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詩) ケヤキ

   ケヤキ

日没間近の都市公園に
さらさらという音を地面にこぼしながら
ケヤキの若木が黄金色に立っている

折からの強い風に吹かれ
時折り引きちぎられた枯葉が
地面と平行に吹き飛ばされてゆく

色褪せ
赤茶け
朽ちはじめた木のベンチが並んでいる

晩秋の夕暮れのもたらす景色を前に
僕は呆然と座っている
その時に立ち会えたことに・・・

昨日 僕は何をしたか
昨日 僕は何を想ったか
昨日 昨日 昨日

何も憶えていない
思い出せない
昨日

あのケヤキはこれから眠りに落ちるのだろう
僕はどうするのか
これから

もし飛ばされるなら
あの雲の上がいい
まっすぐに

そして
白と青だけの単調な世界で
狂ってしまいたい

おおケヤキよ
お前は本当に眠ってしまうのか
この僕を置いたままにして
昨日さえ思い出せぬこの僕を置き去りにして

     (2005.11.8)

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