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役者さんの労働環境を根底から見直す

おはようございます。
朝倉未来さんを倒して1000万円をゲットしようかと思っているキングコング西野です。
#O脚もやし猫背

さて。
今日は『役者さんの労働環境を根底から見直す』というテーマでお話ししたいと思います。
 
★ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の冒頭180秒はコチラ↓


肉体の稼働を止めると、収入が止まる

あの大忙し男・ホリエモンが極端に時間を割いて向き合うほど、舞台(演劇・ミュージカル)の達成感というのは覚醒剤で、ハマってしまうと抜け出せません。
#ホリエモンが手がけるミュージカルも最高なんです

他方、その快感の為に、いろんなものを犠牲にしてしまう役者が少なくありません。

「バイトをして、お金を貯めて、お金を払って(チケットノルマを背負って)舞台に出る」みたいなケースも。

日本だと、いとも簡単に「夢か、お金か」みたいな議論になりがちですが、夢を続けていく為には「お金(生活費)」が必要です。

役者はまず「食っていく為には出演作品を選べない」というゾーンからスタートするわけですが、あまり面白くない作品にお客さんを呼んでしまうと「アイツの舞台、観に行ったけど、全然面白くなかった。もうアイツの舞台を観に行くのはやめよう」という展開になり、集客すればするほど、信用とファンを失ってしまいます。

役者本人もそのことは分かっていて、「あまり面白くない作品だな」と思ったら、積極的に告知はしません。
「自分の出演作品(自分の商品)を宣伝しない」という状態になっているわけですが、それだと、いよいよ何の為に仕事をしているのか分からない。
「ただ、現場に入って、面白くない時間を過ごして、お金だけ貰って帰ってくる」がやりたくて入った世界じゃないことは確かで、ここは、どげかせんといかんです。

役者の信用(ファン)を守る為に、やはり一番ヘルシー(ヘルシー?)なのは「役者が、出演作品を選べる(仕事を断れる)環境」を作ることかなぁと思っています。
「出演しなくても(しばらくは)食える状況」を作ること、ですね。

「肉体の稼働を止めてしまうと、収入がストップする」という“役者の当たり前”は、病気や怪我の面は勿論のこと、今回のようなパンデミック(身体は元気なのに働けない)でも、大きなリスクです。

さて、どうしたもんでしょうか?

自分のことでもなけりゃ、頼まれてもいないのに役者の生活のことを考える西野先生。
惚れてもらっても構いませんよ。

権利をキチンと握る

ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』のキャストの皆さんと過ごす時間が長く、一方的に「家族」のように思っています。

毎日、素晴らしい作品を届ける為に、本番前に入念に(本当に入念に!)身体を仕上げていくお姿を見るたび、そしてキャストさんのご家族(吉原さんと、知念さんと、乾さんのお子さん、超可愛かった!!)を見るたび、なんとしてでも、彼らの才能と信用と生活を守りたいと思います。

プロデューサーの瀬戸口とは、そんな話もチョコチョコしていて、製作費の回収は勿論のこと(※こんなのは楽勝)、「ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』に関わってくれたキャストさんを未来永劫支援し続ける仕組みも作ろう」と伝えました。

キャストさんを支援し続ける仕組みは至ってシンプルで、以下の通り。

① オンライン配信チケットを一生売り続ける。
② キャストさんの事務所とキチンと契約を結んで、オンライン配信チケットの売り上げの○%をキャストさんに一生支払い続ける。
#カラオケ印税のノリ

この二つです。
込み入った話をすると(※ナイショだよ)、すでに、オンライン配信チケットを一生売り続ける契約はまとまっていて、なんと(一部のキャストさんを除き)オンライン配信チケットの売り上げのパーセンテージをお渡しすることを要求されていません。

ですが、「やったー!売り上げが全部、自分達のところに入るー!」じゃなくて、そこは、コチラからあらためてキャストさんの事務所に伺って「オンライン配信チケットの売り上げのパーセンテージ」を受け取ってもらう交渉をするべきだと僕は考えています。
#そうすればキャストさんも一生宣伝してくれるし
#どちらにしてもプラス

製作費の回収なんて一番最後で良くて、大切なのは、関わってくださったキャストやスタッフを守り抜くこと。

それを続けていけば、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』は愛され、時代の才能が集まる作品になっていくでしょう。

大切なのは、「先方さんから要求されたわけでもないのに」で、これは、ミュージカル制作に限らず、どのチームでも同じことが言えます。

「主張されなかったら、僕の取り分が減らずに済んだ。ラッキー」としてしまうリーダーの元に才能が集まるハズがなく、才能が集まらなければ、お客さんは集まりません。

これ、意外とやりがちなので、一度、ご自身のチームの体制を見直してみてください。
ここは、僕も気をつけたいところです。

現場からは以上でーす。

【追伸】
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このnoteは2021年11月19日のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』への投稿をもとに作成しています。

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