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約2年間、採用担当として過ごしてきて。忘備録的な履歴書。

エンジニアにはGitHub、デザイナーにはポートフォリオがあるけれど、文系総合職の自分には、パッと見でどんなやつなのかわかるものが無いなと、ふと思った。

自分が今まで社会に出てから何をしたのかを振り返り、どんなことができるのかをたな卸しするのは自分にとっても良いこと。また、誰かに会う前にこのリンク一つ渡せば、会ったときに一段深い話ができるはず。(読んでくれればですが笑)

というわけで、今後一緒に何かを作るかもしれないあなたに向けて、僕の履歴書を書いてみる。興味あるところだけ読んでいただくだけでも幸いです。

▪️1分でわかる僕の履歴書

フリーライター時代

フリーライターとして半年間働く。各都道府県のお土産を取り寄せ、全部自分で食べてお土産レポを書いたり、新宿の高級ラブホのオーナーに取材したり、色々面白いことしていた。お金はなくて割と死にそうだった。

Wantedlyインターン時代

新規プロダクトを広めるため、営業、広報、マーケまで色々やらせていただいた。関西の企業エキスポで名刺配りまくったり、LifeHackerを真似して「仕事術」の記事を書いたりした。SEO対策して書いた記事が今でも読まれ続けていて、現在12万PVまで達している。

Wantedly正社員時代

採用担当として正社員で入社し採用担当として約2年働く。学生時代一番嫌いな職種が採用担当だったのに、まさか自分がなるとは思わなかった。一番記憶に残っていることは決めきれないけど、自分が面談した人が今も活躍しているのを見るのはやっぱり嬉しい。また、採用広報として60以上の記事を書いた。最近だと、この記事が思いの外拡散されて、「高校生でもインターンやれるんだ!」とちょっと他の高校生の背中を押せたこと。

▪️以下、詳しく振り返ってみます。

採用担当として何をしてきたのか

Wantedlyに入社して所属したチームはコーポレートチーム、最初の職種は中途エンジニア採用担当。その後、2017年の5月半ばから新卒採用担当になり、2018年の3月から8月末まで、中途ビジネスチーム、中途デザイナーの採用をしていた。同時並行で、採用広報も担当していた。

学生時代1ヶ月だけプログラミングを学んだことがあったが、初週ですでにわけがわからなくなった僕にとっては、「始めからハードモード」みたいな職種だった。加えて中途採用。本当に自分で良いのか不安しかなかった。

クラウドとオンプレミスの違いも分からなかったし、APIって聞いても何のことだかさっぱり。唯一知っている言葉は「Ruby」だった。

「(ベンチャーの)採用担当=営業+マーケ+広報」みたいな仕事のため、母集団を形成する1対nの仕事もやるし、面談以降1対1でフォローするところもやってきた。

基本的にやっていたことは、Wantedlyを使ってスカウトメールを送ったり、募集記事を書いたり、イベントを打って認知度を高めたりと、どの会社でもやられているようなこと。ただ、どんなスタンスで望んでいるかは個人個人異なると思うので、実際に何をしてきたのかを書いてみる。

カルチャー理解

採用担当で一番大事なのは、"どうやって人を集めるか"でも、"どうやって口説くか"でもなく、「自社に合う人はどんな人なのか」を知ることだと思う。弊社には、これまでに最終選考を受けた人の結果が全部データとして残っているので、どういう人が社内に多い傾向にあるのか、逆にどういう理由で落ちてしまったのかをまず調べた。また、メンバーの傾向を知る為に入社した理由や自社の良いところを聞いてスプレッドシートにまとめたりした。

ここが固まっていないと、面談の精度も悪くなってしまう。採用チームのメンバーが増えてからは、先輩とどういった点が合っていればカルチャーに合っていると言えるのかのすり合わせも行った。

エンジニアリングに関する理解

「Rubyしか知りません」なんていつまでたっても言っている訳にはいかないので、メジャーな言語の特徴やライブラリ・フレームワークなんかも調べた。社内のメンバーにもたくさんお世話になった。人事がコードをかける必要は全くないと思うが、そこに歩み寄る姿勢は大切だと思っている。

具体的にはPodcastでRebuild.fmというエンジニアがやっているラジオを聞いたり(非エンジニアでもある程度は理解できる内容かつ、話が面白いので個人的にはオススメ)、「絵でわかる人工知能 明日使いたくなるキーワード68」(糸井重里さんが帯を書いている。難しい数式が一切出てこないし、かわいい猫がイラストで教えてくれるので文系にもオススメ)という本などで、なんとなくプログラミングの概要を理解するように務めた。

社内で使っている技術がどんなものなのかを大枠でも知っておくことももちろん大切なので、「最近はどんなことしてるんですか?」とエンジニアに話しかけたり、一緒にご飯にいったりした。ただ知識を吸収するのではなく、同じ会社のメンバーとして仲良くなる姿勢が前提として大事。

スカウト

ダイレクトスカウトの方法は調べると沢山出てくるので、ここで改めて書く必要もないかもしれないが、「その人に向けて書く」姿勢は意識していた。例えば、インスタでラーメンの写真ばかりあげている方に、自分もラーメンが好きなことを伝えたり、ブログを書かれていたら、いくつか読んでみて感想を書いたり。人によって載せている情報量は違うため、全員に同じ濃さで書くことはできないが、可能な限り意識した。一応スカウトの返信率は30%前後で、平均が20%くらいなので、高い方だと思う。スカウトはラブレターと同じ。

面談

面談では「ファンになってもらうこと」が最優先。面談は一方的に相手のことを推し量る場ではなく、お互いに合うかどうかを確かめる場。だから、相手が「この先したいこと」は必ず聞いて、少しでも自社で活躍できる可能性があるならそれを提示し、そうでなければ嘘をつかず、別の可能性を話した。正直、僕は嘘をつくのが苦手なので、割と無理やり引っ張ってくるってところに関しては苦手だったかなと思う。その代わり、1年以上前に採用したメンバーはまだ活躍しているのが誇り。

イベント施策

募集公開やスカウトの他に、イベントもいくつか行った。中でも成功したのがこの「React反省会」。(Reactというのは超簡単に説明するとプログラミング技術の一つ)CTOに協力していただき、登壇者集めからロジ周りまでオーナーとして運営した。

「勉強会」ではなく、「反省会」という切り口が良かったのか、実地経験での学びが得られたと、満足度もを高かった。個人的にはTwitterのトレンドに「#React反省会」というタグが乗ったことがうれしかった。お金払ってトレンドに載せようと思うとべらぼうに高いらしいので、頑張って設計して良かったなと思うイベント。

新卒サマーインターン

2018年5月から新卒エンジニア採用担当になり、数えきれないほどの学生と会った。半年で6回くらい京都にイベントで行ったり、京大で朝から晩まで学生にずっと会ったり、雪の中長野まで行ったのはいい思い出。新卒採用は全国各地に飛び回れるのが楽しいですね。大変だけど。

特に力を入れたのはサマーインターンの施策。各社新卒採用担当が命をかけるサマーインターン。弊社では、約2ヶ月で60人ほどの学生を受けいれた。採用担当は周りのメンバーの協力なくしては成り立たない仕事だが、サマーインターン時は特にエンジニアのメンバーに助けられた。

インターン中は来てくれた学生全員と面談した。一人ひとりがどういったキャリアを考えているかや、メンターについてのフィードバックをヒアリングした。それをメンターに共有することでインターン生が良い体験をできるように心がけた。

新卒デザイナー採用

2018年の9月ごろに、新卒でデザイナーを1人採用することが決まった。弊社では新卒でデザイナーを採用すると決めた初めての年。基本的には、新卒エンジニア採用と座組は変わらなかったが、エンジニアと異なり逆求人イベントなどは無いため母集団をどう集めるかで苦労した。

アポ無しで多摩美に行って、その場で先生を捕まえて説明会の約束を取り付けたり、「ポートフォリオフィードバックイベント」を企画したりした。

結果として、目標である1名を採用できた。

中途デザイナー採用

クリエイティブ・ディレクターとUI/UXデザイナーの採用。簡単に採用ができる職種では無いので、初回面談数、最終面談数でそれぞれ目標数値をおいて行動していた。

デザイナーはただでさえ母集団の数が少ない上に、基準を満たすデザイナーになかなか会えないため苦労した。スカウトの返信率も15〜20%ほど。

社内のメンバーに頼んで、紹介できるようなデザイナーがいないか一緒にFacebookを見て探す。twitterでリフォローしてくださったデザイナーさんに一度会えないかDMをする。月に1度ゆるく社外のデザイナーと交流できるイベントを企画するなど、スカウトや募集記事による集客以外の泥臭いことも一番やった採用だったと思う。

採用広報として何をしてきたのか

次に、兼任してやっていた採用広報について。

採用広報の目的は、認知度の向上、会社ブランディング、候補者への魅力づけの3つが主。オフラインでは、先にあげたイベントの実施や大規模カンファレンスでの来場者とのコミュニケーション。

オンラインでは主に記事の作成をしてきた。書くこと自体はとても好きなので、記事の執筆は楽しかった。メンバーの魅力的な一面を切り出す社員紹介はとりわけ力をいれた。

広報の成果は数値で見えにくいが、自分の記事を読んで入社を決めてくれたメンバーがいたり、記事がきっかけで取材されたメンバーがいたりと間違いなく効果が出ている。評判の良い記事をいくつか抜粋する。

また、採用広報関係で記事を書いていて、登壇もさせていただいた。


最後に

ここまで、読んでくださってありがとうございました。今後一緒に仕事をすることになった方が「あぁ、こんなことして来てたのか」と思う一助になれば幸いです。

最後に、2年間採用という職種を経て思ったことを書かせてください。

僕にとって採用担当は、学生時代もっとも嫌いで「一生なるまい」と思っていた職種でした。半分くらいは逆恨みやら勘違いが入っているのですが(笑)、自分が就活をしている時、「君とぜひ仕事がしたい」と人事部長に言われた後の最終面接で落とされたり、めちゃくちゃやる気のない面接官に出会ったりと、「採用担当なんかクソだ!」と思っていたからです。

だから、採用担当なんてやりたくないし、向いてないなと思っていました。

とはいえ、会社の方が自分がその適性があると信じてくださったことと、負けず嫌いな性格も相まって、なんとか2年間やってきました。

採用担当の仕事は足が長く、なかなか成果が出にくいですし、自分の力でコントロールできない点も多いので正直大変な仕事だと思います。外から見ると、「入社した/しなかった」の1点でのみ評価されてしまいがちだし、社内で競う相手もいないので、自分が市場でどれくらい価値があるのかわかりにくいです。

特別なことをやっている訳ではなく、「会ったその日のうちにサマーインターンの案内を送る」、「内定を承諾するまで地道にフォローする」、「懸念点を洗い出して解消する」、「一度断られても諦めず話す場を作る」などやっていることは結構地味です。イベントも基本裏方。

でも、今こうして振り返ると、"向いていない"と"できない"は違うなと気づきました。むしろ、できないって思っていたことこそやればやるほど新しい発見がある。もし採用担当にならなかったら、俯瞰的に会社を見る癖はつかなかった。採用がどれほど大変で大事かも気づかなかった。本業に比べどうしても優先度が下がりがちな採用活動のために、周りを巻き込んでコトを成し遂げる難しさもわからなかったなと。

もちろんこの考えは結果論に過ぎないです。自分の心に嘘をつき続けなければならないほど辛いことは無いと思っているので、自分が苦しくなるほど向いていないのであれば、今の仕事を変えることを検討すべきです。

ただ、あくまで個人の考えですが、"向いてない"というバイアスだけで可能性を逃してしまうのは少し勿体無い、そう思うのです。

これまで採用担当として何百人と人に会ってきましたが、自分と話したことで、何か前向きになれるきっかけや、一歩踏み出すきっかけになっていれば嬉しいです。

そして、これを読んで自分に少しでも興味を持ってくださった方がいれば、転職とか関係なくざっくばらんにいろんなお話できたらなと思います。そんな方に、どこかでお会いできるのを楽しみにしています。

最後まで読んでいただきまして、有難うございます。 あなたが感じた気持ちを他の人にも感じてもらいたい、と思ってもらえたら、シェアやRTしていただけると、とっても嬉しいです。 サポートは、新しく本を読むのに使わせていただきます。