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「渋くて飲みにくい」というワインの印象を変えてくれたプリミティーヴォ

エノテカ&ケーシーズ御殿場店の飯谷明良と申します。

私はかつてワインが苦手でしたが、そんな私を「ワイン無しでは生きられない!」というくらいまでワイン好きにさせてくれた1本のワインをご紹介いたします。

常連のお客様から頂いたワイン

初めてワインを飲むことになったのは、学生時代にアルバイトをしていた居酒屋でのことでした。もともとお酒が大好きでしたが、当時は「ワインはお金持ちの人が飲むお酒」というイメージが強く、自分でワインを購入して飲むということはありませんでした。

そんな時、居酒屋の常連のお客様のご厚意で、一杯の赤ワインをいただいたのです。

失礼ながら、赤ワインは「渋くて飲みにくい」というイメージが強かったので、グラスに注がれた直後もワインを飲むことはなく遠慮していました。注がれた赤ワインは黒みがかっていて、見る方に渋そうな色合いをしていました。

しかし、グラスに顔を近づけた時のあの香は今でも忘れることなく覚えています。当時は全くワインについて詳しくない私でも、グラスから感じられる干しブドウの甘い香り。

今でこそ、甘口に含むと滑らかで柔らかい口当たりで、甘さを帯びた濃密な果実が口の中に広がっていき、はちみつのような甘い香りが余韻として残っていると言えますが、当時の私はただただ美味しいと思い、赤ワインのイメージを180度変えてくれました。

イタリアの土着品種プリミティーヴォ

トルマレスカのブドウ(プリミティーヴォ)

そのワインこそ「プリミティーヴォ」というブドウを使ったイタリアの赤ワイン「トルチコーダ」です。

トルチコーダはイタリア南部のワイナリー『トレマルスカ』が土着品種プリミティーヴォ種100%で造る赤ワインで、濃厚でリッチな味わいが特徴的です。

先述したとおり、干しブドウのような甘さを帯びた果実味があり、酸味も強くないので非常に口当たりが優しく飲みやすい味わいです。木樽で熟成されているため、バニラやカカオのような甘く優美な香りに包まれ、何とも言えないロマンチックな気分にさせてくれます。

すっかりプリミティーヴォの虜になってしまった私が薦めるペアリングは「クリームチーズのハチミツ和え」です。

プリミティーヴォは飲んだ時に、濃密で干し葡萄のような甘みがしっかりと余韻に残ります。こちらにクリームチーズのトロッとした濃厚なチーズ感が相性抜群です。さらにワインから香るバニラのような樽香に、ハチミツの甘い香りが混ざり合う素敵なハーモニーを生み出します。

冬が近づくにつれ寒くなるので、アロマキャンドルを焚いて、おしゃれなジャズを流しながらこのワインを飲めば、自然と心が温まるような素敵な時間が過ごせるのではないでしょうか。

素敵なワインたちに出会うことで人生が豊かに

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ワインを知らない人にとって、ワインは近づきがたく遠い存在かもしれませんが、ワインを飲まなかった私がこのワインと出会ってワインを好きになったように、必ずその人の好みにあったワインは存在します。

その出会いをサポートする事が、今私ができるお客様への最大のサービスだと思っています。

最後に勝手ながら、私が思うワインの好きなところを伝えさせていただきます。

ワインはこの世からなくなっても困るものでもなく、絶対になくてはならないものでもありません。しかし、ワインがあれば食事の楽しみや親しい友人との会話など、人生における楽しみ方がさらに広がると思います。

「なくてもいいけどあれば人生が豊かになる」。

そんな素敵なワインたちに出会えたことに感謝し、これからも美味しいワインをたくさんのお客様に楽しんでもらいたいと思います。

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最後までお読みいただき、ありがとうございます。

ワインも音楽のように、飲むとそのときの記憶が呼び起こされる時がありますし、特に初めて飲んだワインは、銘柄までは分からなくても何かしら記憶に残っているものです。

現在、スタッフの初めて飲んだ思い出のワインをnoteに綴っているので、ぜひ、他の記事にも目を通してみてください。

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