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死ぬ瞬間に何を考えるか。

先日奈良に行って鹿と親しんだりしましたけど、
そういえば宮島にも鹿いましたね。
高野山でも時々鹿に出くわすことはありますが、
奈良や宮島ほど近くまで接近されたことはないです。

鹿は鹿島神宮や春日大社のご神使。
お釈迦さまは前世鹿の王だったことがあり、むやみに鹿を取って
食べないよう人間の王さまと話し合ったというエピソードがあります。
また、お釈迦さまが最初に説法したのは鹿野苑という場所で、
鹿がたくさん住んでいたそうです。

飢えて食べ物を食べたい、という思いに埋め尽くされて
亡くなると餓鬼の境涯に入ってしまうというお話をしましたが。

実は亡くなる瞬間に何を考えるかというのは
とても大切です。
その時の状態によって次の世界に行く道が決まるからです。

人が亡くなる直前に「臨終心路」という意識過程が発生する
とされています。

この時意識されるものは生きている時に体験しているのと
同じような現実感を持っているためそれにのめり込んでしまい、
その情報が次の生涯を決めるものとして
次の人生の始まりをもたらす心に転送されると考えられています。

前世療法でも、前回の人生の最後の瞬間に決意したことが
次の人生を決める重要な決断になるという考え方があり、
その時に何を思ったか聞き取ることを行ったりします。

スピリチュアリズムにおいては、輪廻の主体は魂で
輪廻してもこの本質は変わらないというのが主流の考え方。

キリスト教においては、公式には輪廻の考え方はありませんが
魂の不滅については強く信じられています。

仏教においては、輪廻の主体としての魂はないけれども
業の結果として現れる深い無意識の部分で生存を支える
心が存在し、輪廻の情報が受け渡されて継続すると考えられています。

どの考え方でも、なんらかの情報が生死を越えて受け渡される
とされているのは同じです。

心理学においては、幼児期の様々な体験によって感じた感情から
生きて行くために行った決断が、その後の人生の行動や思考に
大きく影響するという考え方がありますが、
これはその決断が人生の初期に行われるため
ほぼ無意識の深いところに埋め込まれることになるから。
決断した本人もそれを忘れています。

なぜか陥ってしまう行動パターンや思考パターンはこの時に
作られていたことが多いとされています。

前世での体験や感情が今世にも影響しているとしたら、
それは幼児決断よりもさらに深い意識の層に蓄積されていて
アクセスするのはより難しく、修正するのもより困難です。

ヒプノセラピーで対処することはできますが、
そういう機会を誰でも持てるわけではありません。

しかし、問題が起こってから対処するよりも
あらかじめ起こらないようにすることの方が
実はコストもリスクも低いわけで。

だとしたら、死ぬ瞬間に望ましい心理状況でいることが
できるように工夫するのはけっこういい考え方。
受け渡す情報はなるべくいいものにしておきたいです。

死を迎えようとする時をなるべく居心地よく過ごすことができるよう
環境を整えたり、心残りのないようにいろんなことに対処したり、
今からでも工夫できることはあります。

そして一番望ましいことは、どんな時であっても
心が平穏であれるようになっておくこと。

人生を十分に味わい尽くすことによってそうなるもよし。
瞑想や修行によって自力でなるもよし。
神仏に対する信仰によってなるもよし。

ただ、いきなりそこへ行くのはやっぱりちょっとムリなんで、
いつからでもそういうことに近づいて行くと意識するのは
とりあえずオススメしておきたいと思います。

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