離反
離反
狂ったことさえ知らぬ指
私はうずくまる
置いてきぼりにされた場所を見回す
総意という趨勢が導く先
私はうずくまる
回転する円板が伴奏を受け持つ
多様性すなわち自由であるとの認識
私はうずくまる
鈍い反射光の散乱が満たす塵の雲
呼吸するたびに薄膜の層が重ねられる
私はうずくまる
新たな「見えざる手」がある
その下で行われる無数の演算
私はうずくまる
創造と呼ばれる行為の離反
その離反をも材料として再生産されてゆくもの
狂ったことさえ知らぬ指
私はうずくまる
淘汰されるのを待つ
神を呼び戻すことはもはや―――
(2007.7.3)
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