知らない魅力を知る楽しさ。



高校の同級生たちと久しぶりに会った。

何年ぶり?なんていうレベルなんだけど、特にみんな元気そうでよかった。働く素敵なお姉さんって感じだ!!!


さて、その女子会は日本橋の三越で行われた。

女子の憧れ、アフタヌーンティーセット。三段のケーキスタンドにそれぞれサンドイッチ、スコーン、ケーキなんかが乗っている。一人用だと二段。私の大好きブレクファスト系の紅茶を選んで、高校の時の話や、みんなの近況なんかを聞いて、楽しいひとときを過ごせた。どうでもいいけどアフタヌーンティーセットって写真撮るの難しい。

お店から出て、一通り日本橋の三越を歩いてまわった。私たちは住んでいる場所がこの辺りではないので、みんな日本橋の三越には馴染みがなく、結構楽しかった。ブティックのマネキンは私らの手取りをはるかに超えるような衣服を身に纏っていたし、スニーカー一足とっても想像より桁の多いプライスキューブが置かれてた。普段デパートでは飲食したり生活雑貨や食べ物を買ったりするくらいなので分かってはいたけれど、可愛いワンピースや靴も、その全てが可愛くないお値段をしていた。家賃を払いつつ必死こいて働いてるただのOLにはちと厳しい。おぼえていろ、いつか絶対買ってやるからな。三年前から買おうとしていたフェンディの財布は未だに買えていないけど。

屋上はちょっとした庭になっていて、シーズンになるとBBQなんかが出来るスペースと浅めの池があった。神社があって、祠が二つあって、お賽銭投げる場所も二つあったんだけど、二人が右の大きめの祠に賽銭してお祈りするなか、欲深い私はそのどちらにもお賽銭を投げ、お祈りした。二兎追う者は何とやら?…余計なお世話ですわよ。

その横では盆栽が売られていて、数万で買えるものから数百万する立派なものまで売っていて、盆栽の奥深さを知った。盆栽のぼの字も判らないド素人なんだけど、でも確かに木の幹とかが 樹齢を重ねないと形成されないような複雑さを持ち合わせていながら、それでいて美しい様相をしていて、その厳かさが魅力なのだと気づく。20歳超えたあたりくらいから、大人になった今からやる習い事で生け花をやろうとずっと思っていたけど、盆栽でも面白そうだなと思った。

最後に、デパコスなんかが売ってる1階に戻ってきて、ティファニーに入った。

私は婚約指輪をもらうならティファニーがいい!という昔からの憧れがあるんだけど、婚約指輪ひとつとってもct(カラット)数によってはピンキリで、新卒の手取りくらいで買えちゃうようなものから、俗に言う"給料3ヶ月ぶん!"の平均帯、更には給料何ヶ月ぶん…なんだ?みたいなお高いやつもある。(値段やct数はなんでもいいので丸いダイヤが一つだけついたシンプルなティファニーのやつください、未来の旦那さん!ちなみに結婚指輪はカルティエで!!)

そしてこういう時の複数人、って強い。入りたいけど一人では入りづらいし、入ったとしても営業されてしまいそう。そのハードルが一気に下がって、ライトに店内を見ることが出来た。一人でお店の人に営業されているお上品なマダム、あんたは一体何者なんだ…。

その次はデュポンで営業された。S.T.DuPont。これは完全に私が悪いので二人には申し訳なかったんだけど、昔紙巻を吸っていた時、デュポンのライターにずっと憧れていて、それでついついショーケースに近寄ってしまったのだ。そしたらそこの店員さんが、逃さんとばかりにまぁ営業トークをかましてきて。最終的には全然関係のないボールペンの営業までされた。すまんけどペンを買うなら私はモンブランの万年筆ってずっと前から決めてるんだ。


そのあとは、La Legende(ラ・レジョン)という宝石屋さんがたまたまこの日本橋の三越に出店していて、興味本位で覗いた私達にお店の人が宝石について詳しく教えてくれた。

私らが現時点でそこにある宝石のどれも買わない(買えない)ことは承知のうえで、ショーケースにあるすべての宝石を丁寧に説明してくださって(デュポンのいけいけどんどんの店員とはえらい違いだ)、私たちは簡単に宝石の沼へと落ちた。

天然の宝石でもこんな嘘みたいに美しく輝くんだ、と思ったのが率直な感想。でもそこに安っぽさは確かに存在しない。鉱山が閉山してしまい、静かに価値を上げ続けているピンクダイヤモンド や、集中した光を当てるとクッキリとした猫目が現れるクリソベリルキャッツアイ、ブラジルで採れた1,600万円のパライバトルマリン。ちなみにこのトルマリンはブラジルとアフリカのみ産出される宝石で、後者のモザンビーク地方で採れる緑と青の混ざった輝きをする物より青一つで輝く前者のほうが圧倒的に希少性があり高い。1,000万くらいの差額がついてた。(これくらいでビビってたらのちに5,500万円の宝石をあしらったネックレスが出てきて実家よりも高ぇ…ってなった)

なかでも私がいちばん気に入ったのは、バイカラーゾイサイト。名の如くバイカラーのゾイサイト。私が見たのは藤色の薄紫から夜明けみたいな深い蒼にかけてのグラデーションが見事なやつ。何百万したか忘れたけど、本当に綺麗だった。誕生石はルビーなんだけど、バイカラーゾイサイトがいい!と思ったもんね。誕生石。何月に生まれても無理だけど。(ちなみに12月の誕生石、タンザナイトは別名ブルーゾイサイトだったりするので近しいと言えば近しい)

宝石なんて興味なかったんだけど、資産になるし、ピンクダイヤモンドのように鉱山が閉山してしまえば価値が上昇する宝石もあるし、買っとくのもアリなんじゃないか…?とか思っちゃった。貯金しようね、私。

そして何より、今は無理でもいずれお客さんとしてまた買ってもらうための接客をしてくれたと思うと、嬉しいし少し照れくさい。未来に買うかどうかはちょっとまだわからないけど、しばらくは貰ったパンフレットで我慢しておこう。


宝石に魅了される人の気持ちがわかってしまった、という話でした。


宝石と、デパ地下のお菓子と、アフタヌーンティーは素晴らしい。そうだ、あとは盆栽、もね。


気ままにどうぞよろしくお願い致します。 本や思考に溶けますが。