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行基様!カリスマ土木技術者『暮らしをまもり工事を行ったお坊さんたち』

日本で初めて人々のための土木の工事の仕事をしたのは、お坊さんたちでした。どうして土木の仕事をお坊さんがやったのか。なぜお坊さんがやるようになったのかを解き明かします。

正直言ってこの本を読むまで、お坊さんと土木に関わりがあることに全く気付いていなかった。聞いたことのある有名なお坊さんなので、ひょっとしたら歴史の授業かなんかで習っていたとか?卒業するときに習ったことたくさん置いてきたからなー。

関西在住の人には馴染み深い昆陽池(こやいけ)は、行基が今から1290年ちかく前につくった貯水ダム(731年)で、今も上水用の貯水池として使われているという驚き。困っている人を助けようと考えた僧たち。唐で学び土木技術を身に付け諸国をまわって工事をして、人々の暮らしを支えた。そういわれてみれば、誰かがやっていた。その誰かが誰なのか考えたこともなかったな。お坊さんは教えを伝えることもできて、民は仕事ができて、災害がへり、作物を育て、運ぶこともできる。船をつくってもっと遠くへ、もっと大きなものを運ぶ。今の暮らしの礎だった。よくもまぁ、これだけ意識ぜず生きてきたのかと今更ながら思う。

「土木工事をおこなったお坊さんは工事の技術や知恵をあみだしただけでなく、土木、建築にたずさわるひとは、誠実な考えや思いやりを失ってはいけないということを教えてくれた」とある。土木が人々の役に立つものということは薄々気づいてはいたけれど、その歴史を知ったことで値打ちがぐっとアップ。はい。こちらとしましても、今後は思いやりをもって土木に接したいと考えております。

紹介されている場所 ◎兵庫県伊丹市:昆陽池(行基)◎大阪府大阪狭山市:狭山池(ふるくからある池を行基が直す。のちに重源がしっかり改修)◎香川県仲多度郡:満濃池(工事責任者:空海)◎奈良県:益田池改修(空海の弟子 真円)◎兵庫県:大輪田造;大阪港に入る前の港(大輪田港)の港を管理する施設を大輪田造りという(行基→平清盛→重源→空海)◎大分県中津市:耶馬渓(やばけい)絶壁の岩山を30年掘り続けてトンネルを掘った。通る人にお金をもらってトンネルを広げていく。日本初めての高速道路か!(禅海)◎岩手県三陸沿岸の道(鞭牛)

大阪府立狭山池博物館。狭山池誕生から平成の大修理まで時代ごとに展示。館内に移設されている堤の断面は圧巻です。もう一度行って、このお話を思い出してみよう。きっともっとよくわかるはず。

土木の歴史絵本 第1巻 『暮らしをまもり工事を行ったお坊さんたち』かこさとし 作 瑞雲舎 2004年

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