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詩) 雄渾

   雄渾

やって来た・・・
鋭い 頂(ちょう)にかすかに座る

見上げる塔はますます屹立して難しい
仁王の 何(な・ん)と高い、怒りではない

あらゆる仏像にますます力みなぎり
地底を揺すぶる、その筋(きん)のわななき

蔵の中(うち)なる碧い器は自ら角(かど)を輝かし
目を切る、その剣のおぞましき叫び

私はたまらず、両手で目を覆う
突き抜ける天に上る痛さに

その時
梵鐘の響きが、次元を超えて
割れた

そっと手を放したら
確かに自分の今、在ることが
確かに地面から伝わってきた

          (1982.2.11)

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