【『映画 えんとつ町のプペル』公開まで、あと10日】byキンコン西野

このnoteは2020年12月15日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:山形からそば業界をおもしろくしたい。すずきふみあき さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

本題に入る前に近況報告からさせてください。
毎度お馴染みとなっておりますが、クラウドファンディング「SILKHAT」内で募集させていただいております『西野亮廣オンライン講演会 ~マーケティング講座【上級編】~』の受講者数が1万800名を突破しました。

本当にありがとうございます。

こちらの講演会は今の時代の人の巻き込み方やモノの届け方について、机上の空論ではなく、僕が実際におこなってみて、そこで得た内容をお届けしようと思っております。

まったくハマらなかった施策なんかもあって、それを共有するのとかって、すごく意味があると思っています。
なので「これ、やってみたけど全然ダメでした」という話もします。

一ヶ月前ぐらいから募集を始めて、気がついたら、募集締め切りまで【あと3日】と迫りました。

映画が終われば、こういったオンライン講演会をすることもなかなかないので、この機会に是非、ご参加ください。

『西野亮廣オンライン講演会 ~マーケティング講座【上級編】~』は、クラウドファンディング「SILKHAT」内のプロジェクトページから検索してみてください。


(※オンライン講演会の参加はコチラから↓)

そして、二つ目です。

えんとつ町のプペルの制作の裏側にスポットを当てた『えんとつ町のプペルができるまで展』の開催が迫ってまいりました。

こちらの個展は、名古屋、大阪、札幌、東京、仙台、福岡のHMVミュージアムでそれぞれ開催されるのですが、なんとなく、開催時期が、前期と後期で分かれていて、まずは名古屋、大阪、札幌が先にあります。

名古屋と大阪は「12月19日スタート」で、札幌は「12月20日スタート」です。

以前もお伝えしましたが、完成した絵が展示されているわけではなくて、どちらかというと、設定資料とかが展示されていて、本当の本当に制作の裏側が覗ける内容となっております。

会場では映画のエンドロールの映像が(少し加工されて)流れているのですが、それはそういうことで、映画 えんとつ町のプペルを作り上げたクリエイターさん達にスポットがあたっているんですね。

この個展に関しては色々と話したいことがあるので、またどこかで時間を使ってお話ししたいと思います。

(『えんとつ町のプペルができるまで展』のチケットはコチラから↓
https://l-tike.com/event/mevent/?mid=558066#_ga=2.215915031.1018321013.1607981595-802907473.1604520846

よろしくお願いします。


そんなこんなで本題です。


『映画 えんとつ町のプペル』公開まで【あと10日】となって、今、思うことについてお話したいと思います。

まずは一昨日、完成披露試写会を終えて、その感想にすごく救われているということが一つ。

世界的なアパレルブランドである♯FR2代表の石川涼さんも完成披露試写会に来てくださって、「今世紀一番泣いた!」と連絡くださって、勢いそのまま、なんと9ヶ月ぶりとなるブログを更新してくださったんです。

一部抜粋して読み上げさせていただきます。

『今世紀史上最高に泣きました。

最後泣いたのはいつだったかも全く思い出せないくらい「涙なんて枯れた男」「本当の愛を知らない男」「高田純次か石川涼か」と呼ばれたこの僕が上映時間の2/3は泣いてました。

この物語、もちろんルビッチと“ゴミ人間”プペルが主役の物語だと思ってました。

映画では絵本には出てこなかったブルーノとルビッチ、母ちゃんとの関係値や、アントニオ一味とプペルとのいざこざなど細かい描写が足されています。

はっきり言ってルビッチ家の家族愛、父ちゃんとの絆だけでも何の先入観もなく思いっきり泣けます。最後の立川志の輔さんの語りが入りながらのクライマックスシーンなんか涙で溺れ死にます。

今回の映画は、信念を貫いたブルーノの(ルビッチが結果で証明した)物語だと思っています。そしてアントニオの存在は、もしかすると制作した西野くんも意図しないまま一番伝えたいことになったんじゃないかなと感じました。

仮に世の中に周りを気にせず自分の信念を貫ける人が5%いるとしましょう。

世の中の半分50%は周りの様子を見て決める人。
20%はそもそも何も考えていない人。

そして残りの25%はもしかしたら「新しい事を信じたいけど世間体や誰かや何かに気を使って自分を押し殺している人」。

昨日の完成披露試写会でアントニオ役の伊藤さんも言ってましたが「アントニオって本当は素直に生きているルビッチがずっと羨ましかったんじゃないかなと」

僕もそう思いました。

現実社会でも「答えがわかっているのに一歩踏み出せないでいる。」そういう人達が沢山いて、この“アントニオ25%”的な人達の背中を押す、「もっと自分を信じていいんだぞ」と。それが今回の作品のキモなんではないかなと感じました』


……一部抜粋と言いつつ、結構読み上げちゃったのですが、続きは石川涼さんのブログ(note)でご確認ください。

※コチラ↓

今は、こういう感想にいちいち救われています。

他にも、YouTubeに感想をアップしてくださっている方もいたり。。

ようやく「届いた」ということが確認できて、月並みな感想ですが、「大変だったけど、作って良かったな」と思っています。

その一方で、先日もお伝えしましたが、恐怖はいつまで経っても拭えないです。

一人でも多くの方に劇場に足を運んでいただく為に、連日せっせとドブ板営業を繰り返しているのですが、どれだけやっても気休めにもならなくて、昨日、映画館にお客さんが一人も来ない夢を見ました。

よっぽどビビっているんだと思います(笑)

で、これが今日の話の核となると思うのですが、一度、映画作りにハマった人って、もうとり憑かれたように作り続けるじゃないですか?

テレビマンであろうと、芸人であろうと、何かモノを作りつけている人は、どこかのタイミングで映画作りに辿り着いて、そして、映画側から首を切られるまでは、そこから抜け出せない。

映画はエンターテイメントの最後に辿り着く競技みたいになってますよね。

今回経験してみて分かったのですが、それは「映画が総合芸術である」ということも勿論あると思うんです。

ストーリーやキャラクターや音楽や背景や小道具…その他すべてのモノをコントロールできることって、そうそうある機会じゃない。映画はそれができるんですね。

なので、そこにハマるというのも凄く凄く共感できるのですが、その一方で、映画づくりに辿りついた人が、首を切られるその日まで、ずっと映画を作り続ける理由は、もう一つあるとことが今回分かりました。

それがさっきの話なんですけど、やっぱりね、圧倒的に怖いんです。

怖さの原因は2つです。

一つ目は「内容をテコ入れできない怖さ」、
二つ目は「集客の怖さ」。

たとえば漫才だったら、M-1グランプリの予選を受けるまでに、1年間かけて、劇場でネタをかけ続けて、お客さんの反応を見ながら、改善を繰り返すことができるんですね。テレビもそうですね。視聴者の反応を見て、テコ入れすることができる。

これが映画となるとそうじゃない。

一度、上映されてしまうと、その作品は、どれだけ反応が悪くても、明日も明後日も同じ内容のままスクリーンから流れ続けるんです。

逆に一発目の反応が良かったら、1週間後も2週間後も調子がいい。

なので、「初号試写」というかなり厳し目の関係者向けの試写会や、一般の方も来られた完成披露試写会での反応がすこぶる良かったのは、本当に嬉しいです。そこに関しては、ホッと一安心です。

僕がビビっているのは「集客」の方で、たとえば絵本だったら「いついつまでに売らなきゃいけない」というのがフワッとしているから、毎日、あの手この手で打ち手を変えることができて、その中で届け方を掘り起こすことができる。

でも映画はそうじゃない。

基本、最初の3日間ぐらいで、運命が決まっちゃうんですね。

この期間内に結果が出せなかったら、「はい、さようなら」と首を切られてしまう。

これが恐ろしいことに、『天空の城ラピュタ』とか『となりのトトロ』とか、あんまりヒットしてないんですよ。

その後、テレビ放送されまくって、認知を獲得して、「トトロって面白い!」となりましたが、映画的には、それだと、時すでに遅しです。

最初の3日間で決め切らなきゃいけないんです。


でね、映画づくりに居座り続ける人の気持ちが今になって分かったのですが、この恐怖を味わうと……もう戻れないんです。

その他のいろんな仕事が優しく見えてきて、刺激が、恐怖が足りないんです。

一応、僕は来年のスケジュールがいくつか決まっているのですが、見渡す限り、今回ほどの恐怖がそこにはない。
そうなってくると、「自分の時間をそんなヌルいところに使っていいのか?」という疑問が沸いてくる。

映画づくりに居座り続けている人は、映画づくりにハマっているという前向きな理由もありますが、「もう戻れない」という理由もあることを今回知りました。

とりあえず来年以降の身の振り方は、少しあらためます。

そんなこんなで、映画『えんとつ町のプペル』の公開まで【あと10日】

是非、劇場に足をお運びください。



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2020年12月25日公開!
映画『えんとつ町のプペル』

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