ミスは構わない。ただ、時間を奪うな by キンコン西野

このnoteは2020年11月13日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:映画えんとつ町のプペル西野亮廣さんを全力で応援する勝手にプペル応援団さくらい茶人 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「ミスは構わない。ただ、時間を奪うな」
というテーマでお話しします。


まずは日課の近況報告からさせてください。

2つあります。
一つめは、クラウドファンディング『SILKHAT』内で募集させていただいております『西野亮廣オンライン講演会 ~マーケティング講座【上級編】~』の受講者が5300名を突破しました。

「今の時代、どう集客して、どう商品を届けてくのか?」ということをメインに、少し踏み込んだ話をしようと思っておりますので、経営者さんや、個人事業主さんや、クリエイターさんは、是非、ご参加ください。

そして二つ目。

コチラは昨日、立ち上げたプロジェクトなのですが、僕がいつも通っている表参道の美容室『NORA』さんで、映画『えんとつ町のプペル』のシーンを切り取って、パネルにして壁一面にズラ〜ッと展示する「映画『えんとつ町のプペル』フィルムパネル展」を開催することが決まりました。

開催期間は12月5日〜1月31日までなのですが、これまでの個展と大きく違って、今回のパネル展の対象が「NORA美容室の利用客様」なんですね。

下心を正直に言うと、「『えんとつ町のプペル』を知らない人に知ってもらうこと」が目的です。

コチラで展示するパネルはB0サイズのメインビジュアルの大きなやつ以外は、全て1点限りで販売することになっているのですが、決済ウンウンカンヌンをNORAさんにお任せして(もしくはNORAさんのスペースをお借りして)ご迷惑をおかけするのが嫌なので、クラウドファンディングで事前販売させていただきます。

この売り上げは、手数料や設営費用等の諸経費を除いた全額を、映画の制作費の支援(補填)に回そうと思っています。

自分の映画の制作費の支援というのも変な話ですが、たとえば今回だと、より良い映像を作るために、スタジオ4℃さんが新しくマシーンを購入してくださったりしたんですね。そういう所にお渡ししようと思います。

二つほどご紹介させていただきましたが、いずれもクラウドファンディング「SILKHAT」内で企画が立ち上がっておりますので、興味がある方は是非、覗いてみてください。

という訳で本題です。

今日は、特に新入社員さん必聴の内容になります。

今朝の話です。

「吉本興業が窓口になって、一緒にお仕事させていただいているクリエイターさんへの支払いが遅れている」という噂を第三者から聞きまして、すぐにマネージャーに電話をしたんですね。

そこをナアナアにするのって、あってはならないことじゃないですか?

で、「どういうこと?」と訊いたところ、「すみません。対応が遅れています」と返ってきたので、「遅れているというのは、何か意図があっているの?」と訊いたら、「いや、包括契約でいくか、一件一件お支払いするか、迷っていたんです」と返ってきたんですね。

 
もう、この時点で終わりなんです。

 
次に僕が聞くのは「『迷っています』も何も、現場マネージャーの貴方に契約の決定権があるのか、それとも、契約の形態を決めるのは吉本興業なのか、どちらですか?」です。

すると、もちろん「吉本興業です」と返ってきます。

「では、迷う理由(貴方でボールを止める理由)を教えてください」と訊くと、当然、「うう…」って黙っちゃうんですね。

そして、「貴方はこのことを後回しにして忘れていた。もしくはサボっていた。『はい』か『いいえ』でお答えください」と質問したら、「はい」と返ってくるんです。

何が言いたいかというと、「そこに穴が以上、どうせ捕まるんだから、言い逃れをするな」です。

 
もっと言うと、

「プロ相手に言い逃れができると思うな」

です。

 
僕がひろゆきサンだったらいいですよ。
この論破ショーをメディアでやれば仕事になるから。
ただ、実際の現場で、これをやったところで、時間の無駄でしかないじゃないですか?


吉本興業のマネージャーって、テレビタレントさんのフォローしかしたことがないので、
クラウドファンディングのことも、
オンラインサロンのことも、
クリエイターさんとの契約のことも、
海外での動き方も、
資金調達も、
投資も、
何も知らないんです。

そういう人が「キンコン西野のマネージャー」として充てがわれるわけですが、言語も、スピード感も全然違うので、いつも手も足も出ないんです。

 
ただ、僕的には、それ自体は僕は全然オッケーなんです。
それも踏まれて、吉本興業と仕事をさせてもらっているので。
だから、僕は吉本興業の外部でも僕個人のマネージャーを雇っています。

吉本のマネージャーが僕の仕事に手も足も出ないのは折り込み済みなので、そこは大丈夫なのですが、「嘘」や「言い逃れ」をされると、時間が無駄にとられちゃうんです。

大切なのは、「ミスが二度と起きないようにシステムを改善すること」なので、嘘をつかれたら、「今のは嘘ですね」という嘘剥がし作業が増えるわけじゃないですか?

つまり、システム改善が遅れるんです。

これは、僕だけの話じゃありません。
おそらく、多くの上司が同じことを感じています。

世の中の若手社員の方は本当に気をつけた方がいいのが、その道で食えている先輩(上司)というのは、これまで違和感を逃さなかったから、今、食えているんです。

キンコン西野から「支払いが遅れているみたいだけど、どうなってんの?」という電話がかかってきて、そこで慌てて「今、迷っているんです」と嘘をついて、「そうか〜、迷っているんだったら仕方ないなぁ〜」という展開になるハズないじゃないですか(笑)

そんなキンコン西野は三日でこの業界から消えていますよ。

小学生じゃあるまいし、嘘や言い逃れなんて、プロの世界では1ミリも通用しません。

何よりも、大切な「時間」を奪ってしまうから、絶対にやめた方がいい。

ウチのスタッフの田村さんとかは本当に優秀だなぁと思うのが、(まぁ、滅多にないですが)何か進行が遅れている案件に対して「あの件って、どうなってます?」と訊いたら、「すみません。完全に忘れてました。秒速で巻き返します」と言って、そこから本当に巻き返すんです。

ホントに、メチャクチャ巻き返す(笑)

この対応を見て、「この人、仕事できないなぁ」と1ミリでも思います?
むしろ、信用しかありません。

人間なんでミスなんて誰にだってあるんですよ。
だいたい、僕が誰よりもミスをする人間なので、他人のミスを叱る権限なんてないんです。
なので、ミス自体はどうだっていい。

大切なのは、その後の対応です。

仕事ができない人というのは、往々にして、まず、自分のミスを誤魔化そうとする。

そして、バレて、無駄に時間を奪って、信用を失って、仕事を失う。
このパターンです。


「嘘をつくな」というよりも、「嘘をつけると思うな」です。

僕はまだ優しいから、「僕相手に嘘をつくのであれば、金輪際、吉本興業さんとは仕事をしませんが、どうしますか?」と言って、半ば強制的に「嘘をつこう」という考えを潰してあげますが、社会人は、もっと陰湿です。

「アイツ、ミスを誤魔化すし、言い逃れするし、結果的に時間の無駄が増えるから、アイツと仕事をするのは辞めておこう」といった感じで、何のお知らせもないまま、仕事を失っていきます。

なので、社会に出たら、嘘は辞めといた方がいいです。
もう一度言います。必ずバレるので。

ミスをしたら秒速で謝って、秒速で巻き返す。これができれば、ミスをしたことがプラスになります。

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今日は「ミスは構わない。ただ、時間を奪うな」について、お話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。

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2020年12月25日公開!
映画『えんとつ町のプペル』

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