【権利は時と場合に応じて上手に使い分けた方がいいよね】byキンコン西野

このnoteは2020年11月14日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:ユニフォームで働く人をハッピーにする福井県のささきたかひこ さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「【権利は時と場合に応じて上手に使い分けた方がいいよね】」
というテーマでお話しします。

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日課の近況報告からさせてください。
今日は二つあります。

一つ目は、クラウドファンディング「SILKHAT」内で募集させていただいております『西野亮廣オンライン講演会 ~マーケティング講座【上級編】~』の受講者が5400名を突破しました。

「こちらは今の時代、どうやって人を巻き込んで、どうやって商品を届けていくか?」ということについて、どこかで仕入れた情報ではなく、僕自身が行った実験の結果を元にお話ししていきたいと思います。
興味がある方は、是非、クラウドファンディング「SILKHAT」内のプロジェクトページからご参加ください。

※コチラ↓

二つ目は、昨日、大阪の「あべのハルカス」の展望台で、『えんとつ町のプペル 光る絵本展(ミニ)』がスタートしました。

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通常よりも小さいサイズの「光る絵本」が展示されております。

こちらは「あべのハルカス」の展望台の通路に展示させていただいておりまして、個展自体の入場は無料です。

ただし、展望台に上る通常料金は発生しますので、お気をつけください。
「『あべのハルカス』の展望台、いつか行ってみたかったんだよなぁ〜」という方は、この機会に是非。

勿論、夜がオススメです。

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さあ、というわけで、本題です。

今日は『権利は時と場合に応じて上手に使い分けた方がいいよね』というテーマでお話したいと思います。

よく僕は「『えんとつ町のプペル』の著作権って、どうなっているんですか?」という質問をされるんです。

「結構、いろんな方が『えんとつ町のプペル』の画像とかを使ったりしているけれど、著作権はフリーなのか?」という疑問ですね。

これに関してご説明させていただくと、著作権は「著作者が持つ権利」なので、フリーではないんです。

「曖昧にしている」という表現が正しいかと思いますが、趣味の範囲で利用される分には、目をつぶっているんです。
「目をつぶっている」というか、「どうぞどうぞ」と推進しています。

ただ、下手すりゃ反社組織に使われちゃうかもしれないので、商業利用される場合は、キチンと契約を結ばせてもらっています。

問題は「どこからが商業利用なの?」という部分だと思うのですが、こちらは「年間売り上げが100万円以上」という線引きをさせていただいております。

「100万円以上売り上げるのは、さすがに商業利用だよね。ただ、売り上げが、それ以下で、ハンドメイドでプペルアクセサリーとか販売する分には、西野や吉本興業や幻冬社の許可なんて取らずに、どうぞお好きに」という感じですね。

つまり、「著作者の権限」を使ったり使わなかったりしています。

著作者の権利を使わない場合に関して言うと、「プペルというもので食っていける人が増えたらいいな」という気持ちも勿論ありますが、肝臓から腐っている「黒西野」からすると、「自由に使ってもらって、作品の認知度が広げた方が、後々、回収しやすいよね」という下心があったりします。

それこそ映画『えんとつ町のプペル』にしても、『えんとつ町のプペル 光る絵本展』にしても、ほとんどの人が、「知っているor見たこと聞いたことがある」から足を運んでくださるわけで、まずは認知を獲得しないと何も始まらないんですね。

いきなり最初から著作権バキバキでやっちゃうと、当然、作品の認知の拡散力は落ちるわけで、トータルで見たときに、マイナスなんです。

僕は、この「トータルで見たときにプラスになるか、マイナスになるか?」で、著作権を行使するか否かを判断した方がいいと思っているのですが、そうじゃない人って、結構いるんですよね。

僕、写真が苦手なので、ブログに自分の写真を載せる時とは、都度都度、自分の写真を撮るのではなく、ネットから拾ってくるんです。

インタビューの時とかに撮影するじゃないですか? あれを拾ってきて、貼りつけているんです。

で、2年前ぐらいの話ですが、いつもみたくネットで拾ってきた僕の写真をブログに貼っていたら、カメラマンさんから「私の写真を勝手に使わないでくれ」というクレームが入ったんです。

「私の写真」も何も、モデルは僕なんですよ。

いろいろ思うところはありますが、しかしまぁ、その方がそう言っているわけだし、ぶっちゃけ、「その写真じゃなきゃダメだ!」というわけでもないので、取り下げて、別の写真に差し替えたんですね。

ただ、今後のお仕事で、その方に撮影されてしまうと、僕が写っている僕の写真は、僕の自由に使えないわけですよね。

僕の写真を使うのに、都度都度、許可を取らなくちゃいけない。

「許可なんて取らなくていいだろ!」と言っているわけではなくて、それはその人のルールなので、そうしてもらって構わないのですが…僕としては、僕の写真が僕の権限で使えないのはさすがに面倒くさいので、何か撮影のお仕事がある場合は、そのカメラマンさんはNGにさせてもらったんです。

この時点でカメラマンさんが一つの仕事を失ったんです。
当然、それによって、守れたものも何かしらあると思います。

ここが結構、「時と場合による」という繊細なラインだなぁと思っていて、カメラマンさんの未来を見据えた時に、「どっちがプラスか?」は、ちょっと分からない。

一つ確かなことは、「著作権を行使することが正解だ!」と言い切ることはできない、ということですね。

西野のブログに使われていた写真を見て、「この写真を撮ったカメラマンは誰だ?」となって仕事が舞い込んでくるケースというのは、実は、あんまり無いと思っているのですが、「あのカメラマンさんに撮ってもらった写真は、後々も自由に使わせてもらえるので、あのカメラマンさんにお願いしよう」というケースは結構あると思っていて、まぁ、その場合はフリーにしておいた方がいいですよね。

来月、僕の本が出るんですけど、先日、その表紙撮影を蜷川実花さんがしてくださったんですよね。

で、撮影現場で、実花さんが「西野君、写真苦手だろうから、ちょい多めに撮っておくから、また何かの時に、使って」と言ってくださるんですね。

これ、僕みたいな人間からすると、メチャクチャ助かるんです。
なので、また実花さんにお願いするんです。そういう人、結構、多いと思います。

でも、あの世界の蜷川実花ですから、彼女の写真の使用権がなんでもかんでも自由なわけが無いんです。

「ここは権利を主張するけど、ただ、ここは黙認する」といった感じで、時と場合によって、対応を変えている。

これからの時代は、ここの「遊びシロ」が結構大事だなぁと思っていて、権利を主張した場合がいい時もあれば、ウヤムヤにしておいた方がいい時もあるので、何も考えずに、「いついかなる時も、ここから先は禁止!」と決め切らない方がいいと思います。


今日は「【権利は時と場合に応じて上手に使い分けた方がいいよね】」について、お話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。

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2020年12月25日公開!
映画『えんとつ町のプペル』

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