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るろうに剣心 最終章 The Final

もはやこの作品は漫画るろ剣を超越してしまっている。そんな映画なんだと、出演者や監督に代わって言いたい。映画るろうに剣心は全5作で完結となったわけだが、単なる漫画からの実写化といった類のものではないんだと。原作に対してリスペクトはもちろん持つのは当たり前なわけで、比較論、相対的な話をしたところで意味はないのは百も承知なわけだが、それでも言いたい。というか客として観た側の我々がこのシリーズは凄いんだ凄いものを観たんだと代々語り継いでいかないといけないんだと勝手な使命感に駆られている。

軽薄な表現になってしまうがキャスティングがまじで絶妙。真剣佑なんてもはや真剣佑の面影が途中から見えなくなり、雪代縁にしか見えなかった。佐藤健は自身の代表作、心に残る作品としてもるろ剣を挙げており、実生活においても剣心ならどうする?みたいなメンター的なポジションまで内在させてしまっているらしい。そりゃあ剣心だわ。

今回、2作観るにあたって過去の3作も見返したわけだがこれまたキャスティングが絶妙で。特に志々雄真実なんて藤原竜也じゃなかったらゾッとしてしまうくらいのクオリティだったのかもしれない。下手したらチープになりかねない包帯ぐるぐる巻きの男を藤原竜也は完全に国取りを目論む狂った男として演じ切った。YouTubeにメイキング動画が挙がっているが、映画を通して見るよりも生々しい志々雄真実がそこにいるので是非見てほしい。

江口さんが試写会でおっしゃっていたが、このるろ剣シリーズは代々日本に脈々と受け継がれてきた時代劇の遺伝子と漫画の実写化というめちゃんこハードルの高い作業を足し合わせて出来た傑作なんだと。自身がモヤモヤしていた部分を明確に言語化してもらえたような衝撃を受けた。そうか。これは時代劇なんだと。リアルであり創作なんだと。画面の中で剣心やら志々雄やら縁やらが生きていたのはリアルなんだと。そしてそれを成し得たのは原作に対する映画るろうに剣心関係者、並びにファンの期待が相乗効果を起こしたうねり起きた熱量なんだと私は思う。

大友組あっぱれ。


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