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午後ティーのTikTokを使ったマーケ戦略について

キリン午後の紅茶がTikTokを使ったマーケティング戦略で大成功したというニュースが一昨日ネットに上がっていた

わずか2カ月弱で動画再生回数が累計6200万回を超え、一般参加による動画投稿が1万2000件を突破――。

午後の紅茶を頬に当てたモテ仕草の動画が、「#あなたとほほティー」というハッシュタグとともにたくさん上がっている。僕も視聴してみたが、確かに可愛らしい動画で、真似もしやすく、みんなやりたいだろうなぁと思うのも納得できた。

流行を上手く捉えた戦略はあっぱれだと思いつつ、これって別に午後ティーじゃなくてもいいのでは、とも思ってしまった。紅茶のメーカーならリプトンやコカコーラが出してる紅茶花伝もある。なんなら、紅茶である必要もない。「ほほティー」という単語はそのまま使えないかもしれないが、暖かい飲み物であれば代替できそうだ。

とは言え、TikTokに動画を乗せることが買い手本人の目的でも、企業側としては結果として午後ティーを売る目的を達成しているので、戦略としては成功している。

どんなに良いものを作っても手に取ってもらわなければ意味がないし、値段や味で極端な区別をつけにくい大手メーカーの出している飲食物ならなおさらだろう。

ただ、作っているメーカーの味を研究している人はどう思っているのだろうと考えたりもする。味にこだわっていないことはないだろうけど、「飲みたい!」動機ではなく、「踊りたい!」動機で何ヶ月もかけて作った飲み物を買ってもらうのは残念だと思ったりしないのか。それとも、結果として飲んでもらっているから良いのか。この辺りは人によって分かれそうだが。

モノ本来がもつ価値(”味”)と必ずしも紐づく体験(”美味しさ”)ではなくとも、類似製品でも代替可能な価値(”あったかい飲み物” or “ペットボトル”)と紐づく体験(“TikTokで承認欲求を満たす”)をどう企画力で作り上げるかが、マーケティング施策の一つとしてより注目されるような気がする。自分はマーケティングの専門家ではないので、Youtuberが台頭したあたりから、その流れは来ているのかもしれないが。

一方で、プロダクトを徹底的に作り込んで、モノ本来がもつ価値と1:1で顧客と向き合うことを積み重ねているブランドもどんどん出てきており、マスマーケティングとパーソナライズの施策の差も広がっているように思える。

顧客のどういった感情を満たすかは、企業の自由だが、長く顧客と付き合っていくためには、モノ本来が持つ価値をどこまで訴求できるかが、鍵なような気がしている。

(この記事ではあまり事例を出せなかったので、今度またじっくりこの辺りの事例は調べてみたい)


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