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60代からの作文ドリル(6)

問題「簡単な実験をしてみてください。例えば、水に砂糖を入れて溶かす実験をして、その結果を書いてください。」


2024年7月31日(水)

中学3年生の頃、特別活動で化学クラブに属していた時、ささやかな実験を行い失敗してしまった時の話です。

特別活動の時間、中学校の理科室で、独り、古い『化学実験事典』を参考にして、『電気分解により水素と酸素を生成させ、そして燃焼させる』実験を行っていました。

当時、古い『化学実験事典』を参照にして行った実験は、三角フラスコに水酸化ナトリウム溶液を入れて、炭素棒を電極にして、発生させた水素と酸素をチューブを通して、石鹸水を入れたビーカで気泡きほうを作り、ロウソクの火でその気泡きほうを燃やすという内容でした。

その内容の通り、石鹸水を入れたビーカに次々と気泡きほうあふれ出てきたので、ロウソクに火をつけ、ビーカの気泡きほうに近づけようとした瞬間、三角フラスコもろとも爆発反応を起こしてしまいました。

爆発反応を起こした瞬間、本能的に手で顔をおおいました。そして、ゆっくり手を顔から離し、手のひらを見ると、血まみれになっていて、しばらく何が起こったのか理解できていませんでした。

その時、近くにいた級友の話では、私は自分の手のひらを見た状態で、しばらくもうろうとしていたとのことでした。そんなことは、自分では自覚できていませんでした。

ようやくわれに返って、自ら保健室へ行き、保健室に入るなり、保健室の先生が驚き、中学校の近くの病院へ連れて行かれる羽目はめになりました。

病院で、顔や耳、腕にできた傷を数針ずつっていただき治療してもらいました。
運よく目に傷を受けていなかったのがさいわいでした。顔には、数十箇所の傷ができていましたが、フラスコの破片などは、すべてはじかれて残っていないとのことでした。

その日は、教頭先生が自宅へ連れて帰ってくれて、教頭先生は、まだ帰宅していなかった両親の代わりに、自宅にいた祖父に謝罪をしていました。祖父と教頭先生は、久しぶりに再会した知人だったようで、私をそっちのけで昔話に盛り上がっていたと記憶しています。

結果的には、運よくたいした怪我もなく事は治った感じでしたが、特別活動の時間に顧問の先生が不在で、監督不行ふゆき届きの問題、自習させるにしても何らかの監視が必要だったのでないかと振り返っています。

最後に、爆発反応を起こした後、血まみれな手のひらを見て、最初に思ったのは、『親父おやじに叱られる』という事だったのは覚えていましたが、その当時、親父おやじに叱られたかどうかについては、記憶がありません。あと、当時参考にした『化学実験事典』に書かれていた正確な内容についても、まったく記憶にありません。今更ですが、何か重要な注意きを見落としていたに違いありません。

14、15歳だった当時から、47年余り経った今、初めて文章にした事柄でした。



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