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才能が集まるチームの作り方

おはようございます。
昨晩、『毎週キングコング』を撮ったらしいのですが、酔っ払って1秒も覚えてないキングコング西野です。
#こわい

さて。
今日は「才能が集まるチームの作り方」というテーマでお話ししたいと思います。

絶対にオンラインサロンでしか話せない内容なので、今日の記事は1年後も公開しないでくださーい。

才能が集まる場所、才能が集まらない場所


ここから先の話はマジでナイショです。

一昨日、新作歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』の会議がありました。
海老蔵さんや松竹さん、そして、演出チーム…といったコアメンバーが参加した会議です。

あらためて、今回の企画の僕のポジションをお伝えすると「原作・脚本・プペルのビジュアルデザイン」です。

書き上げた脚本は演出チームによって「歌舞伎化(歌舞伎言葉化)」されるわけですが、今回はそこで「ストーリーが半分ほど書き換えられる」という事件(?)がありました。

ストーリーを書き換えちゃったのは、歌舞伎会では知る人ぞ知る大御所さんなのですが、そんな乱暴な仕事を西野が許すはずありません。

西野は「あなたは何のプロなのですか?」と言及します。
要するに、「歌舞伎言葉に直すことで結果を出してきた人なのか?」それとも「オリジナルストーリーでお客さんを感動させてきた人なのか?」という問いです。

大御所の方が書かれたオリジナルストーリーは、起承転結が完全に破綻していて、お客さんの感情のデザインもまったくされていません。

思うところは山ほどありますが、僕も大人ですし(たぶん!)、なにより海老蔵さんを応援したいので、ここで匙を投げたりせず、なんとか成立させる方向に矢印を向け、そんなこんなでコアメンバーを集めての会議が開かれました。

今回の魔改造に対して抱いた疑問は、「『歌舞伎化』の名の下、魔改造が(本人の許諾無しに)に当たり前におこなわれている」ということ。

これだと、優秀なクリエイターは歌舞伎には集まりません。
グチャグチャに荒らされた仕事が、自分の仕事として世に出てしまうわけですから。

ぶっちゃけ、この体制だと僕も、友達のクリエイター(超優秀!)をプロジェクトメンバーに誘うことかできません。
友達の名前(信用)に傷がつくからです。

これが当たり前になっているのは全然健康的じゃないと思ったので、会議を始める前に、歌舞伎界の大御所の方や演出家さんに「今回、あなた方がやったことはルール違反であり、クリエイターの信用を著しく傷つける最低なお仕事だと思います。金輪際辞めてください。でないと、僕もご協力できなくなるので。…以上で言いたいことは全部言ったので、ここからはスッパリ忘れて、一緒に面白いものを作りましょう」という話をさせていただきました。

こういうことを言うと、「それが言えるってスゴイ!」という話になりがちですが、これは僕が歌舞伎で食っている人間じゃないので(歌舞伎界か永久追放されても生活には困らない人間ではないので)言えるだけの話で、すごくも何ともないです。

ここで寄り添ってあげなきゃいけないのは、この先、歌舞伎に携わることになる「立場的に声をあげられないクリエイター(※歌舞伎ルールに泣き寝入りするしかないクリエイター)」です。

ここでイエローカードを出しておかないと、彼ら(未来のクリエイター達)が涙するのは火を見るより明らかで、それはさすがに看過できません。

海老蔵さんとは毎日のようにお話しさせていただいているのですが、いつも僕は「優秀なブレーン(クリエイター)を集めましょう」と言います。

その為には、優秀なクリエイターが集まってくるような場所作りが必要で、クリエイターの名前(信用)に傷をつけてしまうような場所には、「仕事を断ることができないクリエイター」しか集まりません。

さて。

これは歌舞伎業界だけの話かと言うと、全然そんなことなくて、一般企業でも、「デザイナーがあげてきたデザインに、デザインセンスのない社長がメスを入れる」は普通にあります。

そして、デザインセンスのない社長がメスを入れたデザインが、自分(デザイナー)の仕事として世に出回ってしまう。

当然、これを当たり前にやってしまう社長(会社)には、優秀なデザイナーは集まってきません。

ただ、これって、ものすごく難しい問題で、「プロのデザイナーが毎回最初から100点を叩き出すか?」というと、そんなことはなくて、「何度もNOを出して、何度も壁打ちした末に最高のデザインがあがってくる」ということもあります。

なので、リーダー(社長)が意識しておかなきゃいけないのは、「自分の魔改造によってクリエイターの信用を著しく傷つける」ということと、「かといって、何も言わなかったら、クリエイターのオナニーに走られてしまう危険性がある」ということ。
そして、「クリエイターの仕事にNOを出すセンス&知識」だと思います。

一度、優秀なクリエイター目線に立って、「自分のチーム(会社)に参加したいか?」を考えてみてください。
今、現在、優秀なクリエイター(スタッフ)が集まっていない原因が明らかになると思います。

現場からは以上でーす。

【追伸】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けてTwitter(本アカ)で呟いていただけると、西野がネコのようになついて、フォローさせていただく場合がありますので、感想よろ!

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このnoteは2021年12月4日のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』への投稿をもとに作成しています。

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