ホラー映画の主人公が投資に強いと思う理由
投資は心理ゲームです。”損をしたくない” と怖がる人に限って損をします。逆に "損をするかも" と恐怖を受け入れ、投資リスクを適切に処置できる人が投資に勝利できます。
ホラー映画も同じです。殺人鬼や悪魔の圧倒的な脅威に最初はどれだけ慄きつつも、主人公はいずれ恐怖を克服し、悪に立ち向かい生き残るというのが定番ストーリです。
投資とホラー映画を司る共通する成功法則は
投資とホラー映画に共通する成功法則は ”恐怖を克服する力” を持つことです。恐怖におののき決断を誤ると、大失敗が待ち受けます。
投資の失敗例です。
リーマンショックの不況時に株で損をした話はよく聞きます。
100万円を投資して株を持っていたが、来る日も来る日もぐんぐんと値を下げ、70万円を切ると友人は「もっと損失が膨らむ」と怖さに耐えきれず売却しました。恐怖を克服し持ち続けていればいずれ経済回復で株価は戻る。でも目減りする資産の恐怖から70万で売り損失を出したと。
ホラー映画での犠牲者あるある展開です。
殺人鬼や悪魔の超人的な支配力から逃げようとする脇役。「こんなところにいたくない、俺は帰る」と逃げ出すマッチョで最強そうなボブは処刑され、ボブにべったり子分のジャックは道ずれ。それをみて恐怖のあまり腰を抜かして動けないケイシーに魔の手が及ぶ。
恐怖に耐えられなければ投資もホラー映画も損失や報いを受けるのです。
ホラー映画の冒頭で脇役が次々処刑されるのは、 ”恐怖から逃れられないぞ” という心理的拘束を監督が観客に植え付ける狙いであって、脇役は監督の犠牲者ですね(ww)。*個人的見解を示すもので、映画批判ではないのでホラー好きの方ご了承ください。
では、投資において恐怖心を克服するにはどうしたらよいか?
ホラー映画のストーリとも関連させつつ、投資経験のステージ(初心者→経験者→上級者)ごとにまとめてみます。
投資初心者の成功法則 -知識と判断力
投資経験のない初心者はまず最低限の投資の原理や知識を持つことです。
資本主義経済の投資では「リスクを取るからこそリターンがある」という原理を理解することです。つまり、ノーリスク、ハイリターンはありません。
絶対に損をしたくない、と恐怖心を持ちながら、(投資・副業・起業)x(絶対に儲かる)の組み合わせ等で検索する限り、怪しい情報ばかりに出くわします。
”誰でも簡単に儲かる”という怪しい記事をみて「自分は特別だから大丈夫」と過信してクリックすると、ホラー映画のマッチョなボブと同じ運命で人生退場です。投資の煽り記事ばかりから ”投資は怖い” と怖気づくケイシーはいつまでも投資を始められません。ボブの子分のジャックは恐怖を前に思考停止し、金融機関の言いなりで商品を買ってしまうタイプです。
では投資初心者が ”損を恐れる気持ち" を適切に対処するにはどうすべきか?
僕が考えるのは、
①投資の基礎知識(投資と投機の違い、リスク、投資の種類と特徴等)の最小限の知識をつける
②小額投資、積立投資、長期投資など、自分の貯蓄に負担がない方法などで始める。
以前の記事で投資への恐怖心を克服するエピソードも掲載しましたので参考にどうぞ。
投資経験者の成功法則 -”恐いvs儲けたい”のバランス維持力
投資に慣れ多少の損失を出しながらも儲けを出す経験者は新たな次元に入ります。より儲けたいという欲のため、より大きな損失リスクに遭遇します。 ”怖いvs儲けたい” の葛藤のなかで冷静な判断をし続けることが必要です。
ホラー映画の中盤、殺人鬼や悪魔から距離を取れてほっとした脇役たちは意見が分かれます。主人公のナンシーは悪役につかまり命の危機があります。彼女を「助けに行こう」という恋人のトム。それに対して「早く安全なところに脱出し助けを呼ぼう」と言う脇役たち。その脇役たちが逃げる道中で悪の手により始末されてしまいます。
脇役たちからの教訓は何か?
鉄砲やら斧やら身を守る武器を手に入れ強気になってしまい無謀な脱走を試みた。投資で「きっと勝てる」と過信し資金以上の投資をするレバレッジと同じです。冷静さを欠いた判断が投資全額を失うことにも繋がります。
経験を積むと、欲に目がくらんだりこれ以上の損をしたくないと、”恐怖心と儲けたい欲”のバランスを崩し、非合理的な判断をしがちです。
そのために気付けるべきことは?それは、
①欲を抑えリスク許容度の範囲で投資する
*最大損失を想定し受け入れる(=受け入れられる損失の投資をする)
*リスク許容度を上げる(無駄な節約から投資に資金を回す)
*中長期投資・出口の展望を持つ(出口までは期間中変動を気にしない)
②冷静で合理的な判断をする
*これはプロスペクト理論として後述
③失敗は授業料と考えて経験値にしていく(と割り切る)
*最後は腹を括る、ってことです!
リスク許容度を明確にして上手な資産運用に至る記事があります。
投資の成功法則のかなめ -合理的判断とプロスペクト理論
行動経済学にプロスペクト理論があります。プロスペクト(Prospect)とは見通しや期待という意味です。ここでは”不確実性の高い状況において、ある選択から生じる損得が明確であっても、合理的な意思決定ができないことがある、というものです。
クイズでやってみましょう。
例えば2つの選択肢で、あなたはどちらを選びますか?
(質問1)
A:何もせずに100万円を受け取れる
B:コインを投げて表が出たら200万円受け取れるが裏が出たら何も貰えない
この質問では多くの人がA(確実に受取れる100万円)を選びます。
一方、現時点で200万円の借金を抱えているという前提で、次の2つの選択肢がある場合はどちらを選びますか?
(質問2)
A:何もせずに100万円の借金が免除され借金残高は100万円となる
B:コインを投げて表が出たら200万円の借金が免除されるが裏が出たら何も受け取れない
質問2では多くの人がBを選択します。
質問1も2も全て得られる期待値は100万円です。しかし「借金を抱えている」という前提がついたとたん、質問2でギャンブルに出ることを選択します。得と損という状態下で、人は非対称な意思決定をしています。
プロスペクト理論の解釈では、”人は得している場面では安定志向だが、損している場面ではリスク志向になる”と示唆しています。
ホラー映画の脇役たちは恐怖下でリスク志向になり、鉄砲やら斧やらで身を守ることができないとわかっていても無茶をして脱出を試みるという行動の説明になります。本当にそれで良いのか?と考える冷静な目が必要です。
投資上級者の成功法則 ー投資で達観するために必要な ”視座” とは?
ホラー映画では、悪役に反撃を加えて安全地帯に逃げ込んだ主人公のナンシーと彼氏のトム。そこで油断し、なぜか愛を確かめ合っている。不死身の悪役が復活して戻ってくると、トムはナンシーを助けるために悪役に挑み敗れる。ナンシーは唯一の生存者となって脱出する。
投資に当てはめると、儲かったお金を利確もせずに喜んでいる間に投資資金が溶けるのと同じですね。
皆さんはトムとナンシーの2人が生き残るために何が必要と思いますか?
いちゃいちゃしてる間に危ない屋敷からとっとと脱出しろ(つまり売り払って利益確定しろ)という意見は多いと思います。
その通りだと思います。
観客として映画をみていれば迫りくる恐怖を察知でき「いちゃついていないで早く逃げろ!」と声をかけたくなります。
しかしトムもナンシーは死が迫っていると理解していません。
ここに投資、起業、ビジネスを成功させる本質があります。
上級者となるには、映画でいうところの”観客席から眺められる”ということだと思っています。
それは、観る場所(座)が違う、つまり「視座を広げる」ことです。
視座を広げるとは -視野、視点との違い
視座と似た言葉で”視野”と”視点”があります。このホラー映画の状況に合わせて解くと分かり易いと思います。
トムやナンシーがいちゃいちゃしながらも近づく悪者の存在を察知できるように ”広い視野をもって警戒” していれば助かったかもしれません。
あるいはトムやナンシーが「もう安全だ」という目線ではなく「まだ危険があるかも」といった「警戒する視点」を持っていたら、とっとと逃げて助かっていたかもしません。
視野も視点も、実演当事者のトムとナンシー側のアクションです。
視座は観客側の見方であって、視野や視点とは根本的に違います。
市場や経済は、将来の値動きや成長を予想することは不可能です。
ファンダメンタル分析は願望と表裏一体ですし、テクニカル分析は過去の傾向対策でしかありません。
もし観客席から俯瞰的に物事を観ることができれば、投資に限らず、起業、ビジネスのあらゆることで有利となります。
そのスーパーパワーの根源が、僕が意識している視座です。
言い換えると、「投資、起業、ビジネスで挑戦するときに生じる恐怖から解放され、120%を出し切るための達観したものの見方」だと思っています。
その先にある経済的な自由も、自己実現も、それは視座から得られるアウトカム(結果)です。視座という特殊能力、これは劇中の殺人鬼や悪魔が司るルールを超越した能力で、今も追求中です。
以上、ホラーが少し苦手な僕の独自見解で、ホラー映画と投資を関連づけして紐解きましたが、ホラー映画の良さを否定するものではありません。
映画好きの方、失礼しました。
視座についてはまたどこかで紹介できればと思います!
それでは!
The only real prison is fear, and the only real freedom is freedom from fear.
-アウンサンスーチー
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