朝刊の記事から。「東芝、4社再統合へ」

「東芝、4社再統合へ」という記事が出た。以前、「東芝事件総決算」を読んだ際に、拙稿の中で触れたが、最近また動きが出てきている。

タイトルの通り、東芝は2017年に分社化はされたものの、この度、4事業会社を東芝本体に取り込み、さらに、「グループ全体の縦割り意識」強くなったことから「人事や財務などの間接部門を集約・統合」するという。2017年なので約6年という短期間でこの決定に至ったと言うことは余程その弊害の方が大きかったのだろう。

また発電や鉄道にしても昨今打ち出されている政府の脱炭素政策によってそれぞれが右肩上がりで成長する事は考え辛いことも、わざわざ分社化した各社を再統合せざるを得なくなった要因であろうと推察する。

東芝だけでなく、最近の日本企業は深く疲弊しているという印象が強い。マーケットにおいては以前のような安定的なインフラ投資も望めず、バブル世代に続くはずの、さらに働き盛りであるはずの世代が就職氷河期ですっぽり抜け落ち、さらにそれに続くのもゆとり世代や、さらに時代が下ってZ世代であるという人材的な要因も大きいと考える。

よく報道される雇用の流動化やリスキリングのような処方箋的な施策が、簡単に機能して奏功するはずもない。

筆者は日本企業が再び世界の市場を席巻し、存在感を高めることを願っている。一方で、その機運を削いでいるのが他でもない経営者自身なのではないかという気がしてならない。今後とも考え続けたい課題である。

以上。

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