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これまでの働き方にとらわれず、慌てず、淡々と、現時点での最善手を打つ

おはようございます。
 
その時の会話のノリで友人のLINEの名前を変えてしまうクセがあり、蜷川実花さんは『蜷』だし、田村Pは『馬』だし、山口トンボは『珍遊記(ちんゆうき)』なので、もう誰からLINEが届いたか分からなくなっているキングコング西野です。
#ちなみに僕の母の名前はドラミちゃん
 
さて。
今日は『これまでの働き方にとらわれず、慌てず、淡々と、現時点での最善手を打つ』というテーマでお話ししたいと思います。
 
今日の記事は“他社さんを含む”情報解禁前の内容が含まれているので、SNSで感想を発信する際は具体的な名前や日程は発信しないでくださーい。
#よろでーす
#感想は嬉しいぽよ
#ぽよ
 

ハロウィンの夜にやってきた

「兄はとても用心深いです。石橋を渡る前に、これでもかというくらいに何度もたたく。ほとんどは渡らない、でも、いったん渡ると決めたら、ダンプカーで渡る」

これは、起業家の孫泰蔵さんが、兄の孫正義さんの性格を説明された時の言葉です。
すっごく分かりやすくて、すっごい好きです。

石橋を渡るタイミングって本当に大事で、「何も持たない者」は、ぶっちゃけスピード勝負に出るしかない。
つまり、石橋の安全性が確認できる前に突っ込んでいかなくちゃいけない場面がある。
 
一方、
 
守るべきものがある多くの企業(ダンプカー)は、石橋の安全性が100%確認された後に、スタートを切る。
なので、たいした成果は出せません。
今なんて、“個人の売り上げ”に負けている中小企業はたくさんあります。
 
そんな中、
 
孫さんは、率先して石橋を叩いて叩いて、70%ぐらいの安全が確認できたタイミングで、ダンプカーでグワーと突っ込んでくるので、スピード勝負に出た個人が飲まれてしまう。
 
ちなみに、以下の文章はアパレルブランド『#FR2』を牽引する石川涼さんが2020年(去年!)の4月15日に投稿したツイートです。
 
「コロナ騒動になった瞬間に全ての店舗の家賃交渉に入ったけど交渉に応じてくれないとこはすぐ解約届け出してます。どちみち今の価格はおろか、安くなっても後から入るとこないですよ大家さん。
 
みんなことの重大さわかってるのかな。これ1.2ヵ月で済む問題じゃないんですよ。2.3年今の状態が続くこと想定出来てます?」(石川涼)
 
このツイートの直後、涼さんは本当に(秒速で!)各地の店舗を手放し、『移動販売』に切り替えて、そこから、とんでもねー売り上げを出すことになります。
 
孫さんも、涼さんも、やっていることが派手なので、僕らはついつい「破天荒型」として認識しちゃっていますが、実際のところ、まったく博打をしないんです。
 
『#FR2』でいうと、僕が知るかぎりでは、去年の3月頃の段階で、「コロナが向こう数年間おさまらないパターン」の打ち手を用意していました。
 
「博打」は絶対にしない。
かといって、「遅い仕事(多くの成功例が確認されてからのスタート)」もしない。
本当に強い戦い方(考え方)だなぁと、いつも勉強させてもろてます。
 
ところ変わってエンタメ畑(とくにイベント業界)では、多くの人間が、博打をするか、遅い仕事をしてしまいます。
 
コロナ禍におかれましては、「イベント開催時にはコロナが落ち着いてますように」と願うだけ願って、『コロナが落ちついてないパターン』を用意せず、イベント開催直前に「中止」「延期」「突貫工事のオンライン配信」を発表して、とんでもない赤字を背負う事故を各地で起こしています。
去年から数えると、かれこれ数千件ほど。
 
なので、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』のプロデューサー陣には「博打はせず、大きな勝負をしましょう」と常々言っており、今のうち(開催数ヵ月前)からチョコチョコと売り上げを作っています。
 
 
そんな中、昨日、『映画 えんとつ町のプペル』の全体会議がありました。
 
最近、このサロンに入られた方は初耳かもしれませんが、実は、今年のハロウィンシーズン(10月22日~31日)に、『映画 えんとつ町のプペル』を全国37館で、再上映します。
 
9月2日に発表します。
#絶対にナイショだよ
 
上映館数をグッと絞った理由は、今回のプロジェクトの目的が「プペルをハロウィンの恒例行事にする」の他に、「映画館を応援する」があるからです。
 
「全体の売り上げを考えるのなら、上映館数は多い方がいいけど、各映画館の売り上げを考えたら、上映館数を絞って、お客さんを集中させた方が良いよね」という判断です。
 
昨日の会議では、「今回の再上映をどう届けるか?誰に届けるか?」という話になったのですが、宣伝担当の木村さん(キコリ)が、「今回のターゲット層を明らかにしましょう」と切り出します。
 
「今回は【もう一度見たい人】【前回、見そびれた人】【世界的な評価をされた作品を見たい人】に届けて、【前回、コロナで外に出られなくて、見れなかった人】は、おそらく今回も『観に行かない』という判断をされると思うので諦めましょう」
 
すごく冷静に、淡々と、「諦めるポイント」をチームの皆に共有されていて、意固地にならず、「チームが負けない為にはどうすればいいか?」の方に話を持っていかれていて、本当に最高だなぁと思いました。
 
「無理なものは、無理!」という(笑)
 
できないことを共有した上で、お客さんを見放すわけではなく、「おうちで楽しんでいただく為には?」というテーマになり、そして『DVDの販売戦略』の話へと繋がります。
 
もともとは「コロナで映画館に足を運べなかった人にも届けたいよね」というところから立ち上がった企画でしたので、「それは今年も難しい」とピシャリと閉めるのは、なかなか簡単にはできることではありません。
 
「勝つために、今は退却しましょう」がスパッと言えるかどうかが、リーダー(経営者)の腕の見せ所で、「いいチームに巡り会えたなぁ」と、つくづく思い、このことをすぐにサロンメンバーの皆さんに共有しようと思いました。
 
皆さんのチーム(会社)はどうですか?
 
僕らは「今回のアタックでは落とせない城」をまず最初に全員で共有して、「次回のアタックに繋げる為の最善手と、この状況下で、今回の取り分を最大化する最善手は何だ?」という議論をしています。
 
個人的には、「前回も今回も、映画館に足を運べない子供達」にも『映画 えんとつ町のプペル』を届けてあげたいので、昨日の会議でもあがった「おうちでプペル」プロジェクトにも力を入れていこうと思っています。
 
 
そこで最後に一つ、僕からお願いがあるのですが…
 
毎月、国内外の子供達に絵本『えんとつ町のプペル』を贈る『えんとつ町のプペル こどもギフト』という活動があるのですが、どこか区切りの良い月に、「絵本」ではなくて「DVD」を贈らせていただきたいです。
 
(※グループの皆様にはあらためてご説明にあがります)
 
子供のうちに観ておいて欲しい映画だったりするので。
ちなみに、個人的にも、いろんな施設にDVDを寄付させていただきます。
 
ごらんのとおり、僕らは、いつも【第一希望】を力技で通しているわけではありません。
逃げる時は、全員で口裏を合わせて、一目散に逃げています(笑)
#逃げるという選択肢を用意して挑んでいます
 
そして、秒速で建て直しを図ります。
 
コロナ禍で、思うようにいかないことがほとんどだと思います。
計画を白紙にするのは勇気がいりますし、
追い込まれると「一か八か」をやりがちです。
 
ですが、
 
どうか選択肢の一つに『戦略的撤退』を入れておいて欲しいなぁと思って、今日は「僕もチョコチョコ逃げてますよ(笑)」という話をさせていただきました。
 
皆様の挑戦が明日も明後日も続くことを心よりお祈り申し上げます。
 
現場からは以上でーす。
 
【追伸】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。

 

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このnoteは2021年8月25日のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』への投稿をもとに作成しています。

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