見出し画像

梵字の世界。

先日講習会に出かけてきました。

いろんなことを習ったり教えていただいたり
伝授していただいたりする機会を作るのも
大事なことなのです。

今回は梵字の講習会。
お習字と一緒で、一つ一つ先生に朱を入れていただきます。

お坊さんといえば字が上手とか
こういう梵字をすらすら書ける
と思っておられると思いますが(笑)

誰でもそうですけど、最初から上手な訳ではなくて
けっこう練習しますよ。

慣れと訓練はどのような時も大事です。

梵字はサンスクリット語を表記する文字ですが
梵字は歴史的には悉曇文字のことを指すことが多く、
仏教の伝来とともに日本に伝わってきて
仏教の聖なる文字として重んじられるようになりました。

お塔婆やお経本、石碑などに書かれているのを
ご覧になったことがあるでしょう。

ちなみに悉曇(しったん)はシッダマートリカーの音写。
「完成したもの」「成就したもの」という意味があるそうです。

真言や陀羅尼といった、翻訳せずに音をそのまま使うものなどは
特にこの梵字で書かれることも多いです。

密教ではもちろん、いつも言ってますけども(笑)
この文字も伝授して授かることが前提。
悉曇灌頂というものもあったりしますよ。

現代のインドでサンスクリット語の表記に使われているのは
デーヴァナーガリーと呼ばれるもの。
仏教で使われている梵字よりはかなり後世になって
成立しました。

仏さまの本質を示す種字について何度か書いたことがありますけども。

仏さまの本質を一字で表すことができる優れた文字、
と考えられていたということです。

また、仏さまの世界やさとりの境地を表す曼荼羅の中には
いろんな種類がありますが、
曼荼羅に描かれる仏さまをお姿ではなく種字で描いた
種字曼荼羅というものもあります。

ですので、梵字を書くときには身を清めて衣を整え、
清らかな道具を揃えて書き、
書き損じたものもおろそかには扱わないように、
と教えられます。

昔は本を地べたに置いたり、
またいだり踏んだりしてはいけない、
と叱られたりしたものです。
こういう経験のある人は最近はだいぶ
少数派になってるんでしょうけど(笑)

昔の日本人も、書かれた文字や本を大事にしていました。
昔は写本でしたから、その本の著者がそれを著しただけではなく、
写してくれた人がいたので手元にそれが届いて
ようやく読むことができました。
あるいは本を借りて自分で写したりしたのですね。

ですので、本は貴重なもの。
そういう人の思いや労力に対して尊重や感謝を持つということを、
昔の人たちは普通に行っていたわけです。

日本人の言霊信仰のうえにこのような意識があって
書物や文字を大切にしていたのでしょう。

梵字やお経の書かれた本を大切にする意識も
ごく自然に受け継がれました。

宗教的に聖なるものだからというだけではなく、
人の手から手へと渡されてきたものに対する思いも
繊細に受け取るという心情はたいそう美しいもののように思います。

先人のそういう心の態度は見習っていきたいものです。

ところで、巳の月の特別弁天祈願でお出しする護符にも
この梵字を書きますよ☺️

お申し込み締め切りは12日午前11時です。

*********************

毎月24日はお地蔵さまのご縁日。
この日に法要を営み、

生きとし生けるあらゆるものへの祝福
この世界にあるあらゆる諸霊へのご供養
全ての大地から生まれるあらゆるものへの感謝
をお祈りいたします。

お地蔵さまへのお願い受け付けてます。
締め切りは5月20日です。

宗派宗教にかかわらずお申し込みいただけます。

お問い合わせ、お申し込みは下記アドレスまで。
enshu0615*gmail.com (*を@に置き換えてください)

折り返し申し込み要項をお送りします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?