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数字と分析の共有

おはようございます。
本日より舞台挨拶芸人としてデビューさせていただきますキングコング西野と申します。
以後、お見知りおき。

さて。
昨日は感情いっぱいの文章で白西野をお届けしたので、今日は鉄の味しかしない黒西野(鬼マーケターモード)でお届けしたいと思います。

「感動のファンタジーをお届けする優しいオジサン」のイメージで生きていきたいので、ここから先の文章は(1年後も)表には出さないでください。

サロンメンバーさんの中には週刊誌の記者さんもいらっしゃると思うのですが、どうかナイショにしていただけると嬉しいです。

今日のテーマは『数字と分析の共有』です。

 『映画 えんとつ町のプペル』の初日の興行成績から読み解く!

一般の方が運営している(そこそこ信用度の高い)映画館の興行ランキングを発表しているサイトがありまして……そこによると、映画の興行ランキング(デイリー)に、昨日、大きな動きがありました。

映画史上最大のヒット作である『気滅の刃』が3位となり、2位が『えんとつ町のプペル』、1位が『ポケットモンスター』という並びです。

『鬼滅の刃』に関しては今日から4DXがスタートして、大規模なプレゼントキャンペーンも仕掛けてくるので、今週土日の興行収入含め、ここから2週間ぐらいはトップを走ると思います。
#こちら想定内

鬼滅に対しては、どこかでチャンスを探るとして(もちろん狙う)、現時点で注目すべきは『ポケットモンスター』です。

実は、映画の公開日を決める段階から「可能であれば、ポケットモンスターと同日公開にしてください」とお願いしていたほど、当時から、ターゲットにしていました。
「ポケモン超え」というニュースが作れるからです。
#黒西野

で、こんなことを表で言うとカドが立つので、ここで言いますが、たぶん『ポケットモンスター』には勝てると思います。

僕が「たぶん勝てるんじゃないかなぁ」と思っている理由は、

①評判
②拡散デザイン
③分母

の3つです。

それぞれ、順に説明します。

①「評判」

これに関しては、Twitterで「#えんとつ町のプペル」で検索してみてください。
今ちょっとヤバいことになっていて、なんと昨日は、丸一日トレンドに上がりっぱなしでした。

最大の広告は『作品(商品)のクオリティー』なので、ここを押さえているのはメチャクチャ大きいです。
事前調査で出た「満足度100%」というデタラメな数字はダテじゃありません。

あと、大きな声では言えませんが、アンチによるネガキャンが(コチラ側にとっては)効果的で、アンチがあれをやればやるほど「そんなことないよ。ちゃんと見た? 面白いよ!」という熱(支持者の発信力)は高まるので、ニヤニヤしながら放置しています。
#黒西野

②「拡散デザイン」

ぶっちゃけ「面白い」って、どこまでいっても主観なんですね。
そこは、人それぞれの好みの問題で、その人の信用値によって差が出てくるので、ニュースにはなりづらい。

一方で、

「エンドロールで誰も席を立たない」や「上映後に拍手が起きる」は主観じゃなくて、事実なので、ニュースになる。
実際、初日最速上映で起こったスタンディングオベーションはニュースになりました。

『映画 えんとつ町のプペル』は最初から、エンドロールで席を立たないように設計していますし、拍手が起こりやすい(拍手をしやすい)ように設計しています。
つまり、ニュースになりやすいように設計している。

『ポケットモンスター』は、ここの設計が少し甘いので、拡散力は“やや低め”だと思います。

あと、「豪華特典」&「ストーリー」でお客さんを呼んでいるので、リピーターが生まれづらい。
「ポケモンをもう一回観に行こう」とは、なりにくいんですね。

一方、『えんとつ町のプペル』に関しては、ほぼ全員がオチを知っている。
#あちこちオードリーでオチを言わされました

これは『占い師』や『スナックのママ』とかもそうだと思うのですが、『えんとつ町のプペル』は、映像美や音楽の他に、「『大丈夫!』『がんばれ!』と言って欲しい需要」があると僕は見ています。

生きていると、どこかで精神的なエネルギーが切れるので、その時に「頑張れ」の一言が欲しくなる。
そして、コロナ禍は特にその頻度が高くなる。

その時、人が見たい物語は「衝撃の展開!」や「ミステリー」じゃないんです。

その時、皆が欲しいのは、占い師や、スナックのママや、ブルーハーツからのエールです。
「かけて欲しい言葉を、かけてもらいに行く」という。

元来、リピーターを生んでいるのはそういったものですし、コロナ禍に求められている作品は絶対にそっち。
それらの観点から、「リピート力で逆転するだろうなぁ」と見ています。

③ 「分母」

スタンフォード大学のエベレット・M・ロジャーズというオジサンが提唱した『イノベーター理論』というのがあるのですが、それによると、“情報が普及していく過程”は5つの層に分けられているんですね。 

情報感度が高い順に名前が付いていて、こんな感じ↓

①イノベーター(2.5%)
②アーリーアダプター(13.5%)
③アーリーマジョリティー(34%)
④レイトマジョリティー(34%)
⑤ラガード(15%)

「①イノベーター」は我先に情報を取得する人で、「⑤ラガード」は、最後の最後まで動かない人です。
※一般的には、②と③の間には大きな溝があると言われています。

『ポケットモンスター』は①~⑤までを押さえた上での興行成績で、『えんとつ町のプペル』は、おそらく①~②(頑張って2.5)の中で出した成績です。

それを踏まえた上で、冒頭のランキングサイト(※一般の方が独自で集計されているものなので正確なものではありません)の数字が面白くて、昨日の【14時】【19時】【最終】の動員数がコチラ↓

▼12月25日 14時

【1位】『劇場版 ポケットモンスター ココ』→37485人
【2位】『映画 えんとつ町のプペル』
→21737人
【3位】『鬼滅の刃 無限列車編』
→20655人

▼12月25日 19時

【1位】『劇場版 ポケットモンスター ココ』
→57873人
【2位】『映画 えんとつ町のプペル』
→45650人
【3位】『鬼滅の刃 無限列車編』→37718人

【12月25日 最終】

【1位】『劇場版 ポケットモンスター ココ』
→62562人
【2位】『映画 えんとつ町のプペル』
→59947人
【3位】『鬼滅の刃 無限列車編』
→45253人

…といった感じです(正確にはもう少し多いと思います)。

お気づきになられましたでしょうか?
14時の段階では、ポケモンとはダブルスコア近い差が空いていたのですが、時間が経つにつれて、その差が埋まってきているんです。

考えられるのは「ポケモンが『単独の大人』層をとれていない」ということと、「口コミとリピーターの有無」だと思います。

『えんとつ町のプペル』の勝負は2~3週目だと思っていて、実は広告費も、そこ用に残しています。

御報告としては一言でまとめると「皆様のおかげで、かなり良いスタートを切れました。ありがとうございます」といったところです。

ポケモン超えは勿論狙うとして勝負はここから。
キチンと数字を読み取って、どのパンチが効いたのかを分析して、「勝負どころで、しかるべき打ち手を適切な量で打つ」をやっていきたいと思います。

引き続き、宜しくお願い致します。
この勝負、僕に勝たせてください。

鬼クソ頑張ります!
やるぞ!!!

現場からは以上でーす!!

【西野亮廣がゆく「映画 えんとつ町のプペル」公開御礼!舞台挨拶】スケジュール

*詳細は各劇場の公式サイトにてご確認ください。

【12月27日(日)】
舞台挨拶1回目:  8:35の回上映終了後 TOHOシネマズ流山おおたかの森
舞台挨拶2回目:11:40の回上映開始前  TOHOシネマズ流山おおたかの森
舞台挨拶3回目:12:15の回上映終了後  TOHOシネマズららぽーと船橋
舞台挨拶4回目:15:20の回上映開始前  TOHOシネマズららぽーと船橋

【12月28日(月)】
舞台挨拶1回目: 9:05の回上映終了後 TOHOシネマズ上大岡
舞台挨拶2回目:12:10の回上映開始前 TOHOシネマズ上大岡
舞台挨拶3回目:12:45の回上映終了後 TOHOシネマズ新宿
舞台挨拶4回目:15:50の回上映開始前 TOHOシネマズ新宿

【12月29日(火)】
舞台挨拶1回目: 9:05の回上映終了後 TOHOシネマズ海老名
舞台挨拶2回目:12:10の回上映開始前 TOHOシネマズ海老名
舞台挨拶3回目:12:15の回上映終了後 TOHOシネマズららぽーと横浜
舞台挨拶4回目:15:20の回上映開始前 TOHOシネマズららぽーと横浜

https://poupelle.com/news/?p=482

【追伸】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けて《本アカ》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。

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映画『えんとつ町のプペル』

▼上映館はこちら↓

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このnoteは2020年12月26日のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』への投稿をもとに作成しています。

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