じています。
 
― モンスターラボさんにはUI/UXの専門家もいらっしゃるということですが、こうした人を動かす仕組みづくりの支援もされているのですか?
 
宇野さん はい。特にユーザー体験の部分では、ユーザーの行動観察がとても大切です。
新たな仕組みを作るときには、ユーザーにどう動いてほしいか想定します。そこで、実際にその人たちがどんなタイミングでその行動をとるのかを観察し、理解するのが、テクノロジーを使って行動変容を起こすときのファーストステップなのです。我々のUXのチームは、人々の活動をじっくり観察するということを地道に、泥臭くやっていく中で、課題や機会を発見し、知見を蓄積しています。



デジタルエンジニアリングだけでなく、ビジネス構築やUI/UXなど
多彩な専門性をもつ多国籍なメンバーが在籍しているのもモンスターラボの強み

幅広い可能性をもつ「東京ドームシティ」というアセット

― enXrossが開催される東京ドームシティという場所や、エンターテインメントとイノベーションというテーマに感じる魅力について教えてください。

加藤さん 東京ドームシティはスパ、イベントスペース、子ども向け施設、ホテルなど、多彩な価値を提供する物理的なアセットとしての魅力がまずありますよね。
似た事例に、シンガポールのGardens by the Bayという大型植物園のアプリを開発したケースがあります。園内には複数のエリアやスポットがあるのですが、実際に園内を観察してみると人気のエリアに人が集中して入場の待ち時間が数時間に及んでいたり、ちょうどコロナ禍だったこともあり広大な園内の案内係が不足していたり…とさまざまな課題が見つかりました。そこでアプリを通じて空いているときに価格が安く変動する仕組み「ダイナミックプライシング」を導入したり、AR技術を活用した道案内機能を追加したりと、それぞれの課題に対するソリューションを提供しました。結果的にユーザー体験が飛躍的に改善し、アプリのダウンロード数なども大幅に増加しました。まさにデジタルを通じた変革の例の一つなのかなと思います。
東京ドームシティのリアルのアセットとデジタル技術の融合ですと、正直なところ、何をやっても楽しそうだなと思うくらい可能性を感じます。例えば、アプリやウェブと顧客データをかけ合わせた、デジタル上での情報提供やプロモーション等のパーソナライズされた体験の提供は、さまざまなユーザーセグメントが十人十色の楽しみ方をしている東京ドームシティにおいてはテクノロジーでレバレッジをかけられる部分ではないかと思います。
また、AIやAR/VRなどのXRも活用していくことで、東京ドームシティという物理的な制約、さらに言語的な制約にも縛られず、魅力やコンテンツをグローバルに発信できる点にもポテンシャルを感じます。


モンスターラボでは、シンガポールの大型植物園
「Gardens by the Bay」のアプリを開発。デジタルとリアルの融合で
新しい顧客体験を創り出した


宇野さん
 海外の方々にとって、東京ドームシティ全体が目的地になるようにできるといいんじゃないかなと思いますね。
オフラインでの体験をどう作るかが大事ですが、それをデジタルとかけ合わせることで、東京ドームシティというリアルの場所のメリットを最大限活かせる可能性があると見ています。
生成AIやデジタルツインなど、さまざまなテクノロジー活用の余地があるのではないでしょうか。

― リアルの場所があるからこそ、デジタル技術をかけ合わせていく余地も広いと言えそうですね。デジタルエンジニアリング・コンサルティング集団としての姿から、デジタル技術を活用した東京ドームシティの可能性まで、幅広くお話いただき、ありがとうございました。


東京ドームシティの新プロジェクトenXrossについてはhttps://www.tokyo-dome.co.jp/enxross/をご覧ください!



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