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星はなんでも知っている?

なんだか寒い日々が続きます。
それでも寒空の中福笹を授かりに行ってきました。
壁に飾ってみたら大きい!派手!
なんかすごく縁起がいい感じで楽しいです。
隣にある神棚より大きいやん…。

生まれて初めて買ったのでテンション上がっています。

1月11日は恵比須さんのお祭りの次の日で残り福。
甲子の初大黒。
一粒万倍日、天赦日も重なってたようです。
なかなかな吉日だったようですね。

仏教では日取りや日の吉凶は重視しないのですが
密教では法会などの吉日を選ぶのに宿曜経を使うこともあります。

宿曜占星術という名前で占いとして使われています。
宿曜経は正式名称を『文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経』
といって不空三蔵訳とされているのですが、実は中国で選述された
ものではないかと言われています。

もともと仏教では占いの類いは用いてはならないというのが
お釈迦さまの教え。
でも時代が降ると呪いや占いのようなものも取り入れられるように
なってきました。
大乗仏教、中でも特に密教はわりとそういうものに寛容。
むしろ積極的に取り込むことで拡大を図ったといえるでしょう。

宿曜占星術は簡単にいうと月星座を重視する占い。
月の通り道である白道を27あるいは28に分割して
生まれた時に月がある場所を「宿」とし
それによって吉凶や相性を判断するものです。

2月の節分などに密教系の寺院では星まつりが行われますが
生まれた時の星(本命星)やその年に巡ってくる星(当年星)を
供養することで除災招福を祈るものです。

本来的には天皇陛下の本命星と当年星を供養する修法を行なって
国家鎮護と天下安泰を祈るもので、昔は国家行事として行われていました。

こういう占いは古来は為政者のためのコンサルツールとして
使われていたものなので、国を左右するわけでもない個人の
占いとしては少々使いにくいところもあります。

宿曜経の象意はなかなかにネガティブなものが多く、
それを打開するために僧侶の祈祷が必要とされていることからも
推測できるかと思います。

逆にいえば僧侶の祈祷で運気が転換できるのですから
なかなかポジティブな占いということもできるかもしれません。

以前書きましたけど、星の災いを除くことができる仏さまが
いらっしゃいます。

愛染明王以外にも、七星如意輪にもそのお働きがありますよ。

人の運というものも努力だけでは如何ともし難いものの一つです。
人はままならない運気の良し悪しを星が司るものと考えて
その星の動きを分析したり、星に祈ったり星を供養したりすることで
あらかじめ運気の流れを知り、望ましい方に導こうとしました。

お釈迦さまが占いを禁じたのはなぜか、というのは
いろいろな説明があるのですが
「自らを拠り所にすることを忘れさせるから」
ではないかと思います。

仏法を学び苦の世界を離れ
如実に自心を知ることに努めて
自分の本質が仏であるということに気づきたいのに
占いの前提はこの世界に居続けること、
自分ではない他のものの影響の中で生きていること。

しかし、そのことを心に留めておいて
占いによって得られたものをもさとりの智慧を完成させるために
使えるなら。

それが「方便」というものであり
ゴールを見誤らなければどのルートを通ってそこへ
行ってもいいのだと思うのです。

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