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#22 尾道の干し柿から誕生!営業収益6,798億円 総合スーパー「イズミ」の事業推移

注目企業を取り上げていきます。
今回はイズミです。

会社概要

中四国、九州地盤の総合スーパー「ゆめタウン」を展開しています。本社は広島市、広島駅新幹線口からすぐ近くの場所に位置しています。

創業者は山西義政氏。1922年生まれで、1943年の20歳のときに海軍に入隊。終戦後は広島へ戻り、海軍の友達が作っていた干し柿を譲ってもらい、売っていたそうです。それがイズミの始まりといえます。干し柿の露店は1年も経たずに閉めましたが、そこから営業収益7,000億円の総合スーパーへと成長していきました。

余談ですが、尾道には尾道柿園という2016年に設立された柿園の商品を展開している少数精鋭の会社があります。

広島県尾道市の御調町管地区という標高300mの山頂に位置し、この里山で生まれ育ったメンバーで活動をされています。

400年も受け継がれてきた歴史と風土の上に、故郷への思いによって蘇らせた〝柿の里〟で育った柿を使い、干し柿、柿酢、柿渋などを日本全国に伝えておられます。

ゆめタウンの男 戦後ヤミ市から生まれたスーパーが年商七〇〇〇億円になるまで(著書:山西義政)



業績推移

営業収益、営業利益

営業収益は2020/2月期までは右肩上がりで増加。しかし、2021/2月期は対前年増減率△8.7%減の6,798億円と、新型コロナウイルス感染拡大で専門店の休業を実施したことによる来店客数の減少等が主な要因とのこと。2022年通期は対前年増減率△0.4%減の6,768億円となっています。

5年間のCAGRは-0.73%

22/2月期の営業利益は347億円、営業利益率は5.1%となっています。5期平均の営業利益率は5.0%です。

店舗数と1店舗当たり平均売上高推移(単体)

22年2月期のイズミ単体での店舗数は107店舗、1店舗当たり売上高は56億円です。


コスト構造

次にコスト構造を見ていきましょう。
22/2月期の売上原価率は77.3%と前期に比べて0.1pt増加。販管費の売上高対比は22.5%となっており、前期の22.6%と比べて0.1pt低下しています。販管費の内訳も見ていきます。

人件費の売上高対比は年々増加していますが、22/2月期は前年と比べて0.1pt低下しました。



財務状況

流動負債、固定負債、純資産を見ていきます。
自己資本比率が改善されています。13/2月期は自己資本比率33%ほどですが、22/2月期は53%となっています。

また、13/2月期は借入金1,734億円、現金68億円に対して、22/2月期は借入金993億円、現金116億円となっています。



BS全体を見ていきます。

総資産

22/2月期の総資産は4,688億円です。
流動資産が889億円、固定資産が3,799億円です。流動資産のうち一番多いのが売掛金で428億円。その次が商品204億円、現金は116億円です。

負債

負債の合計は2,064億円となっており、流動負債が939億円、固定負債が1,125億円です。短期借入金と長期借入金は993億円と、前期と比べて100億円減少しています。

純資産

純資産の合計は2,624億円。そのうち、資本金が196億円、資本剰余金が225億円、利益剰余金が2,061億円です。自己資本比率は53.0%と、前期末の47.5%に比べて5.5pt上昇しています。


キャッシュフロー

最後にキャッシュフローです。
22/2月期を見ていきます。

営業キャッシュフロー

主な収入は、税金等調整前当期純利益342億円、減価償却費161億円です。 主な支出は、仕入債務の減少額177億円、法人税等の支払額127億円です。

投資キャッシュフロー

主な収入は、有形固定資産の売却による収入13億円です。 主な支出は、有形固定資産の取得による支出139億円です。これは既存店舗の活性化やDX投資、店舗新設の先行投資等によるものだそうです。

財務キャッシュフロー

主な収入は、短期借入金の増加額83億円です。主な支出は、長期借入金の返済による支出199億円、配当金の支払額62億円です。




以上、イズミの事業推移でした。
今回も最後まで読んでいただき誠にありがとうございます。


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