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リボン ひらひらとしたリボンを引くと 楽しげな心持になる どこまでも引いていき…
手触り マンホールの中をのぞき込む 曲がっている線 血が固まっては融ける―――繰…
檄文 詩人たちよ叫べ かつて産業革命の際に 煙を吐き出しながら 冷徹な力で人間たちを…
追加された次元 天へと帰還する銀の光 その束 白い風車がゆっくりと回転する その…
離反 狂ったことさえ知らぬ指 私はうずくまる 置いてきぼりにされた場所を見回す 総…
微熱 安定した核反応が続く――― じりじりと照りつける太陽からの熱線が吸い取られ じ…
水面 神々が神々となるまでの 気の遠くなるような長い年月――― その遥か遠くから 減衰されて届いた小さな波 揺れ 溶けていた光を析出し 撒き散らす波 その水面に突き刺さる―――音の破片 32bit の像 私の五感を模倣する者が居る 神々の時間を 縮めようとする者が居る 微細な波の頂点のみを渡る 飛び石を伝うように・・・ 光をも超え 置き去りにして Digital by digital. 私は置換される 手をかざしてみる 薄れてゆく五感 消えてゆく生
あこがれ お茶の葉の香り シューベルトのピアノ・ソナタ 潮騒 …
選択 無数の小さな抜け穴が その道には用意されている もしくは 無数の分れ道が その…
対象 それは個人的な帰結である うたかたの 雨の 流れの中にひそかに息づく魚 崇める…
瞑想 私の中に在る電子の雲 潜在的な 不規則な 歩くもの 飛び交うもの かつて触れたこ…
焦燥 広々とした広間で 私は所在無く寝そべっている 暖かな午後が停まっているようだ …
部屋 冴え冴えとした月あかりの スレートの屋根に沁み込む 蛍光灯のあかりの ツゲの葉…
眺望 ビルの最上階から眺める都市は 電子基盤の上に並べられた回路のように ある規範をもって息づいていた 信号とカーナビと 経済と社会と 法律と――― 電子のように活動するもの 化学反応のように進む再開発 ある部分では腐食するまま 私、という思いが この眺望のどこに潜り込めるのか この回路のどこに生き続けることができるのか 自動的にはめ込まれ 自動的に働かされ 自動的に生かされてゆく―――知らず知らずのうちに 向かい合った鏡の間に立った時のように 無限に映され