「テレビが伝えること」と「テレビ伝えないこと」を把握しておこう byキンコン西野

このnoteは2020年11月20日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:西野さん大好きっす草刈りカットますだたつとし さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「テレビが伝えること」と「テレビ伝えないこと」を把握しておこう
というテーマでお話しします。


まず最初にお知らせを二つさせてください。

いつもVoicy(YouTube)の冒頭で、提供者さんの名前を読ませてもらっているのですが、これ「スポンサー枠」というものを1万5000円で販売させてもらっているんですね。

大体、このお金というのは、エンタメ投資か、何かしらの支援か、僕のハイボール代に消えたりしています。

で、時々、「あのスポンサー枠ってどこで売っているんですか?」と聞かれるのですが、答えは、「Voicyの音声をコピペしているユーチューブチャンネル『西野亮廣エンタメ研究所』の概要欄の一番下に貼っているリンク先」なんです。

「そんなの知らなかったよ。ちゃんと告知しろよ」という話だし、そもそも「なんで、そんな分かりづらい場所で販売してんだ」という疑問がありますよね。

これには理由があって……音声配信は1日1回なので、スポンサーさん枠が売れすぎちゃうと、消化が追いつかなくなるんですね。

「だいぶ前に買ったんですけど、まだ紹介されないんですか?」

みたいな質問が飛んできたりするんです。

その対策として、「1週間おきに限定7枠で販売する」というのもあると思うのですが、「販売サイトを見つかりづらくする」の方が今のところはスムーズに回っていて、引き続き、この感じでやらせていただきたいと思います。

なので、「スポンサー枠の販売サイトは探してください」というご案内でいかせてください。

二つ目のお知らせとしては、もうこの報告が日課になっておりますが…クラウドファンディング「SILKHAT」内で募集させていただいております『西野亮廣オンライン講演会 ~マーケティング講座【上級編】~』の受講者が6100名を突破しました。

僕自身、もう本当に連日、映画『えんとつ町のプペル』を届ける作業をしているわけですが、当然、コロナの煽りも現場で受けていますので、机上の空論ではなくて、手触り感のある話ができると思います。

あとは、次の時代のビジネスモデルについてお話したいと思います。「まず、間違いなく、ここだな」というのはもう見えておりますので、そんな話を。

『西野亮廣オンライン講演会 ~マーケティング講座【上級編】~』に参加される方は、クラウドファンディング「SILKHAT」のプロジェクトページから検索してみてください。

そんなこんなで今日の本題です。

今日は『「テレビが伝えること」と「テレビ伝えないこと」を把握しておこう』というテーマでお話ししたいと思います。


映画『えんとつ町のプペル』の告知稼働もあって、最近、いろんな番組に出させていただいているんですね。

昨日は『ダウンタウンDX』に出させていただいたのですが……やっぱりメチャクチャ楽しいんです。

「共演者の皆様から集中砲火を浴びる」というお決まりの展開で、僕は、ひたすら「やめろ!」しか言っていないのですが、メチャクチャ面白い収録になりましたので、是非ご覧ください。

テレビは、そこまで得意じゃないので片想いですが、やっぱ「好き」です。
なので、今回みたく、いろんな番組に出させていただくのは楽しいです。

ただ、手放しで「テレビ万歳」とはなっていなくて、もちろん、テレビに対しては思うところもあります。

相方の梶原君なんかは「テレビは、もっとこうあるべきだ!」「昔のようなテレビに戻したい!」みたいな感じで、結構、熱っぽく言っていたりするのですが、
僕はもっと冷めていて、「良し/悪し」で語るというよりも、テレビが構造上、何を伝えることができて、何を伝えることができないメディアなのかを、皆で共有しておいた方がいいなぁと思っています。


たとえば、日本の学校教育は「お金」のことを教えてくれないから、何も考えずに真面目に学校に通っている人たちは、極めて高い確率で「お金に困る人生」を送ることになるわけですが……それもこれも「学校はお金のことは教えてくれない場所」ということを把握していれば、たとえば家庭で対応できるわけじゃないですか。

 
学校では国語と算数を学んで、家では親子で一緒に「お金」の勉強をする…といった感じで。

学校サイドに「変われよー!」と訴えかけるよりも、「学校が教えてくれること」と「学校が教えてくれないこと」を把握して、「教えてくれないことに関しては自分たちで補完する」とした方が、よっぽど建設的だと思うんですね。


テレビも一緒で、やっぱり「テレビが伝えること」と「テレビ伝えないこと」を把握した上で、テレビを観た方がいいのかなぁと思っています。

 
具体的な話をすると、テレビは広告費で回っているので、「たくさんの人に観られること」がテレビの目的なんですね。
じゃあ、考えなきゃいけないのは、日本の人口のボリュームゾーンですよね。
日本の人口ピラミッドを見ると、たしか、50才手前と、75才手前が一番、盛り上がっています。

そうすると、この世代に刺さるような内容を発信した方がいいじゃないですか?


そうすると、(もちろん「皆が皆じゃない」と前置きさせていただきますが)この世代の多くは、「歳下で自分よりも成功しているヤツ」なんて見たくないんです。

だって、自分が惨めになるじゃないですか。

たとえば自分が父親だとして、家族で観れます? 
「それに比べて、ウチの父ちゃんは……」と息子に思われてしまうリスクがあるんですよ。
ここで、息子の将来を想って「いやいや、息子よ。この人の動きは観ておけ」と言える父親は、よっぽど優秀です。

じゃあ、「家族でポジションを取るテレビプログラム」もしくは、一人で観ていたとして「自分の存在が肯定されるテレビプログラム」を考えた時に、答えは簡単、「自分よりも失敗しているやつが処刑されている番組」です。

なので、「芸能人の謝罪」とかは大好物です。

「ほらな。こんな仕事して調子乗ってるから、結局、こうなるねん」と言えることで、自分が救われる。

テレビは本質的には選挙と同じです。

これも、「皆が皆じゃない」と前置きさせていただきますが、75才からすると、もう変わって欲しくないんです。

「ハンコ撤廃」とか言う奴は、目障りでしかないんです。
今から、苦手なインターネットを覚えなきゃいけないんだから。

そんなの嫌ですよ。

だから、選挙は「変える!」と主張する人よりも、「変えない」という匂いを出している人の方が、どうしても強くなる。

グローバル化とか要らないんです。
自分達の世代の生活は、もう近所で十分まわっているから。
#僕の意見じゃないですよ

今から新しい波がきたら、自分達が隅に追いやられてしまうじゃないですか。
そんなの応援するわけがないよ…というのが日本の人口ピラミッドのボリュームゾーンです。


テレビでオンラインサロンの話をして、視聴者が話を聞くと思います?
聞かないですよ。

だって、自分達は使わないんもん。

彼らが興味があるのは、自分達の健康と、自分よりも失敗している人です。
なので、「コロナの感染者数」をチェックするし、「芸能人の不倫」でチャンネルを止める。

検査数とか、実効再生産数とか、大切な情報を報道する必要は無いんです。
テレビの目的は「解決すること」じゃなくて、「観られること」なので。

新しいテクノロジー、新しい生き方なんて、要らないんです。
観たいのは不倫で失敗している人です
視聴者のボリュームゾーンは、時代が進むことなんて微塵も求めていないので。

 

 
…というのがテレビなので、結論、テレビから未来が来ることは絶対に無いです。

テレビタレントに問題があるわけでも、テレビスタッフに問題があるわけでもなく、テレビが「広告ビジネス」であることと、日本の人口ピラミッドがそうさせている。

今回の場合は主に情報番組の話をさせていただいておりますが、日本のテレビの情報番組は基本的に、高齢者向けのものである…ということを踏まえてテレビを観た方がいいと思います。

「良い」とか「悪い」とかいう話ではなくて、「テレビはそういうものだ」という話です。


落語や歌舞伎を見て、「いつまで江戸時代の話をしているんだ!」とは言わないじゃないですか。
あの感じで向き合うといいと思います。

ご家庭でも、このことをお子さんに伝えた上で、テレビと向き合うといいと思います。


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