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十三仏さま。

今日から三月。

今日は久しぶりの雨でした。
一雨ごとに暖かくなるといいます。
これからだんだん春らしくなってきますね。
楽しみです。

今月はお彼岸のある月でもあります。
お盆と並んでご供養に心が向かう時かも知れません。

先日のお不動さまの無料祈願の時にコメントいただいたのですが
そういえば十三仏さまについて書いてなかったなーと。

十三仏さまとは初七日から三十三回忌までの
追善供養のご本尊。

平安後期から室町時代の間ごろに
道教の十王信仰と関連して日本で考案されたということです。

亡くなられた人は向こうの世界に行って
次々といろんな仏さまと出会うことで修行して
最終的に成仏の状態になるのですが、
その節目節目にお会いになるのがこの仏さま方。

十王信仰と関係があるのですから
この節目節目で審査というか裁判があると
考えられていたということ。

なので、その時に少しでも亡くなられた方が
すんなりとよい状態で通り抜けて、
良いところに早く行けるようにと
こちらの世界でも年忌の追善供養をして
援護射撃?というか応援をするのですね。

年忌供養が大事というのはこういう信仰からも
きています。

初七日 お不動さま
二七日 お釈迦さま
三七日 文殊菩薩
四七日 普賢菩薩
五七日 地蔵菩薩
六七日 弥勒菩薩
七七日(四十九日) 薬師如来
百カ日 観音菩薩
一回忌 勢至菩薩
三回忌 阿弥陀さま
七回忌 阿閦如来
十三回忌 大日如来
三十三回忌 虚空蔵菩薩
とされています。

日常勤行次第にもご真言が入っているので
ご存じの方も多いと思います。

真言宗ではさらに
十三回忌 金剛界大日如来
十七回忌 胎蔵界大日如来
二十三回忌 般若菩薩
二十五回忌 愛染明王
二十七回忌 金剛界大日如来
五十回忌 愛染明王
百回忌 五秘密尊
となっています。

地獄の裁判官というと閻魔さまを思い出しますが
閻魔さまは五七日の審理の担当。

お地蔵さまは閻魔さまの本地とされているのですが
どうもこのあたりから定着したようです。

仏さまは裁判するわけではなく、
次の世界に行くまでの間亡くなった方を
守りつつ教えを説いて導いてくださいます。

それぞれの仏さまのところを巡って
それぞれの段階の教えを受け、
未練や執着を払い
仏さまの弟子として成仏することを目指します。

ですが、宗派によって別の考え方もあります。
例えば浄土真宗では亡くなられた方はお葬式が終わると
すぐさま阿弥陀さまの本願によってお浄土に行く
とされていたりしますよ。

浄土宗は浄土真宗よりは追善供養を大切にするそうですが
十三仏よりもやはり阿弥陀さまを拝むのが中心だそうです。

どちらの方法がいいかはその人それぞれですね。

四十九日に亡き方がさらに成仏するために
仏さまの世界に入られるか、
生前の行いによって新たな輪廻に入るかというのが
決まるとされています。

ですので、四十九日までの間は七日ごとにご供養を
行って、できるだけ良いところへ向かわれるよう
祈るわけです。

これは現世的には残された方のグリーフケアという面も
もちろんあります。
お坊さんに来ていただいてお経をお唱えしていただき
故人のお話をしたり仏さまのお話を聞いたりして
悲しい気持ちを表現したり受け止めたりする機会を
作っているのですね。

でも、四十九日までの色々な行事をしていると
気が張っていますし気が紛れるので
そこまで悲しさを感じなかったりします。

満中陰の法事が終わって弔問の方もまばらになった頃
改めて悲しみが込み上げて苦しくなることもあるでしょう。

ご家族やご親族、ご友人などと悲しみを共有して
悲しみ尽くすことができればいいのですが、
それも難しい場合は一人でその思いを抱えてしまうことも
あるかも知れません。

そういった時、この十三人の仏さまは
亡くなられた方だけではなく、こちらに残って
日々生きていかなくてはならない人たちにも
その慈悲の力と智慧の光を与えてくださるでしょう。

お不動さまがそうであるように、
どの仏さまもその方のお名前を呼んで祈った方を
放っておくことはありません。

十三仏さまの中から心惹かれる仏さまに
おすがりしてみるのもいいかも知れません。

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