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アサヤンvol.13古舘伊知郎「猪木VSアリ」45周年トークイベント

興行の始まり、そして・・・ 

 1976年6月26日「アントニオ猪木VSモハメド・アリ」世界一格闘技決定戦が行われたあの日から丁度、45周年を迎えるー。

 このメモリアルデーに今回のアサヤンが興行された。事の発端はこうだ。アントニオ猪木とモハメドアリをこよなく愛する、いや崇拝していると言っていもいい水道橋博士が、「私、プロレスの味方です」の著者である村松友視さんとのBOOKSTAND.TVでの共演をきっかけに、今回の企画が動き出した。元週刊プロレスの編集長であるターザン山本さんの参戦も決まった。

 しかし、村松さんがコロナワクチンの接種日がイベント開催日に重なるという事態に見舞われた。81歳の高齢であるために、やむなく出演を断念せざるを得ない状況に。ひいてはイベント開催すら危ぶまれる事態となった。そんな中、代役を引き受けてくれたのが誰であろう、かつて新日本プロレスで実況を務めていた古舘伊知郎さんであったー。

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アサヤン、降臨。「人生は予告編だ!」

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「猪木愛」という名の星座を作る水道橋博士

 何という星の巡りだろうか?
 何という時の巡りだろうか?

 この運命のいたずらを、スタッフも力に変えた。

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I沢編集長の力作「アサヤンファイト」18ページの大特集!

 私もまた、ここは放送作家らしく古館節のマネをして煽ろうではないか。

 さあ、今宵のアサヤン、会場となる阿佐ヶ谷ロフトAはただならぬ空気を醸し出しております。それもそのはず、あの世紀の凡戦と罵られた「アントニオ猪木VSモハメド・アリ」の一戦から45年の時を経た今、アントニオ猪木の言葉を借りれば「歴史が裁判官である」の言葉通り、世紀の凡戦は今や格闘技ファンならずとも知れた、「リアルファイト」と語り継がれ、「格闘技におけるルールとは何か?」を考えさせるメモリアルデーとして燦然と輝く日でもあります。

 奇しくもお笑い芸人・水道橋博士が、まだ何者でもなかった中学生の頃、村松友視氏の著書「私、プロレスの味方です」に感化され、プロレスの中にある「過激」という劇薬に触れ、同時にそれはアントニオ猪木という男への憧憬へと駆り立てていくのであります。

 他方、モハメド・アリもまた、数々の伝説を残した人物であります。幼き日に自転車を盗まれたことから、警察官に「犯人をやっつけたいならボクシングをやりなさい」と言われ、ボクシングと出会ったアリ。1960年にはローマオリンピックボクシングライトヘビー級で金メダルを獲得。しかし、メダル獲得後、人種差別の残るレストランで「黒人に食わせる飯はない」との屈辱を受け、金メダルを川に投げ捨てたのであります。(アリの死後、創作話との説がある。)その後、プロに転向し、当時の史上最強のハードパンチャーと恐れられた・ソニー・リストンに挑むのであります。(リストンは、極貧生活の中、幼い頃から強盗、警官襲撃で19回の逮捕歴があり、苦労の末にチャンピオンの座に就いている。)賭け率は「7対1」の絶対不利の中、勝利を掴むのであります。この時のアリ、弱冠22歳なのであります。

 「蝶のように舞い、蜂のように刺す」その重量級でありながら、華麗なるアウトボクシングは、アリの偉大なる功績の一つ。詳しくはライブ中のエルカブキ・エル上田のアリエピソードをご堪能いただきましょう。されども、どうしてもここで触れておきたいのは、アリは単なるスポーツ選手ではなく、ベトナム戦争への徴兵を拒否し(チャンピオンの座をはく奪される。)、反戦の旗手であったという事実であります。晩年、パーキンソン病で悩まされながらも、アトランタオリンピックにおける最終聖火ランナーを務めたことからも、その偉大さが伝わるのであります。

 アントニオ猪木もまた、国会議員として湾岸戦争の際にはイラクへ渡り、当時のフセイン大統領と交渉。人質解放のために動いた事実もまた、思い出されます。

 水道橋博士がこよなく愛する二人、「猪木とアリ」。また、活字という己の技でプロレス界に「過激」を持ち込んだ男、ターザン山本、また、幼き日にプロレスに出会い、アナウンサーを志した古舘伊知郎。アナウンスの入社試験の際にはプロレス実況をするという貴重なエピソードも今回、披露されるのであります。

 さあ、今宵のアサヤン、アントニオ猪木、モハメド・アリという偉大なる星(スター)が相まみえた歴史的な一日であると同時に「アントニオ猪木」「村松友視」の影響を受けた星々が、一堂に会するという、いわば星と星が重なり合う瞬間が今や遅しと訪れようとしているのであります。これを漫画ドラゴンボールに例えるならば、世界に散らばる星たちが今、重なり合う。さあ、今宵のライブは一体、どんな願いを叶えてくれるのと言うのか!!!

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重なり合う星々

 いざ、アサヤンが開幕。
 今回のアサヤンの見どころを一概に語るのは、一筋ならではいかない。OPから博士こだわりの「アリボンバイエからの猪木ボンバイエ」に乗り変わりながらの闘魂注入シーンの数々。いやが上にも気持ちは昂る。さらに何故か、故・野村沙知代さんだけは2発ビンタをもらうシーンは、さらなる笑いを誘う。

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 高須Dは師匠テリー伊藤さんと古舘伊知郎さんとの会食エピソードを披露。古館のさんの試合が膠着した際の先行実況話の面白さに、目を付けたテリーさんの「もめる暴走族同士の和解の現場実況」エピソードで会場は沸騰!強烈な延髄蹴りであった!

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「予言実況、テリーさんに報告します」高須D

 また、ターザン山本さんの「古舘さんとは初対面です。」と記憶違いと古館さんによる「会ってますよ。」とひたすらに嚙み合わないトークがくだらない。すかさず、エル上田も「こんな活舌に差のある二人はいますか?」とチョップを挟む。

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「古館さんに俺会ってた?」ターザン山本

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「アリの紹介で技巧派の一面を覗かせる」エルカブキ・エル上田

 ライブ後半では、「沢村忠に真空を飛ばせた男」の著者である細田昌志さんが登場。古館さんすら知らない猪木VSアリ戦の知られざる興行の裏技が炸裂する。猪木の前に挑戦者として考えられていたのは・・・・あの相撲取りだった。

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「ノンフィクションを書くなら、亡くなるギリギリ前で」細田昌志

 ヨシエツネオがビッグバン・ベイダーならぬ、ビッグ・パンティー・ダー!となって登場。古館さんと相まみえる瞬間は爆笑をさらう。

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古館さんの煽りを受け、
「ビッグバン・パンティ・ダー」から「アニマル浜栗」へタッチされる!

誰の挑戦でも受ける!

 今回のライブのメインイベントはやはり、古館さんの実況(講談)である。プロレス、F1、マラソン、競輪幾多のスポーツを始め、時に筋肉番付においてもどれだけ我々は興奮してきただろう。目の前で繰り広げられるアスリートたちの戦いに新たなる輝きを与え、命を吹き込むがごとくの実況は唯一無二と言っても過言ではないだろう。圧倒的な情報量、独特のフレーズ、興奮を煽る抑揚、その実況を味わえる贅沢がこのライブにはある。実は本番前までどこまで古館さんが実況してくれるのか?分からないままのスタートだったが、博士の頼みの前に古館さんの猪木イズムが突き動く!

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古館さんとYouTubeで共演中の本間キッドからも実況のお願い! 

 さあ、その3本勝負をその目で確かめるがいい!

 〇アントニオ猪木VSドリーファンクジュニアの講談
  (トーキングブルースで披露された一部を実演)
 〇アントニオ猪木VSモハメドアリの一戦を実況
 さらには今、病をそのものを生み出した自らと闘う全身アントニオ猪木とアントニオ猪木の戦いを古館さんが語る。
 〇アントニオ猪木VSアントニオ猪木の実況&エール

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いきなり実況の頼みにも「誰の挑戦でも受ける!」まさに猪木イズムだ!

 猪木とモハメド・アリを巡る星々が集いし、今夜のアサヤン。みんなの願いとは、「もう一度、猪木さんの元気な姿を見ることだ!」古館さんのこの語りを観ないお前は、バカヤローだ!!1,2,3クリックだー!!(視聴期限: 2021年7月10日(土) 23:59 まで)

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次回は5年後で・・・

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 さあ、2022年3月23日のアサヤンは・・・超歌姫・大森靖子が降臨!今すぐ予約を!!

写真提供:中山友美 利根川亘
     Instagram:tomomi.photography
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執筆者:島津秀泰(放送作家)
     Twitter:@shimazujaoriya
     Instagram:hideyasushimazu
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追記:2022年10月1日 アントニオ猪木さんが帰らぬ人となりました。生前、ご一緒に仕事をするか機会こそ、ありませんでしたが私には録っては永遠のスーパーヒーローでした。ご冥福をお祈りいたします。

島津秀泰


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