行住座臥。
お坊さんは立ち居振る舞いが美しい方がもちろん良いのですが、
これもいろんな訓練の賜物。
学生時代茶道部だった経験が今もけっこう役に立っていますけど、
実は茶道とお坊さんの作法には少し違う部分もあって、
友達の大学生阿闍梨にこっそり「それお茶の作法ですよ…」
と囁いて直してもらったりしてます。
でも、そう言って教えてもらえるのは本当にありがたいです。
持つべきものは頼りになる先輩ですね!随分年下ですけど。
僧侶になった時に「四威儀」ということを教わるのですが、
これは「行・住・座・臥」の動作を行なっているときに
守るべき戒律に基づいた作法です。
具体的には衣のつけ方や歩き方、座り方をはじめとする所作を習ったり、
特定の行動を行う時にお唱えする偈文を覚えたりするのですが、
これは一つ一つの行動をする時にそれを意識的に行うよう
習慣づけられているといえます。
具体的には、
まず目が覚めた時
お布団を片付ける時
顔を洗う時
手を洗う時
歯を磨く時
口をすすぐ時
顔を洗う時
目を洗う時
下着を着る時
衣を着ける時
袈裟を着ける時
トイレに入る時
浴室に入る時
身体を洗う時
眠りにつく時
にそれぞれお唱えする偈文があり、
場合によっては印を結んで真言をお唱えしたりもします。
偈文の内容は、その行為をする時、
自分だけでなく衆生も共にそれを行って
心身清浄になったり、仏法が身につくように、と
祈る内容。
お寺によっては、洗面所やお手洗いにこの偈文が
表示してあるところもあるので、見たことがある方も
いらっしゃるかも。
例えばトイレを使う時は
「大小便時 当願衆生 蠲除煩悩 滅除罪法」
という偈文を唱えてから使います。
用を足す時も衆生が煩悩を洗い流して
罪を除くことを願うわけです。
また、食事の時、お堂に入ってこれからおつとめを
する時など、それぞれにその時用いるべき作法があります。
普通に生活している時から細かく言葉や行うことを意識にあげる、
これは一種のヴィパッサナー瞑想。
そして、何かを行うたびに仏法に乗っ取って
衆生が良い状態になることを願います。
常にこういうことを行い続けているのが僧侶。
これはもちろん、常に衆生を救うために思惟している
仏さまのありようにならっているということ。
もちろん在家の人でも、出家の修行者ほど
事細かに作法に従う必要はありませんが、
そのエッセンスを日常に取り入れることは悪いことではありません。
ご飯を食べる前にいただきますと手を合わせるように、
身の回りのいろんなものごとに感謝し、他の人たちの
幸せを祈ることは、ご自身の心の安らぎにもつながる良い習慣です。
ご飯が食べられたり、快適な布団で休めたり、
清潔なトイレがあったり、暖かいお風呂でくつろげたり。
そういうことは実は当たり前にあるものではない、ということに
気づけること。
「当たり前」の反義語は「ありがたい」だと言われます。
すでにあるものに対して「ありがたい」と思い続けることは
確かに難しいのですが、失わないとそのことに気づけない、と
いうのでは智慧ある人の態度とはいえません。
そういうことに思いを致すこと、そしてそれを
他の人たちのためにも願うこと。
この習慣を身につけることによって、
そのような良い状態が「当たり前」になるようにしていきましょう。
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毎月24日はお地蔵さまのご縁日。
この日に小さな法要を営み、
生きとし生けるあらゆるものへの祝福
この世界にあるあらゆる諸霊へのご供養
全ての大地から生まれるあらゆるものへの感謝
をお祈りいたします。
お地蔵さまへのお願い受け付けてます。
締め切りは6月20日です。
宗派宗教にかかわらずお申し込みいただけます。
お問い合わせ、お申し込みは下記アドレスまで。
enshu0615*gmail.com (*を@に置き換えてください)
折り返し申し込み要項をお送りします。
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