引用「小型モジュール炉(SMR)の夢は生き残るのか?」(自然エネルギー財団)とエネルギー雑談。

エネルギー政策について考察する一環で、小型原子炉のニュースに先日触れた。

この小型モジュール炉に関して自然エネルギー財団さんが以下のようなレポートが出している。

このレポートの中で驚くべきなのは、Nuscale社に対して、「詐欺」「ねずみ講」といったかなり強い言葉が使用されている事である。詳細は本文にあるので省略するが、本記事では参考となる出典へのリンクも適宜貼られており、真相は知る由も無いが、ほぼ事実と考えて良いだろう。違和感を感じてはいたが、筆者自身が原子力ビジネスそのものへの知見が無いことから言及を避けていたと言うのが正直なところである。

この技術は日経新聞が一面で取り上げていたこと、さらに日本企業やJBICが出資していた報道を考えると、筆者は日々、「詐欺」や「ねずみ講」にミスリードされていたと言う事になる。

巷間、新聞の力衰えたりと言われてはいるが、筆者はまだ紙の新聞を購読しているし、エネルギーを考えることは我々が現在生きている社会や世界そのものを映し出すプリズムのようなものだと考える。

やや脱線するのをご容赦頂くと、ちょうど一年前の暮れ、GX基本方針のパブコメの募集が経産省のHPで告知され、その後そのアンケート結果(令和5年2月10日)もホームページ経由で入手している。そのアンケートの中で本技術に関して幾人かの国民が強い疑問を呈していたことが分かるが、そういった素朴な疑問に向き合わず現実を直視しなかった結果、本来払わなくてよかったはずの、極めて高い勉強代を払う事になったのである。

正しくニュースを読むエネルギーリテラシーを持たなければ、小型モジュール炉の頓挫のような極めて手痛い敗戦を繰り返す気がしてならない。

以上。

参考資料。

令和5年2月10日 GX実現に向けた基本方針に対するパブリックコメントの結果について
「次世代革新炉」についてのパブコメと回答。

令和5年2月10日 GX実現に向けた基本方針に対するパブリックコメントの結果について(P38)より抜粋。

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