Bistro Toricoya 岩田シェフに聞く「ワインとの出会い」
エノテカのミッションに共感いただき、私たちの商品を扱ってくださる企業や店舗の方々へインタビューする新連載がスタート。題して「#ワインに関わる人たち」。
エノテカに関わる人たちは、いつワインと出会ったのか?そして、なぜワインが好きになったのかをインタビューする企画です。
第1回は、ローストチキンとトリュフオムレツが人気のBistro Toricoyaでシェフを務める岩田 研一さんにお話を伺いました。
Bistro Toricoya(ビストロ トリコヤ)
東京都渋谷区恵比寿南1-11-2 2F
03-5725-1620
https://www.toricoya.com/
-まず最初にBistro Toricoyaの魅力と人気メニューを教えていただけますか?
リゾートのような寛いだ雰囲気の中、本格的なフレンチをカジュアルに楽しんでいただけるところです。ワインも豊富に揃えています。恵比寿には数多くのビストロが軒を連ねていますが、肩肘を張ることなく、カジュアルにフレンチを楽しめるお店は多くはないと思っています。
人気メニューは2つありまして、ひとつは「プレロッティ」と呼ばれているローストチキンで、もう1つは「モンサンミッシェル風トリュフオムレツ」です。ほぼ同じくらいの人気ですが、オムレツの方が上回っているかもしれませんね。
本場の味に近づけたいと試行錯誤したオムレツは、仕上げにかけるトリュフの品質にもこだわりを置いており、実際にモン・サン=ミシェルに行ったことがあるお客様からは「本当に美味しい」という声をいただきます。
現地で食べると5,000円くらいしますが、うちだと2,000円台です。もちろん、値段が手頃というだけではなく、現地の味に近いということで、価格以上の価値を感じることができるのも人気の理由だと思っています。
ローストチキンは、私が実際フランスのボーヌにあるビストロで食べて、この料理を日本でも味わってほしいと思って何度も試作を繰り返しました。
現地ではブレス鶏を使用しているのですが、日本で使用するとなると考えられない金額になるので、もう少しカジュアルにお召し上がりいただくために国産鶏を使用しています。
調理方法自体はとてもシンプルですが、他のお店ではなかなか味わえないかと……言葉にすると難しいので、本当に食べていただきたい一品ですね。
-ここから、岩田さんとワインについてお伺いしたいのですが、岩田さんがワインと出会ったのはいつ頃ですか?
ワインをちゃんと飲むようになったのは20代後半頃だったので、結構遅い方かもしれません。
極端な話をすると、20代前半は「白ワインであれば、ほとんど同じでしょ?」って思っていた頃もありました。
当時は細かく区別できていなかったし、ワインを意識し始めたのは、先輩と一緒にご飯に行くようになってからです。ワインと向き合うという意味で「出会った」という表現を使うのであれば、20代の後半頃になります。
ただ、今もワインについて詳しいかと言われるとそうではなく、単純に味わって「美味しいか、美味しくないか」というところを大切にしています。
そこが一番重要だと思いますし、接客をするときに自分の体験をお客様に伝えることができるので、うんちくよりもまずは美味しいかどうかです。
そもそも自分自身が興味ないワインのうんちくは聞きたくないと思うし、自分が「いいな」と思ってから、体験談を話していく中で、そのワインのストーリーを話した方がお客様との会話も弾みますからね
-20代後半でワインと向き合ってからのワインの飲み方など教えてください。
僕はそこまでお酒が強くないので、基本的に1人で飲むときはボトル1本空けることはありません。どちらかというと、お店に行ってグラスワインで色んな種類のワインを飲むことの方が、自分的にはその価値があるというか、ワインを楽しむことができるのかなと思っています。
僕がそういう性格なので、お店のグラスワインもなるべく数を揃えて、商品はどんどん変えるようにしています。グラスワインは今だと9種類くらいですかね、もちろん、7種類くらいの時もあります。
短いスパンの時は1週間くらいでなくなることもありますが、基本的には2週間に1回くらいで、数種類が変わっているようなイメージですね。
店の料理人でもワイン好きが何名かいるので、自分たちで好きなワインをピックアップして、その中から「次はこのワインをグラスで出そうか」って決めています。
-ワインへの思いを伺っていると、色んなワインを楽しんでいるイメージですが、そんな岩田さんにとってワインはどのような存在でしょうか?
僕にとってワインは「音楽」と同じ存在です。
音楽は集中して聴くこともあれば、BGMとして脇役に徹する時もあります。
僕は、料理人だからかもしれませんが、ワインと料理を合わせて楽しむとき、料理を彩るための存在がワインだと思っているので、料理と合わせる時は脇役的な存在です。
ただ、ワインバーみたいなところで、ワインだけをじっくりと楽しむ時は、ワインだけに意識が集中しているので、それぞれで楽しみ方は違うと思うんです。ブラインドテイスティングとかもそうですね。
あと、昔の音楽を聴くと当時遊んでいた友達や付き合っていた彼女との思い出を呼び戻すことがあります。ワインも同じようにどこで誰と飲んだという記憶を呼び戻してくれますよね?
美味しいって記憶はもちろんありますが、それ以上に「どこで誰と飲んだ」ということを思い出すことの方が多いかもしれません。だから、音楽に似ていると思うし、それこそジャケ買いもして楽しんでいます。
ラベルを気に入って買ったら意外に美味しくて、そこからそのワインのことを掘り下げていくこともありますし、音楽もジャケ買いからアーティストの歴史を掘り下げていくことがあると思いますが、そういう楽しみ方や触れ方って凄く似ているので、僕にとってワインは音楽なのかなと思います。
-ありがとうございました。
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今後のお話を伺ったところ、「実現できれば…」と、やや謙遜気味でしたが、夏に向けて色々と計画されていて、実現への期待が自然と沸いてきました。
また、新型コロナウイルスの影響で生ビールがいい状態で出せないそうなので、一度生ビールを止めて、クラフトビールに切り替えることも考えているとか。
グラスワインも多数取り揃えているので、この開放感のあるオープンな空間でワインを飲みながら、ほっと一息つきに足を運んでみてください!]
店舗情報
Bistro Toricoya(ビストロ トリコヤ)
東京都渋谷区恵比寿南1-11-2 2F
03-5725-1620