良日本主義の政治家(佐高信、東洋経済)
石橋湛山をプロデュースしたい。
日本経済史を調べている時に、独特の異彩を放つのが石橋湛山だ。
殆ど政治は出来ないまま、病に倒れたため、彼の政策の分析は令和の今、非常に残念ながら、伝わっていない。
石橋湛山が、もし存命で、彼の政策を実現できれば、実はとんでもないポテンシャルを持った宰相だったのではないかという仮説を、私は捨てる事が出来ない。
本書はリベラルの論客佐高信の湛山に纏わる評論である。
湛山は公職追放の憂き目に遭っている。
米国人に煙たがられたのだろう。
天才的な軍略家だった石原莞爾が、戦後、東京裁判の渦中、酒田の法廷に呼ばれるも、衰えを知らない、実に的確かつ明快な弁論で、占領軍の将校(GHQ)が、舌を巻いたという痛快な記録が残っている。
石橋湛山が首相であったという事実だけでも私は痛快ですらある。
天才エコノミスト、内閣総理大臣になる、という「物語」が、私は好きだ。
「哲人政治」と言った言葉が好きなのに近い。
『哲学者、総理になって哲人政治を行う』とかね。
現代日本で、西洋の哲学者の本が売れている。少し前なら、マイケル・サンデル、最近ならマルクス、ガブリエルとか。
それだけ皆、哲学に飢えている。
私なら湛山の本を企画するな。石橋湛山をプロデュースする。
「今読みたい湛山」「湛山語録」とかね。
岩波文庫からも、湛山の評論や回想録が出ている。それらはもう哲学書として読むべきなのかもしれない。
妄想が止まらない。
ここまで。
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