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リパケ前に~ONF 1stフルアルバム『ONF:MY NAME』feat.6人の声 【前編】 #온앤오프

2021年2月24日にリリースされた、ONFちゃん初の正規アルバム『ONF:MY NAME』(以下、『MY NAME』※ミニアルバムに対しフルアルバムのことを韓国では正規アルバムといいます)。
2017年8月にデビューしてこれまで4年半の間に5枚のミニアルバムをリリースしてきたONFにとっては、初のフルアルバムで、CDには11曲が収録されています。
アルバムのリードトラック『Beautiful Beautiful』は、韓国内の音源(配信)チャートでも1位(GaonのDLチャートでは2週連続1位にも)になり、歌番組(THE SHOW)では3月2日に“初”の1位を獲得し、この曲のMVのYoutube再生回数は公開から3日で1000万Viewに達しました。『Beautiful Beautiful』は、楽曲・歌のテーマ・MVのクオリティ・6人のパフォーマンスによってスマッシュヒットを記録🎊。韓国アイドルにとって、国内の配信チャートで上位に入るのがどれほど難儀なことか…これは大衆化(一般層=大人)に認知された・評価された結果だろうと思います。

そして、なんと…このフルアルバムに3曲を追加した“Repackageアルバム”『CITY OF ONF』を4月28日にリリースすることが発表されました👏👏👏。ONFにとっては、初のリパケです…また毎晩何らかのTeaserが出てくるうれしい日々が始まりましたが、「リパケといいながら、また別のONFの世界観が展開されたら…」という焦りも出てきました。ONF独自の世界観は複雑に絡みながら拡大を続けているのです…が、そこを掘っていくと別の話になってしまうので保留して。
リパケが出てから…と思っていましたが、別世界が展開されるとまた先送りになってしまうので、個人の主観だけの、声堕ち・歌好きの視点から『MY NAME』の曲ごとに“ONFの歌力”のポイントを書き留めておこうとなりました。(韓国語歌詞の訳は超意訳です💦)ちなみに、アルバムリリース前のTeaser時点で、私調べではすでに名盤に確定しているアルバムです。

『MY NAME』のアルバム紹介文には以下のように書かれています。
青春という名前に向き合うONFの時間。 今こそが最も美しい青春!
この曲を聴く皆が自分の美しさを感じることを願うONFの希望の歌!
「僕の人生のすべての叫びが芸術」、 タイトル曲「Beautiful Beautiful」公開!

■TRACK 01. Beautiful Beautiful

Teaseが出た段階で熱く語ってしまっていますが(苦笑)、「自分自身を祝福しよう」「ありのままの僕たちは美しいと歌おう」という全人類へ向けた賛歌です。明るくて、ONF史上一番FUNKYでエナジティックなこの曲は、冒頭のファンファーレすらも“6人の声”(Brrram 빠밤 빠밤 빰빰 빰빠밤빠밤 빰 はヒョジン+J-US→MK+WYATT→E-TION+Uと2人ずつ歌い繋いでいます)になっていて、曲が盛り上がっていき最後のサビ前には声だけのショートアカペラが入ります。(K-POPのアイドルがタイトル曲でがアカペラ入れるなんて…聴いたことあります?)
ONFの曲の特徴はダンスミュージックでありながら“歌モノである”ところで、どの楽曲も彼らの「歌声」が曲の真ん中にあると感じます。これがONFを好きな大きな理由なのですが、ついにB.Bではその声が大フィーチャーされたという印象です。
ONFの音楽プロデューサーを務めるファン・ヒョンさん設立の“MonoTree”公式Youtubeチャンネルで、トラックを解体しながら楽曲について解説してくれる大変ありがたい(💰払いたい!)動画を配信していらっしゃいますが、そこでファン・ヒョンさんがこの曲のフックをいろいろ考えた結果…ONFの“声だ”と思ってアカペラを入れたこと、コロナ渦のこの時期に明るく肯定的な曲にするべきだと思ったことなどなどをお話しされていらっしゃいます(これ、2部もありますので、ぜひ♥)。

<『Beautiful Beautiful』歌詞 一部を抜粋>
今日も頑張った僕に祝福を!/ありのままの自分を美しいと歌おう
僕の人生の全ての叫びは 芸術そのもの/僕たちが一緒なら 全てが芸術だよ

僕がなりたいのは/ナンバーワンじゃなくてオンリーワン
毎日毎日が熾烈で/強者じゃないよ、未経験者だよ

生きている僕たちは夢を見る/美しい僕たちがここにいる

全編を通して自己肯定感に満ちている歌。ただ、自分自身を愛そう、自分は美しいと叫ぼう!と言われても……言っている人の独りよがりでは聴く側に響かないこともあります。ONFの場合、歌っているのは彼らだけれど、それはいつも「僕たちの歌」でもある。彼ら自身のことを歌いながらも、「あなたの歌」「私の歌」であると感じさせます。自分もあなたと同じように感じている、君と僕は似ているんだ…と、そう捉えられる歌詞が多い気がします。この曲以外でも、ONFの歌は「聞き手に寄り添っている」のが特徴だと個人的には思っています(デビューからずっとファン・ヒョンさんがほんとどの作詞も手掛けてるので、一貫しています)。

サビ前のヒョジン君の「불러 노래♪(さぁ歌え!)」の明るく弾けるシャウトは超重要で…これがキマらないとテンションが下がってしまう、短いけど大事なパート。変則的な2番の歌いだし「I awake 누가 날 컨트롤 할 수 없어난 master 나의 master(僕はMasterだ 僕のMasterだ)♪」の部分は、MK君にマッチした歌詞だし、MK君にしか出せないグルーブ感でカッティングギターと共にノっていくのを感じます。歌声も歌い方も…これは“MK GROOVE”としか称しようがない彼独特の声質とノリ。
「모두의 마음엔 은하수가 있어서 (誰の心にも天野川があって)♪」とU君がさわやかに歌ったあと、「어둠을 이겨낼 땐 눈물이 흘러(闇を乗り越える時には涙が流れ)♪」をMK+J-USのペアがハモり、「찬란한 별이 되어(きらびやかな星になる)♪」をメボのヒョジン君が歌い上げて、6人のアカペラに入る…こんな風に歌声で曲を引っ張っていくONFらしい歌が誕生して、これがポップス界のマスターピースになったなら…それこそ美しい世界が訪れたのだなと…私の涙も流れるってもんです。

また、歌い出しのヒョジン君のパートは「숨소리 0.1초에도 담긴 내 진심 깊은 진심 (0.1秒の息づかいにも込めた 僕の真実 深い真実)♪」ですが、この曲はイントロで「Brrram 빠밤 빠밤 빰빰〜♪」と鳴りだす直前のブレス(呼吸音)を消していません。MVでは解らないのでCDや音源で聴いてください。不要な音なので普通なら消しますが、意図的に残していると思いました。ONFの曲には「숨(息・呼吸)」がよく出てきます。生きている証・生命の象徴のように使っているワードのように感じています(ONFはヒューマノイドの設定なのですけどね…切ない)。

この曲は生楽器のギターが後半にいくにつれ図太く鳴りだしたり、イントロではパーカッションが低めに鳴っていたりするという、K-POPらしくない音作り。ファントーベンめ……
MVの世界観は、これまでのどのONFのエピソードとつながっているのか?珍しくHappy Endingに見えるけれど、Virtual CITYでの出来事なので、リアルな世界では別のエピソードがあるのか?という疑惑で頭がグルグルしていて…未だ読み切れていません!

作曲:ファン・ヒョン(MonoTree)
作詞:ファン・ヒョン(MonoTree)/WYATT(ONF)
編曲:ファン・ヒョン(MonoTree)

■TRACK 02. MY NAME IS

ONFのメンバーが作詞した、ヒップホップ的にいうと《マイクリレー》で《己レペゼン》ソング、つまり自己紹介ソングです。アルバムリリースに前にMVが先行公開されて…2つもMV作るなんて本気なんだな!と(私の中で)話題になりました。どんな歌なのかは、MVを観ていただくのが何よりも早いです。


オネノプってこんなメンバーでこんなグループなんですよ!という曲で、パーソナルなキャラ(本名やあだ名)が解るので、ファン以外の方にも好評を博しているようです。
E-TION君の場合は、裏打ちを押さえたノリ方も、自身を紹介する歌詞も、そしてMVのビジュアルも、まとめて全部がカッコいい…です。短いバースでも「僕のすべてがセンセーション」と、彼だけにある“粋”を感じさせてくれていますし、リレーの最後のMK君が、これまたMK GROOVE炸裂です。8小節しかない中で変化して変化して、最後はファルセット(裏声)でゆる~く抜けながら「音楽をする時だけは、僕は誰にも止められないんだ。ファンボジ以外はね♪」と落とすあたりが、最っ高です。
※ファンボジ(황버지)=ファンヒョン+アボジ(아버지=父さん)。

ひとりずつ、自分の8小説をどう使うのか?という観点でも興味深く聴きくことができる曲です。何よりも「僕たちがONFだ!」と(かわいらしく)高らかに歌っていること、4年目にしてこんな風に(素の)自分たちを、ONFというグループを表明できるようになったことが誇らしく、それを初のフルアルバムの2曲目に入れているところにもグっときます。曲中の最後にはFUSE(퓨즈=ONFのファンダム名) に向けたメッセージも込められています。

<『MY NAME IS』歌詞 一部を抜粋>
オ・オ・オ・オ・オ・オ・オ ONF(オネノプ)
オ・オ・オ・オ・オ・オ・オ ONF(オネノプ)
君の青春の光になるよ
独りはダメだよ FUSE
Lights on! Lights on!

オ・オ・オ・オ・オ・オ・オ 
My Name Is ON and OFF
My Name Is ON and OFF

なんだかわからない‘カチャ・ガチャ’というノイズがリズムとして入っているのが不思議で、アコギからワウギター、カッティングまでサウンド面ではギターやホーンの音が印象深い曲です。

作曲:ファン・ヒョン,GDLO(MonoTree)
作詞:ヒョジン,E-TION,J-US,WYATT,MK,U(ONF)
編曲:GDLO(MonoTree)

TRACK 03.온도차 (Thermometer) (ON Team Ver.)

ONF初のユニット曲、ONチーム(ボーカルチーム)のヒョジン+E-TION+MKの3人による曲は、ONFの曲の中ではコーラスがとにかく厚く、歌声が一番多い曲になっているかと思います。ハーモニー(やハモリ)以外の裏メロなど、聴き進めると歌声でどんどん埋め尽くされていくぅぅぅという感じ。

<『온도차 (Thermometer』歌詞一部を抜粋>
あなたが気づかないうちに合わせたい/まだ互いに少し違う温度差を
寒い日はいつもそばで/もっと暖めて合わせるよ この温度差を

まだ 今は隠していたいんだ/もう少し待ってから
完璧に合わせたいんだ/まだ遠く感じる この温度差を

近くにいるのに、僕は好きなのに、この気持ちは自分だけみたいだな…と感じていて、熱の差(温度差)を埋めたい、いつか完全に合わせて気持ちを伝えるよ…という片思いの歌です。ただ、これが奥手男子の片思いではない感じが…いいんです。「今は未だ言わないけど、この温度差は必ず縮めるからね(時間をかけて必ず振り向かせるからね)」という。おぉ〜オネノプちゃんたも大人になったのねぇと感じさせてくれます(親戚の叔母の気持ち)。

熱しすぎない“人肌温度”で包み込むようなボーカルで、この歌の気持ち・気分を表現してくれています。歌い上げちゃう系のバラードや緩急の激しいバラードよりも、この人肌感でちょっとずつ、ちょっとずつ、熱が上がっていくような曲は…別の難しさがあるのでは、と。
さすが、ONチームです!微妙な温度の上下を表現できるのは、感性をONしたときのONチームならではですし、ONFらしさでもあると思います。肌寒い日にふわっと羽織るカーディガンのようで、着てみたら心地よくてどんどん温かくなっていくので「あれ?」と思って素材を見たらカシミアじゃん、みたいな(←解りにくいわ)。

2番サビ最後のMK君の「 온도 차〜♪」がフェイクしながら展開して、ヒョジン君の「언젠가 우리 같은 온도 되면(いつかふたりが同じ温度になったなら)~♪」のパートがきて、そのあとMK君の「아직까진 감추고 싶어(まだ今は隠していたい)〜♪」ときてから……ここで転調して、E-TION 君の「완벽하게 맞추고 싶어(完璧に合わせたいんだ)~♪」ときますが!!! この歌詞の展開ように熱くなるところのE-TION君の「완벽하게~ワンビョッカゲ〜♪」は、もう歌詞そのもので、パーフェクトです。

地味に聞こえかねない曲ですが、最高ですね。ソウルマナーを感じる音楽スタイルがそもそも自分好みというのもありますが。アルバムのクレジットをみると、ギター、シンセ、キーボードはプレイヤーが書かれています(打ち込みではなく演奏しているということ)が、この曲は唯一ベースも演奏者のクレジットが入ってます。生ならではのベースです。cafeの空間にいるようなザワザワがイントロとアウトロで薄く聴こえます。

作詞:イ・ジュヒョン(MonoTree)
作曲:イ・ジュヒョン,NOPARI,김해론(MonoTree)
編曲:NOPARI,イ・ジュヒョン(MonoTree)

【補足】イ・ジュヒョンさんは、ONFのデビューアルバム『ON/OFF』に収録されている『If We Dream』を作詞・作曲・編曲されている方で。ONFのなかでは最もR&B臭のする自分好みの曲を作った方なので、『온도차』もやっぱり好きなタイプでした。
☟<歌いだしがヒョジン君になった2020年バージョンの『If We Dream』をそっと置いておきます>

■TRACK04.비밀 (Secret Triangle) (OFF Team Ver.)

脱線しすぎてまだ4曲目。
ONF初のユニット曲、こちらはOFFチーム(パフォーマンスチーム)J-US+WHYATT+Uの3人による曲です。なるほど、パフォーマンスが観たいわ!と思わせるエッジの効いたダンスナンバーなのですが……いやいや、歌うまいんだけど、声いいんだけど、OFFチームってなに?となっちゃう曲。
しかも、こちらは三角関係をテーマにしていて、この秘密を守れる?という…ドキドキさせる歌になっており、おぉオネノプちゃんたちも大人になったねぇと思わさせられます(2回目)。

<『 비밀(Secret Triangle)』歌詞一部抜粋>
危ない関係なんだ 似ているところが多くて 
あっという間に広がってしまった気持ちが
最後のピースをしきりに合わせようとする
君と彼と僕 3人の関係に 置かれたパンドラの箱が揺れ動いて
君ひとりを手に入れて 全てを失うのか?
それともこのままでいようか?
頭では難しい計算をするけれど 心は君を手に入れようとしてる
これは秘密

この曲はイントロといい、最後のダンスブレイクに行く前といい…J-US君のファルセットひとつで、曲中にぐんぐん引っ張られていきます。Aメロの少し粘っこい「애매한 관계 속 내 감정을 속여도(曖昧な関係の中で自分の感情をだましても/널 보면 한순간 무너져(君を見たら一瞬で崩れて…)♪」を筆頭に、ちょっとイライラする気持ちとか、想いが一線を越えるような歌詞の部分を多く歌っていますが、その感情をのせながらビートにものっていて、表現力が素晴らしいなぁ、と(J-US君は音域も広いうえにリズム感もあって…何でもこなせて怖い)。
1番の歌い出しやラップでは、不安気な感情を表しているWHYATT君ですが、最後の最後…「What should I do?/We’re screwed …Can you keep it?♪」になると、どうしたらい?もうダメだ、続けられるか?秘密にできるか?と、自問自答しながら混乱していく曲に合わせて感情が大爆発。ここはやっぱりこの声でないと…です、流石です。
キレイな声でクリーンに歌うがU君に、この曲では「널 하나 얻고 모두를 잃을까 /아니면 이대로 지낼까(君だけを手に入れて 全てを失うか/それともこのままでいようか)♪」とか、「나쁜 사람이 되는 건 쉽지만/그 짐을 너와 나누긴 싫어(悪い人になるのは簡単だけど/そんな重荷を君と分け合いたくはない)♪」なんて、ここを感情的に歌わせるなんて、MonoTreeはどうかしてるわ(ありがとうございます)。ここはU君が歌うからこそグッときます。

サウンド的にはシンセやエフェクトした声、ベース音が目立っていますが、この曲もギターがカッコよくて、U君とWHYATT君の二人で歌う「어쩌면 인류는 언어보다 먼저 (もしかして 人類は言語よりも先に)/감정을 공유했던 걸까(感情を共有していたのかな)♪」からの、スンジュン君が歌う「설명하지 않아도 전부 느낀 걸 (説明などしなくても すべてを感じた)/너의 눈빛이 내게 알렸어(君のまなざしが 僕に教えてくれた)♪」…このパートではピアノの音が切なさを煽ってきます。
※最後まで歌詞を読むと…三角関係といいながらも、ONFの世界感にある、エラーで感情を持ってしまったヒューマノイドの葛藤のような感じもちょっとする。

OFFチームはダンスがこれまたスタイルが3人3様でカッコいいのですが、この曲はU君による振り付けです👇

それにしても、アイドルの曲は(パフォーマンスベースで)だいたい3分と短すぎて、1曲の中で展開が忙しい…。

作曲:ファン・ヒョン, ユン・ジョンソン(MonoTree)
作詞:ファン・ヒョン(MonoTree)/WYATT(ONF)
編曲:ユン・ジョンソン(MonoTree)

長くなりすぎたので、5曲目~11曲目までは、いつか後編で…。

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