見出し画像

「寒いから」着物選びは工夫と遊び心

大寒の候となりました。

一年で最も寒い時期の到来です。

今回は伊藤仁美から冬の寒さしのぎについて。

「新しく買い揃える必要はなく、三ヶ所を冷やさないようにすればいいだけなんです」

明日から試せる防寒対策、ご紹介いたします。

「着物用にと新しく買い揃える必要はないと思います。私もインナーにはユニクロのヒートテックのシャツとスパッツを身に着けています。シャツは衣紋から見えないよう襟足がすっきりしているタイプを。またスパッツは七分丈なら階段の上り下りなどで見えることはありません。十分丈なら少し折って短めにすればいいと思います」

「そして首、手首、足首。洋服と同様、この“三つの首”を隠すことが寒さをしのぐ鍵になります。まずは首。カジュアルな装いの時は洋装のコートをうまく利用しています」

「ここでのポイントは、せっかくきれいに抜いた衣紋を崩さないこと。そのためには軽い素材を選ぶことが重要になってきます。ここではメンズサイズで柔らかなモヘア素材のコートを着ています。少し大きめのサイズだと着物でも無理なく着られるんです。そしてもっと寒い日はカシミアの柔らかいストールも合わせます。これで衣紋を気にする事なく首をすっぽりと隠して寒さをしのぐことができるんです」

「次に手首です。袂から風が入ってくるととても寒いですよね。ロンググローブでしのぎましょう。最後は足首。冬はブーツを合わせるのも一つです。その際に大切なのは着丈。ブーツが見えるほど潔く短めに着ると、とてもバランス良く見えます。ブーツは足首が隠れるため防寒になる上に、雨の日の強い味方にもなってくれます。雨の日はきものや足袋、草履の汚れを気にしてしまいますよね。でもブーツを履き、着丈を短く着ることで、不安要素はスッと消えてくれるのです」

短めに着るということは、母からもらった着丈の短い着物が着られるかもしれません。

「ただしこれはカジュアルに着物を着る場合に限ります。そしてこうした遊び心ある着こなしは、光沢感のある大島紬が似合うなと思います」

「着物でお出かけをする日は、だいぶ前から計画していることだと思います。その日を心待ちにしていたのに、天気のせいで諦めるなんてもったい無いですよね。寒い日も雨の日も工夫次第で楽しめると思います」


text by Eri Sasamoto

いいなと思ったら応援しよう!

enso Japan
サポートは動画製作費等で遣わせていただきます。持続可能なプロジェクト支援としてサポートいただけたら幸いです。