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終わらない文化を作る為には何をするべきか?

おはようございます。
インスタライブをやる堤下君の顔面が隙間なくスマホ画面ビッチビチまで攻め込んでいて、何かの待受画面かと思ったキングコング西野です。
#もっとカメラから離れてください

さて。
今日は『終わらない文化を作る為には何をするべきか?』というテーマでお話ししたいと思います。

本当に最高だった英語吹き替え版『えんとつ町のプペル』


Voicyでもチョコチョコっと喋りましたが、昨日、『映画 えんとつ町のプペル』の英語吹き替え版の試写(コアスタッフだけが集まる上映会)がありました。

上映後、廣田監督が語った「西野さんと初めてお会いした日に『最初から世界を狙いましょう』という話を交わしたのですが……今日、プペルが、本当に世界に出ていっていることを実感しました」という言葉が強く印象に残っています。

海外での上映や、海外の映画祭の話も続々舞い込んできていて、廣田監督と同じように感じたスタッフさんも少なくないハズ。
世界戦開始のファンファーレは確かに鳴りました。

海外の配給の交渉や、各映画祭の調整をメインで動いてくださっているのは、『ジェフ』さん。
『映画 えんとつ町のプペル』の立ち上げからのメンバーで、嬉しかった日も、悔しかった日も、いつも一緒に過ごした大切な大切なスタッフです。

世界中の企業やクリエイターと交渉&調整を繰り返す仕事は決して楽ではなく、英語吹き替え版の『えんとつ町のプペル』のクオリティーはジェフさん無しでは果たせなかったでしょう。

日本側のスタッフの反応を見届けて、ここからまたロスに戻るジェフさん。
彼を突き動かしているのは、作品と共に過ごした時間が育んだ「執念」であることは誰の目にも明らかでした。

長くモノ作りの現場にいますが、最後にモノを言うのは、「執念」の有無で、これだけは「時間」を払わないと手に入れられません。
それは、『母』が、子育てに捧げた時間の中で『母』になっていくような。

共に過ごした時間が長ければ長いほど、ツーカーの仲になり、1を言えば10伝わるので、クリエイティブは加速し、共に過ごした時間が長ければ長いほど、フィニッシュ・ホールドたる「執念」が生まれます。

今度のプロジェクトも、その次に控えているプロジェクトも、同じスピードで走ることができる同じ仲間とやった方が、スピードもクオリティーも高く、安心です。

ですが、このチームはいつか必ず老います。

そして、この問題から目を背けたチームは、必ず終わりを迎えます。

終わらない文化を作る為には何をするべきか?


CHIMNEYTOWNの若手スタッフは、比較的仕事が速い方だと思います。
おそらくサロンの投稿で事前に(入社前に)CHIMNEYTOWNのお仕事のスピード感を頭に入れてきているので、そんな感じになのかもしれません。

とは言え、田村Pに任せたら10分~20分で片付くような仕事に、1週間かかることもあれば、10日かかることもあります。
たぶん、普通の会社の新人なら半年ぐらいかかっちゃうと思います。

なので、ついつい田村Pに任せたくなりますが、それが癖になると、下が育たないし、次代の才能がCHIMNEYTOWNに入るメリットが無くなってしまう。

日本企業の平均寿命は「23年」とか言われてますが(※実際の数字は知らねーけど)、これは、そのまま「意思決定者(および近場のスタッフ)の現役の時間」なのだと思います。

この「23年」という時間(寿命)を伸ばすには、会社の内側から非連続な変革を起こし続けなきゃいけないわけですが、意思決定者(および近場のスタッフ)の声が大きければ大きいほど、それは叶いません。

僕は今日も明日も明後日もものすごーく頑張って、トコトン結果を出すのですが、結果を出せば出すほど僕の声が大きくなってしまい、巡り巡って、チームが終わる日を決定づけてしまいます。

20代の社員やインターン生の時間は、とても尊く、それを上の世代の為には使って欲しくないなぁというのが僕の願いです。
とはいえ、世界中のサービスの勝負は“ほぼ”決していて、「ゼロ→1」では勝てるほど世界戦は甘くありません。

このサロンでは常々言っていますが、彼らは、先輩が築いた資産(文化)を上手く利用して(上品にあやかって)、「1→100」の勝負をやる世代だと思います。

その為に僕に何ができるのかを考えたのですが、現時点での僕の結論は「西野が口を挟める上限を決めておく」です。

幸いなことに、この夏に独立して立ち上がった『CHIMNEYTOWN USA』や、『CHIMNEY COFFEE』といった会社の動きを、僕はよく知りません。ので、口を挟めません。

なんか、人を雇ったりしているみたいです(笑)

結果を出して声が大きくなった人間に、口を挟ませない方法として「別会社にしてしまう」というのは、(単純な打ち手ではありますが)今のところ結構イイ感じです。
#あくまで西野の口を塞ぐ一手として

それぞれのやり方があるとは思いますが、
チームを残す為に、
会社を残す為に、
文化を残す為に、
「意思決定者を鎖で繋いでおく」というのはあるのかもしれません。

そして、その判断は意思決定者(本人)にしかできないので、ものすごくドMプレイ(自分で自分の腕に手錠をかける=虚勢手術)ではありますが、

「自分の幸せをとるか、チームの幸せをとるか」

と自らに問えば、答えは見えるのかなぁと思うこの頃です。

現場からは以上でーす。

【追伸】
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このnoteは2021年8月29日のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』への投稿をもとに作成しています。


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