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今後の打ち手と、エンドロールの裏話

おはようございます。
映画のプロモーション稼働が終わるので、まもなくTVタレントの寿命が尽きるこのタイミングで、テレビのコツを掴んできたキングコング西野です。
#来世で活かします

さて。
映画公開まで【あと3日】と迫り、今の心境は「微塵の心残りもない」です。
やれることは全てやり、「コレでダメだったら何をやってもダメ」というところまでは追い込んだので、意外とスッキリしています。

あまりマーケティング云々の話をする気にもなれないので、今日の記事の前半は「今後の打ち手」について少しお話しして、
後半は、『エンドロールの裏話』についてお話ししたいと思います。

口コミを加速させる

毎日あれやこれやと発信していると、いろんな声を頂戴します。
ときどきあるのが「ハズレクジを引いたな」とか「運が悪かったですね」という声。

その心は、「『鬼滅の刃』や『ドラえもん』や『約束のネバーランド』や『エヴァンゲリオン』といった強豪がひきめく中、トドメとばかりに『劇場版ポケットモンスター』と同日公開だから」というもの。

ここに関してはきっと勘違いをされていて、それらメジャー作品の公開時期というのは直前に発表されるわけではなく、かなり前から決まっていて、映画屋全員が共有している情報です。

「コロナの年に上映しましょう」と決めたのも、「ポケモンの真裏で上映しましょう」と決めたのも【僕】です。

12月25日公開は、西野が時折見せる「どうせやるなら、一番厳しい状況で、一番強い相手とやりたいっす!」という変態モードの賜物であり、“運”などではありません。

これはおそらく「オンラインサロン思考」で、オンラインサロンの世界での成功は『挑戦』なんですね。

『挑戦』こそが求心力であり、集客力で……オンラインサロン運営のルールブックの1ページ目には、「目の前にラスボスが現れたら、迷わずドツきに行け!」と書かれているんです。

ここで、『強い作品』の定義を明らかにしておきたいのですが……答えは『座席数を確保している作品』です。

「上映館数」×「スクリーンのサイズ」の数字が大きければ大きいほど、動員数が稼げるのは当たり前の話で、上にあげたモンスター級のメジャー作品はその数字がとても大きいのです。

それらの数字は過去の実績から割り出されるので、『えんとつ町のプペル』は同日公開の『ポケットモンスター』に大きく差をつけられているのですが……試写会の反応を見るかぎり(お客さんは勿論、関係者の反応も!)、ここに関しては、【初日にイイ位置につけたら、必ずまくれる】というのが僕の読みです。

したがって、「口コミを加速させること」が重要になってくるなぁと思っておりまして、映画公開後は西野のYouTubeのライブ配信が増えますが、「皆の感想が聞きたいから配信しています」というのは表向きの理由で、黒西野としては「映画をまだ観ていない人に、感想を見せること」を目的として生配信をします。

もちろんリピーター作り(※嫌な言葉でごめんなさい!)も重要だと思っていて、『映画 えんとつ町のプペルを見た者同士の無料のオンラインサロン【ネタバレ上等!】』も期間限定で始めようかと思っております。

口コミ(リピーター)が上手く加速すれば、『一番大きなスクリーン』を提供してくれる劇場が出てくると思っています。
『えんとつ町のプペル』は、どう考えたって「大画面で観たい作品」なので、一度、観た人も「次は大画面で観たい!」となるのかなぁと。

ここまで持っていければ勝ちだと思うので、頑張ります。

MV制作の裏話

映画って、エンドロールが流れたら、皆、席を立つじゃないですか?
作り手は「エンドロールまで観てほしいな」と思っているけれど、お客さんの中では、「エンドロールが流れるまで」で作品が終わってしまっている。
エンドロールが流れ始めたら、「映画を見終わった」となるんですね。

その原因はいくつかあると思うのですが、やっぱり一番大きいのは、「主題歌が作品の一部になっていない」だと思います。

こんなことを言うとカドが立っちゃうのですが(だからサロン内で言う!)、映画の最後に、世界観の違う人気アーティストの曲が流れてきたらシラケません?

あれは、もう「別の作品」ですよね。
お客さんが観にきたのは「お目当ての映画」であって、別の作品には興味がない。
そりゃ、席を立ちますよね。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』を観に行って、それ終わりで「このあと無料で『笑点』を観れますよー」とアナウンスされても観ないじゃないですか?

「世界観が合っていないエンディング曲にスタッフロールを流す」というのは、『パイレーツ・オブ・カリビアン』終わりに当然始まった『笑点』に『パイレーツ・オブ・カリビアン』のスタッフロールを流すようなもので、もろもろ辻褄が合っていない。

んでもって、ここからが裏話です。

映画『えんとつ町のプペル』の初期の台本は、「空がまだ黒かった頃…」というルビッチのナレーションで始まって、実は最後も、ルビっちのナレーションで終わらせる予定だったんです。

長く長く続いた「夜の町」の最後の夜は、町の皆が勇気を寄せ集めて終わりを向かえたことを、ナレーションで説明する予定だったんです。

でも、「説明で終わるのは野暮だな」となりました。

そこで、ナレーションで説明するバズだった内容を、エンディング曲の歌詞にしたのです。
これが、絵本『えんとつ町のプペル』の主題歌と歌詞が違う理由です。

こうすることで、『映画 えんとつ町のプペル』はエンドロールまでが一つの作品になります。
エンドロール中に席を立つ人を減らすことができます。

(※歌詞に注目して聴いてください。よくよく聴くと、これ、ナレーションなんです↓)

それともう一つ。

ラストの大サビの最後の「♪えんとつ町の物語」を二回繰り返し、アウトロも長めに作りました。
理由は、スタッフロールをゆっくり流す為(時間稼ぎ)です。

どちらも目的は…

「『映画 えんとつ町のプペル』を作ったスタッフの名前を一人でも多くのお客さんに見てもらうこと」

です。

エンドロールの制作には、そんな裏話がありました。
『映画 えんとつ町のプペル』の制作に参加したことが、スタッフの皆様の誇りの一つになると嬉しいです。

映画公開まで、あと【3日】
頑張ります。

現場からは以上でーす!!

【追伸】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けて《本アカ》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。

【※企業様向け】

映画『えんとつ町のプペル』のチケット協賛はコチラから↓

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSemTsUULLSQV_DqIoM2FUI48MTprtzLahVsAhNat9A9yuvz8Q/viewform

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2020年12月25日公開!

映画『えんとつ町のプペル』

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このnoteは2020年12月22日のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』への投稿をもとに作成しています。

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