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その後、いかがですか?

最近、この言葉をよく投げかけるようになりました。

「タスクは旅をする。」

サラリーマンですので組織で仕事をしております。人からタスクを得ることもあれば、人にタスクを与えることもあります。タスクはババ抜きのババなのか、あるいは通貨なのか。もらって嬉しいものかどうかはさておき社内に留まることなく広く流通しており、それぞれの場所で加工されたり新たに派生するタスクを生んでいたりします。そして、中には忘れられるタスクもあったりします。物質ですらないタスクではありますが、かなり有機的な動きをするものに思えます。

私はタスクそのものが旅人の様でもあるな、と感じました。旅人は「旅をする」と言う単一のタスクを行なっているのではなく、どこまでも細分化できそうな細かいタスクの集合体を意識、無意識は別として実行しながら、移動と発見と学びを得ています。これらが我々におけるタスクと同じ動きのように思えるのです。

「旅人を管理する。」

タスクとは旅人のようなもの、と言うことを前提のように捉えた場合、古典的でありつつも依然有効なタスク管理手法である ToDo リストにも異なる視点を与えてあげる必要があると感じました。

ToDo リストは自分視点で作られています。旅人であるタスクの視点ではなく、旅人を送り出す家族の視点のようなものです。なので、旅人が旅立つまでのタスクについては旅人同様に把握しています。しかし、旅人を送り出した家族にはもう旅に関するタスクはありません。人にタスクを依頼した後の私がこの状態であり、私の ToDo リストもそこに留まっておりました。

でも、旅人を送り出した家族も全く手が離れるかというとそうではありません。万が一、帰って来る予定日に旅人が帰って来なかったら大変です。これは人に依頼したタスクが期限までに完了しない状態に相当します。旅人でもタスクでも期限になってから気づくようではもう遅いのです。なので、期限よりも手前に安心材料が欲しいところ。ToDo リストは「○○ さんに依頼する」で終わってはいけないのです。

「旅人を安全に帰すために。」

旅人を送り出すための ToDo リストではなく、旅人を安全に帰すための ToDo リストにする必要があります。

旅人を送り出した家族が能動的に出来る事、それが「その後、いかがですか?」なのではないでしょうか。そして、これはタスクを依頼した時にも有効です。人に依頼したタスクそのものはもう私のタスクではありませんが、人に依頼したタスクの進捗を確認するのは依然私のタスクなのです。これを ToDo リストに明示的に加えておくことが私の最近の工夫です。

人に何かを依頼すると言うことは、その何かの全てを丸投げすることではなく、依頼主として後追いをする責任を負うことでもあったのです。こんな当たり前のことを最近の発見の様に書いておりますが、ToDo リストにそれを書き出すまでの私はその責任を行動に起こしていなかったのです。

旅人を送り出した家族であれば、大切な人を思う気持ちが自然とそれを行動にしていたものです。ただ、仕事の依頼主である私はタスクに対して同じような気持ちではありませんでした。どこかでタスクが手を離れたことに対して、安心感を覚えてしまっていたのです。それを、タスクを旅人に置き換えてみたところで反省できました。旅人が帰って来るまでは安心できないのです。

「その後、いかがですか?」

ToDo リスト、あるいはスケジュール管理のいずれに於いてもこの「その後、いかがですか?」を有効なタイミングで発揮できるようにすることで旅人の管理は一歩前進しました。依頼したタスクが期限までに完了しないことを完全に防ぐことは出来ませんが、少なくともその可能性に気づくタイミングを期限よりも手前にすることは出来ます。プランや担当者を変更して期限に間に合わせる可能性も増すのです。

大きなプロジェクトから具体的なタスクに細分化する際、何かの期限を設定する際、人に何かを依頼する際、この様な場合に「いつ、その後いかがですか?を行うか。」と言う観点を加え、それもタスクとして加えるようになりました。工夫はこれだけで飛躍的に仕事が綺麗に回る様になったのです。

いかがですか?

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