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生きとし生けるものと共にある喜び。

爽やかな良い季節になりました。

今年のゴールデンウィークは比較的お天気に
恵まれていますが、朝晩かなり肌寒いですね。

高野山への人出もなかなか増えてきたようです。
以前お話しした通り、3日には春季庭儀結縁潅頂三摩耶戒が
行われました。

少しずつでも、できることが増えてきたのは嬉しいことです。

今日も日々のおつとめをしておりましたら、
なんとなく脳裏に綺麗な緑色の山の風景が浮かんできました。

一切衆生の中に龍が入る、というお話をしたことがありますけども。

一切衆生というのは生きとし生けるもの全てのこと。

慣用的に用いる場合は一切衆生≒人間と考えていいのですが
特に大乗仏教では人間以外の動物や
天、龍、夜叉などの超自然的な生き物も含んだ
生きているもの全てを指す場合も多いです。

生きているもの全てといっても植物は入らないとされています。
植物は環境を形成するものである、という考え方なのですね。

一切衆生≒一切有情、つまり意識のあるものと考えたら
だいたい合ってるかな。

私たちが今生きているこの人間世界のことを
閻浮堤(えんぶだい)とか南贍部洲(なんせんぶしゅう)と呼びます。

仏教的世界観の中で、須弥山を中心とする世界の中の
南側に当たる三角形の大陸が人間の住む世界であるとされていて、
その大陸の名前が閻浮堤とか贍部洲という名前です。
須弥山の南にあるので南贍部洲ということ。

この世界の中で、人間と一緒に
動物や天、龍、夜叉、鬼、餓鬼などという生き物も
一緒に生きています。
この世界は人間だけのものではなく、
たくさんの生き物が共に生きています。

仏教では確かに、生きることは苦であると教えます。

ですが、私たちが生きているうちには
苦しいことばかりではなく、
喜びに満ちて美しく幸せなこともあります。

喜ぶこと、美しいこと、幸せなことが
意味がないというわけではなく、
それが手に入らないことを嘆いたり
手に入ったら失いたくないと握りしめたり
そういうことが執着となり煩悩となって
私たちを苦しめるのだということ。

世界は美しく、生きるものは生命の喜びを歌います。

世界の美しさを楽しむことも
生きることの喜びを感じることも
悪いことではありません。

もし悪いことなら、どうしてこの世界は
こんなに生き生きとして美しい自然を持ち、
どうしてこんなに人や他の生き物と触れ合ったり
いろんな経験をすることが
嬉しかったり楽しかったりするのでしょう?

喜びは喜びとして
悲しみは悲しみとして
美しいものは美しいものとして
そうでないものはそうでないものとして
受け取る時は受け取り、
手放す時は手放す。

伸びやかにあるがままにそのようにいられたら、
そしてその全てをそのままに見て知ることができたなら
即身成仏というものもどういうことなのか
だんだんわかってくるのかもしれません。

そして、その道は自分一人でなく皆で行く道だということ、
それは喜ばしい道なのだということを
いつも覚えておきたいと思うのです。

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毎月24日はお地蔵さまのご縁日。
この日に小さな法要を営み、

生きとし生けるあらゆるものへの祝福
この世界にあるあらゆる諸霊へのご供養
全ての大地から生まれるあらゆるものへの感謝

をお祈りいたします。
お地蔵さまへのお願い受け付けてます。
締め切りは5月20日です。

宗派宗教にかかわらずお申し込みいただけます。

お問い合わせ、お申し込みは下記アドレスまで。
enshu0615*gmail.com (*を@に置き換えてください)

折り返し申し込み要項をお送りします。
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