朝刊の記事から。「米シェールが変える地政学」ダニエル・ヤーギン氏インタビューに思う。

ダニエル・ヤーギン先生のインタビューが掲載されている。

スーパーチューズデーでのトランプ大勝を横目にダニエル・ヤーギン先生の記事を入れたのだろうか。

シェールとはもちろん米国のシェールガス・シェールオイルの事である。ヤーギン氏が述べているように、ウクライナ戦争、中東の動乱の中で、エネルギー安保が決定的に重要になった。

また「日本が米国からエネルギーを調達するとは15年前誰も想像しなかった」と言うように、昨今の米国シェールの存在感の高まりは世界情勢を読む上で最も重要な変化であると言って良いと断言する。

記事の中の話と前後するが、本文中にもあるエクソンモービルのパイオニア・ナチュラル・リソーシズの買収は資源を持つことの重要性を示す証左となるだろう。

以前、ダニエル・ヤーギン氏はプーチンと議論した際にシェールについて言及し、プーチンを激昂させたとも報じられている。

ロシアからの天然ガスを輸入せざるを得なかったヨーロッパ諸国が2014年のクリミア併合を境に目指していたのも脱ロシアであった。シェールガス由来の米国産LNGを受け入れることが可能になる事によって調達先の多様化と脱ロシアは大きく前進することになった。

こうした事実や、ダニエル・ヤーギン氏のインタビューを踏まえると、今後は地域によって余りにも高まった地政学リスクをより深く読み解かないと、エネルギー政策も、資源ビジネスも立ち行かなくなる時代になることは間違いない。

翻って日本を見ると、バイデン政権になってから、特にエネルギー政策については、気候変動・脱炭素一辺倒の流れの中で大きく国益を損なっていると考える。バイデン政権寄りだった岸田内閣の支持率は依然として低迷し脱却する機会を失った。昨今の裏金問題も含め、かなり残念な状況になっているが、米国政治の大きな流れが再び日本を正常化・活性化させる契機になってほしい。

以上。

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