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女装デビューしてみて

この記事は、筑波大学 Advent Calendar 2020の14日目の記事です。

流れに乗って昨日に引き続き女装の話で恐縮ではあるが、ティーカップ横綱さんの記事にもある通り、筑波大学の女装男子の数は最盛期に比べ、かなり減っていることが知られている(要出典)。そのため当然ながら(?)増やしたいなぁという気持ちもあって2020年のハロウィンというイベントに乗じて、自分がデビューしてみた(隗より始めよ)。自分もこれまでもTwitterやらマグリブやらで女装していることをほのめかしたりはしていたけど、いざデビューするとなるとなかなか勇気が出ないもの…というわけでこの記事が未だ道を踏み誤る勇気のない人たちへ、道を踏み誤る一歩目きっかけをになればなぁという感じで自分がデビューまでに至る経緯を書こうと思ったら案外ディープな話になったのでここで書くのにふさわしくなさそうだったので、まゆみさん(自分)のデビュー後のアレコレについて語りたいなという記事です。

1.デビューのきっかけ

いつも行くサークルがハロウィンに合わせて仮装しようぜとなったので「(どうしようかなぁ)」と迷っていました。どれくらい迷っていたかというと、外出用の服が届いたのがイベントの2日前というくらいには迷ってましたね。でもなんだかんだ日が暮れるのが遅くなったし、あまりにも受けが悪かったらトイレで着替えればいいやとも思って行っちゃいました。

結果としては行ったとき居た20人のうち、1人(「まゆみ」の名付け親、かつ同じく女装民)にしか自分とはバレず、残りの人全員は、まゆみさんが初めて来た人という認識でまゆみさん大勝利でした。ボイトレしてないので、喋らずにホワイトボードでコミュニケーションしてたのが大きいかもしれません。その後も後から来たメンバーに「今日初めて来たまゆみさんです」と紹介してもらうのも楽しかったです。(ボードゲームやポーカーが好きなあたり人を合法な範囲でだますのは楽しいですね。)女装とバレたあともチヤホヤされたりはしましたが、特に嫌悪感や嫌がらせの類はなかったです。(自分が鈍感なだけかもしれない。)とまあ、まゆみさんのデビューはある意味大成功に終わりました。

2.デビュー以降のまゆみさん

11月上旬 二丁目&室内ハッテン場っぽいところデビュー
11月中旬 女性と(腐ってるのでハッテン場の話を餌に)デート&服を見に
     行く&告白、そして振られる
11月下旬 許婚と飲む
     研究室でまゆみさんを紹介する
12月上旬までにサークルへ複数回参加
12月中旬 バイト先でまゆみさんを紹介する
とざっと書いてみましたけど、どの行も業が深すぎて(行だけに)一つの記事が書けそうなので事実の羅列だけをしてみました。1か月半の間にどんだけのイベント起こしてんねんって感じですね。女装は生活を豊かにする

3.1か月半の経験を踏まえての所感

かなり濃密な1か月半過ごせたので色々と得られたものがあるのでざっくり紹介すると
3.1.意外と受け入れてもらえる
時代のおかげかサークルを始め、研究室でも、バイト先でも割と「えっ!?」という驚きから始まるものの、その後経緯やきっかけ、そして女装に関するアレコレを聞いてくるわけですけど、好奇心の沸く対象ではあるものの拒絶する対象ではないようです。特にサークルやバイトの人間関係や研究室の先生は40代~50代の人が多いわけですが、誰一人に拒絶されなかったのは想定外でした。
あと特に女性の方が反応いいです。女性同士が結構服を一緒に見たり、教え合う延長線上にいるのかなと思います。なんだかんだ3人くらいの方から洋服お下がり貰えたし、2人と(女装の状態で)服見に行ったり(どこのお店も、女性服専門店も含め、普通に試着とかさせてもらえた)したので、「漫画もあながち間違ってないな~」と思いました。(もう一個あながちの事例として「女装生徒会長」があります。ある日同人誌読んでて生徒会長が女装するわけないじゃんとマジで素でそういう感想抱いてしまったけど、「あれ?俺生徒会長やる前から女装してたやん」と気づいてしまい、あながち~って感じですね)
ただ女性には気を付けてもらいたいのは私はMtFとかではなく、中身は普通(諸説あり)の男性なので、女性同士の距離感純度100%で来ると正直心臓に悪いため(その女装男子の属性を見極めつつ)適度にコントロールしてほしいなと思いました……
3.2.街を歩ていてもあまり視線を感じない
女装が珍しくないのか、溶け込めている(180cm&肩幅があるのでとてもじゃないけど厳しいとは思う)のかあまり視線は感じなかった。案外みんな他人のことを気にしていないんだなぁと再確認した。
3.3. 女性の気持ちをある程度理解できるようになる
ナンパされてもいざとなれば男の力で抵抗できるし、180cm近くあれば痴漢や突進おじさんも当然寄ってこないので完全に理解したとは言わないけどいくつかの気づきはあったし、男性アバター使ってたら一生わかんなかったかもしれないポイントがいくつか。
 3.3.1.メイクはめっちゃ時間がかかる
完璧にやろうとすれば1,2時間はかかる、自分が慣れていないせいもあるだろうけど。今まで一人で楽しんでいたからいくらでも時間がかけられたけど、待ち合わせとかするようになると、シャワーで0.5分+化粧で1.0時間+移動で1.5時間+ADHDで2.0時間かかるので午後待ち合わせなのに1限の時間より早く起きるハメになる。一回恋愛相談で突然気になる相手の最寄り駅に夜凸れ!って言われたけど、冷静に考えて俺がその立場なら脈ありでもいったんお引き取りをお願いしそう。これ本当に女装して一番役立った場面だったかも。
 3.3.2.女性の格好は寒い
もう男女の身体付き以前に女性が寒がりな一因としてやっぱり服装に原因があるんだなぁと思いました。じゃあ厚着すればいいじゃんと思った方はモテません、以上。
 3.3.3.キモいヤツは顔関係なく、行動や発言がキモい、生理的に無理
これは2丁目やハッテン場での経験が基になっていますが、口説かれる立場になって人を見ると色々と差がわかってくる。モテる人は顔関係なく、立ち振る舞いが紳士だし、トークがうまい上に何よりこっちが嫌がらない範囲で積極的(何もするつもりがなかったけどあまりにも自然でスマートな流れだったのでボディータッチを許してしまった…)。反対にキモいヤツはそもそも臭かったり、「か、かわいいですね…」「えっ本当ですか?ありがとうございます~」(会話終了)だったり、救いようがない。それでいて私がモテ男と盛り上がっていると横から会話に入ってこようとするし、それでいて入り方が雑。モテ男がおさわりしているから、「じゃあ俺も」的なノリで一緒に触ろうとしてくるけど、いや違うだろ。モテ男はドリンクおごった上に、私との会話を盛り上げて、いっぱいこっちをほめて、そして何より清潔感があるから私のふとももを手に入れたわけ。それに引き換えお前は何をした?お前にやるふとももはない、帰れと言わんばかりに断固拒否しました。
 3.3.4.処女がいきなり感じることはない
特にいうことはありません。(AVやエロ漫画はやはりファンタジー。)
 3.3.5.何をするにしても服装や髪、化粧が気になる
何をするにしてもベストな自分、一番かわいい状態の私をキープしたいので、服を汚す可能性のあるものは食べたくないし、30分おきに鏡見たくなる。自意識過剰かよと思っていたこともあったけど、あれは他の誰でもなく、自分のためにやっていたんだな~ということが大変よくわかる。お前のためじゃないから、むしろお前の方が自意識過剰だ
3.4.意外とすぐ慣れる
家から出て100mも移動すると女装してても特に違和感なくなって興奮も醒める。別に普通のこととして脳が受け入れてしまう。Erectしたらどうしようとか最初のころは心配してたけど、そもそもErectしない。だって普通のことしてるだけだもん。(リラックスによって発生するErectはたいてい座っているときに起きるので特に問題なかったです。)

とまあざっと思いつく範囲ではこんな感じです。何か思い出したりしたら追記か別記事出すかもです。

4.これから女装デビューするみなさんへ

デビューするなら今のうちだぞ!寒いから肌面積少な目だし、オーバーサイズが流行りだから色々誤魔化せる!クリスマスを口実に女装しろ!

もっと実用性のあるアドバイスをするとしたら
4.1.眉毛を剃れ
Twitterで見かけるイケてない女装さんの原因たいていこれ。メイクばっちりでも眉毛だけが男性というか、ノータッチでいろいろ台無しな時が多い…(ちなみにまゆみさんは名前に眉が入っているくせに眉のメイクが苦手です…最近ネット越しにお姉さんからレクチャー受けていますけど、実演してくださる方も常時募集中です……眉マジむり…)
4.2.ウィッグは適度に切れ
ウィッグ買った状態そのままは自分に合っていない…!当然やろ、オーダーメイドちゃうんやけん。生えないから切るの怖いかもしれんけど100均のすきバサミで前髪を整えるんや!
4.3.服は割とどうにでもなる
結局女性でメンズ着ている人も多いし、胸さえそれっぽく作ればパーカーでも着りゃいい。パーカーくらい持ってんだろ?下はユニクロで適当なスカート買えば当日になっても間に合う。女性服の多くはサイズが厳しいということは事実だが、服がないは女装をしない言い訳にならない
4.4.メイク道は無限に続くからデビューする予定がなくても練習しろ!
Amazonさん曰く、自分のメイクデビューは2019年中旬だそうで、メイク始めて1年ちょいでまゆみさんに至ったわけです。多分これってたまたま見つけたサイトや参考にしたフォローの顔と自分の相性が良くて、そこに紹介されている方法や道具でそれなりのクオリティが出せたのが大きいと思います。つまり運がよかった。皆さんもそういった幸運にありつけれるかわからないので急なデビューに備えて、今のうちからメイクの練習だけはしておきましょう。

さいごに

いや無計画に飛び入りで参加したので結局自分語りになってしまった…でもみなさんがこれ読んで少しでも道を踏み誤ってくれたらなと思います…
Let's Cross-Dressing
あとアドベントカレンダーって当日に公開できればいいんですよね?何なら筑波には寝るまでが当日とかいう条例がありまして…
オチはない(無慈悲)

【訂正・編集履歴】
2020月12月21日
一部言葉遣いの変更

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